3-6 新作の構想ができました
ああ、これ既読つけちゃったから、早く返さないと失礼になっちゃうよね!?
ええええ、でも、どうすれば!? 最初の文章考えるのにも三時間かかったのに、そんなぽんぽんと返事できるわけないだろ!
そんな風に一人でパニクっていると、それを見透かしたかのような優ちゃんから電話がかかってきた。びっくりしてスマホを落としそうになり、慌ててキャッチしようと手を伸ばすも掴み損ねて打ち上げてしまい、スマホがお手玉のように宙を舞った。
二度三度スマホお手玉をした挙句にようやくキャッチに成功するが、その拍子に画面上の受話ボタンに触れてしまい、落ち着く間もなく優ちゃんの電話に出るハメになってしまった。
「も、もも、ももももしもしも!?」
緊張しすぎて呂律が回らない。控えめに言って死にたい。
『“も”が多いよ、卯月』
クスクスと笑う優ちゃんの声が聞こえてくる。
久々に声聞いたけど、やっぱいいな……なんか癒されるな……アルファー波が出てる気がする……アルファー波って何なのかよく知らんけどさ……。
「ゆ、ゆ、優ちゃん、な、なな何で電話を?」
『話したいのかなって思って』
お見通しだったのかー!
は、恥ずかしいー!
『……もしかして、違った?』
私が身悶えして返事をしなかったせいで、優ちゃんが少し不安そうに訊ねてくる。
バカ! 私のバカ! 優ちゃんを不安がらせてるんじゃねぇよぉ!
「ち、ちがくないよ、お、お話……し、したかったです、はい……」
素直に自分の気持ちを吐露するのが恥ずかしすぎて消え入りそうな声で、しかも敬語になってしまった。
『良かった。話したいのが私だけだったら、流石に寂しいからね』
優ちゃんも私と話したいと思ってくれていた……?
あ~~~~~好き~~~~~!
もうこれが友情なのか恋情なのか愛情なのか知らんけど好きとしか言えね~~~~~!
それから一時間ほど他愛のないお話を楽しくした。
楽しい時間が過ぎ去るのは一瞬だった。
『あ、卯月、ごめんね、そろそろ時間が……。ちょっと他の人に電話しなくっちゃだから……』
「他の人? もしかして彼氏ですかな?」
一時間も話していれば、すっかり口が回るようになってしまって、ネットのような軽いノリで冗談を言えてしまうほどだった。
『う、うん……。あ、あれ、私、彼氏いること卯月に言ってたっけ……?』
スピーカー越しに聞こえる、優ちゃんの気恥ずかしそうな声。
冗談のつもりだったんですけど。
彼氏……いるんですね……。
「う、ううん、当てずっぽうで言ってみただけ」
『そう。てっきり藍子が言いふらしたのかと思ったけど……それならいいかな。じゃあ、またね、卯月』
「またね、優ちゃん……」
かくして、楽しかった通話は悲しく終了した。
泣いてねぇよ。
ただ友達に彼氏がいたってだけの話じゃねぇか。何で泣く必要なんかあるんだよ。
そりゃあ、優ちゃんくらい可愛くて気遣いもできれば、彼氏くらいいるよなぁ。そいつ間違いなくロリコンだけど。
私は枕を濡らしながら、いつか優ちゃんの彼氏に会ったら児ポの容疑で警察に突き出してやると心に誓った。
「優ちゃん……いつかママになったりすんのかな……」
合法ロリの優ちゃんママ……創作の題材にするにはいいかもな……。
お隣に合法ロリの未亡人がいる甘え系ラブコメ。疲れた現代人の心を癒すこと請け合い。創作の中でだが、優ちゃんの彼氏を抹殺できて俺得。まさに一石二鳥。
そして主人公(作者や読者が自己投影して優ちゃんでオギャるための存在)は優ちゃんと結ばれるのである。完璧だ。
私の悲しき習性だが、メンタルにダメージを負っているときの方が創作が捗るのである。
おい、これを読んでる読者、引くんじゃねぇよぉ!
創作なんてのは、結局のところ自分の好きなように書くのが一番なんだよ!
「これに……今流行りの幼馴染なんかを出してみたりして……」
ぶつぶつと独り言をつぶやきながら、思考を整理してスマホでメモする。
何となくまとまってきた気がする……。
というわけで、近いうちにそんな感じの新連載を書くからよろしくね~!




