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美少女JKなろう作家の完璧かつ華麗なる日常  作者: 中 卯月
第一部 美少女なろう作家、ダラダラする
11/78

1-11 反省してまーす

 ある日の朝、私はお風呂でシャワーを浴びながら歌を歌っていた。

 あ、SUUM●! でお馴染みの、緑の丸い生物が出るCMで流れるあの歌の替え歌だ。


 題してうんちの歌。

 私のお風呂中の定番ソングである。


「んちんちんちんちうんちちうんちー♪」

※S●UMOの歌でお馴染みのあのメロディに乗せて。


 ほら、トイレとかお風呂とか、一人の空間にいると独り言を喋ったり歌ったりするじゃん?


 お風呂なら、誰にも聞かれない……。

 そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。


「卯月、あんたさぁ……そろそろいい歳なんだから、お風呂でうんちうんち言うのやめなさい?」


 お風呂から上がり、台所で意気揚々とコップに牛乳を注いでいる私に対して、母親が冷たく言い放った。


「え……?」


 私の声がデカすぎたのか、浴室の防音性能がゴミカスだったのか。何にせよ、私のうんちの歌は母親に聞かれてしまっていたらしい。しかも口ぶりから察すると、今回が初めてというわけではないらしい。


「な、なんのこと……?」


 追い詰められた人間の悲しい(さが)である。

 無駄だと分かっているのに、つい知らないフリをしてしまった。


「いや、いつもうんちうんち歌ってるでしょうが。あんたも、もう小学生じゃないんだから……ましてや女の子なんだから、そろそろそういうの気をつけなさい」


 うわ、ガチ説教ムーブじゃん。

 面倒くさいな……。


「チッ、うっせーよ……」


 私はイラつき、思わず国民的人気スノーボーダーのような悪態をついてしまった。


「あんた今なんて!?」


 母親が鬼の形相で声を荒げる。

 ……しまった、聞こえないくらいの小声のつもりだったのだが、ばっちり聞き取られてしまったらしい。


「ひっ! ご、ごめんなさい! ごめんなさい! 以後、気をつけます、お母様!」


 慌てて謝罪するも時すでにお寿司、ママンは完全に火がついてしまっていた。


「大体あんたはいっつもいっつも! その場で反省してるふりするけどね! 怒ってる側から見たら、相手が本当に反省してるかどうか分かるんだからね!?」


 けっ、そんなもん分かるもんかよ。

 エスパーかよテメェは。

 ……などとは、口が裂けても言えないが。


「や、やだなぁお母様、卯月、めっっっっちゃ反省してるよ?」


「本当は?」


挿絵(By みてみん)


 見定めるかのような視線に射抜かれる。


「ほ、本当だよ!」


「……本当の本当は?」


 母親の目が細く鋭くなっていく。やだ怖い。


「ほ、本当の本当だってば! 娘を疑うの!?」


「本当のこと言ったら、一万円あげちゃおっかな〜」


 母親は財布から一枚の諭吉を取り出すと、私の目の前でヒラヒラと揺らしてみせた。


「反省なんかしてるわけないじゃん」


 私は即答した。

 どんなに怒られようが、諭吉が手に入るなら安いものである。


「正直でいい子ね〜」


 母親はそんな私を見てニッコリと微笑み、そして――――。


「一万円上ーげたー!」


 ――――天高く、諭吉を掲げたのだった。


「……ッッッ!?」


 こ、このババアッッッ! 謀ったなッッッ!?


「やっぱり反省してなかったのねぇ?」


 母親がニターっと笑う。


「ず、ずるい! ていうか、私に対して“いい歳して”って説教する人間が、そんな小学生みたいな――――」


「黙らっしゃい! いい、卯月!? 今日という今日はこってりと絞ってあげるからね!?」


 私の言葉は無慈悲な母親の怒声に遮られ、その後二時間たっぷりと説教をされるハメになった。


 こんなガキみたいなことをするババアに説教されるなんて、理不尽すぎて泣きそうになった。

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[一言] 卯月ちゃん可哀い(*´﹃`*)
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