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美少女JKなろう作家の完璧かつ華麗なる日常  作者: 中 卯月
第一部 美少女なろう作家、ダラダラする
5/78

1-5 妹は私のことが好きだけど私は妹のことが嫌いだよ

 前回までのあらすじ。

 クールな女子小学生に助けられたが心と体に傷を負った。


 私はポケ●ンになりたい。何故ならポ●モンセンターでタダで傷を癒してくれるからだ。あと可愛いポケモ●になって、イケメントレーナーに飼われたい。


 私はウツロな表情でそんな妄想に浸りながら街を彷徨(さまよ)った。そんなこんなで夜の七時を過ぎたころ、流石にそろそろ家に帰りたいなと思ったが、勝手に帰ったら妹にキレられそうなのでラインでメッセージを送ってみた。



挿絵(By みてみん)



 私は思わずスマホを地面に叩きつけそうになった。


 ブチ転がすぞ、このクソガキ!?

 おまえが出てけって言ったんじゃん!?

 ぴえん! ぴえん! ぴぴぴぴぴえん!!!!


 妹の分際でよぉ〜〜〜〜〜! こちとらテメェの姉やぞ!? 姉より優れた妹なぞ存在しねぇってことを分らせてやろうか!? 私の特製わからせ棒をテメェの●●●に●●して●●●●してやるからな!?



 私はぷんぷんと可愛らしく怒りながら帰途についた。




◇◆◇




「妹ぉ!!!」


 私は家に着くや否や、今にも掴みかからんという勢いで妹に詰め寄った。


「おネエ、おかえり。……その、誕生日、おめでと」


 だがしかし。

 今日こそは妹に格の違いを見せつけてやろうという私の決意は、その一言により呆気なく消え去った。


「ほへ……?」


「今日、おネエ誕生日じゃん? だから、その、友達に教えてもらってケーキ焼いたんだ。今お茶淹れるから、良かったら食べてよ」


 妹の言葉に理解が追いつかない。


「なんで……?」


「は? 家族の誕生日を祝うのに理由がいる?」


 妹は呆れ顔でそう言ってのけた。


「で、でも去年は誰も祝ってくれなかったじょないか!?」


 動揺しすぎて噛んだ。


「いや、去年はおネエ、誕生日にママと喧嘩して深夜まで帰ってこなかったじゃん……」


 そうだったっけ!?

 ムカつくことは忘れる性分だから覚えてないよ!?


「ママはどう思ってるか知らないけどね、さつきはちゃんとお祝いしたかったんだよ」


 い、妹ォォォッ……!

 なんて、なんていい子に育ったんだろうか。

 昨日書いた小説でエロい目に合わせてごめんな。


「で、でも、それならどうして私に出てけって言ったんだよ?」


 私が質問すると、妹は恥ずかしそうに頬を染めてそっぽを向いた。


「だって、おネエにあげるケーキを作るのに、おネエに見られたら、なんか恥ずかしいじゃん」


 てぇてぇぇぇぇぇぇ!(尊いの意)

 なんだこれ、姉妹百合ルートに入ったのか?

 妹ってこんなに可愛い生き物だったか?


「さ、さつきぃぃぃ……」


 私は涙目になりながら、約二年ぶりに(さつき)の名前を呼んだ。

 ……そうか、全部……きっと全部、私の勘違いだったんだ。一方的に被害妄想を拗らせて、壁を作ってしまっていたんだ。


「わ、わた、私はよぅ……て、てっきり、皐月(さつき)に見下されてると思っててさぁ……」


 皐月はここで「そんなことないよ」と言い、姉妹は和解する。そんなストーリー。

 にはならなかった。


「あ、えーと、見下してはいないけど」


「……けど?」


「おネエって友達もいないし、これといった取り柄もないし……かわいそ、じゃなくて、そんなところが可愛いなとは思ってるよ!」


 死ぬほど見下されていた!


「さつきはおネエのそういうところも含めて好きだけど、おネエはさつきのこと嫌いなのかなって思ってて……ずっと素直にお喋りできなかったの……!」


「ああ、私はおまえのことが嫌いだね! ウワァァァンッ!!」


「お、おネエ!?」


 私は泣きながら再び家を飛び出し、家族全員が寝静まる深夜まで帰らなかった。

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