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無名〜二人の勇者〜  作者: 声豚焼肉
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エピローグ2

エピローグ2の方です。

目がさめると目の前には白いひげを生やした爺さんが立っていた。

さっきまで何かをしていたみたいなんだが、思い出そうとすると鋭い痛みが頭に走る。

「よく来たな勇敢な少年よ。」

「おお、俺はこんなところに来た覚えがないんだが、ここがどこか分かるか爺さん。」

辺り一面真っ白い異空間で、俺が寝ていたらしいベット以外の家具も見当たらない。

「ここは言うなれば死後の世界じゃよ。」

「はぁ?」

何を言ってやがるんだこの爺さん、訳の分からないこと言ってやがる。

「あまりのショックで覚えておらんのじゃろう。ほれ、これを見て見なさい。」

そう言って爺さんはどこから現れたかも分からない旧型のテレビを取り出した。

そこに映っていたのは俺もよく知る隣の部屋に住んでいた女の子が自殺しようとしているところで、アパートから飛び降りようとしている最中だった。

「そうだ、隣の娘がうちのアパートから飛び降りようとしていて、」

そこに俺が現れる。

「ちょっとタバコを吸おうと屋上に上がったら目の前て飛び降りようとしてるもんだから、」

俺は彼女に何か叫びながら少しづつ近づいている。

「説得しようとして彼女に近づいたんだ。」

そして彼女を捕まえた俺は、

「そこで俺は彼女を捕まえて、」

バランスを崩して落ちてしまったんだ。


「……ああ、そっか。死んじゃったんだな。」

先ほどまでの光景が今になって頭の中に蘇ってくる。

映像を見ていると、彼女はどうやら飛び降りずに済んだらしい。

「いや、まぁ、俺が死んじまったのは仕方ないけど、あの娘が生きてんならそれでいいや。」

ちょっとばかし涙は出たけどそれもいいな。

「………ふむ、やはりお主は素晴らしい精神を持っておるな。」

「はぁ、そうかな?」

「人を助けるための一歩を踏み出せる者などなかなかおらんわ。しかも、自分の命を捨ててまで助ける阿呆ならなおさらな。」

「ほう、そんなに俺を褒めてくれるあんたは一体どういうご用で?」

「いや、どうということもないよ。お主のような魂が失われるのはえらく惜しいと思っただけじゃよ。」

「それは何というかな、もう無くなっちゃったものを惜しがってもしょうがないと思うぞ?」

どうせ俺は死んじまったしな。

「おや、ならわしは今一体何と喋っておるのじゃ?」

「うん?何って…何だろうな?」

「ほっほっ、今わしはお前さんという魂と話しておるのじゃよ。だから決して無くなってはおらん。」

「そうなのか。」

「そうじゃよ、だからわしはお前さんに新しい人生をよりよく生きてもらおうと思うのじゃ。」

「お、おう。急に話が飛んだな。」

「こうしておる間もお前さんの魂が消えかかっておるからな、早く新しい肉体に結び付けないといけないんじゃよ。」

「そうか、だったら前よりも楽しい世界がいいな。」

「ほう、今お主が想像しておるのはまさにファンタジーと呼ばれる世界じゃな。」

「爺さん俺の心が読めるのか?」

「読めるとも、お主の心の深くの、薄桃色に染まった破廉恥な心もな。」

おや、全て読まれているようだ。

「良かろう少年よ、お主の願う世界は無限に広がっておるからの。」

どうやら理想の世界に連れて行ってくれるみたいだな!

「ああ、その通りじゃ。しかし、お主のためだけの世界ではないからな。ゲームなどとは違って全てが生きておるのだ、あまり無茶なことはするでないぞ。」

「ありがとうよ爺さん!エッチなことはいろいろするかもしんねぇけど、楽しく生きるぜ!」

「ほっほっほ、楽しく生きることがよろしい!」

すると、俺の足元から少しづつ光で薄れていくのが分かる。

「お前にはその世界で住みやすいように加護を与えてやろう。」

「そっか、いろいろ悪いな爺さん。」

「良いんじゃよ、神様の気まぐれというやつじゃ。」

そう言って笑う爺さんを最後に、俺の意識は閉じた。



…………おや、さっき消えたばっかりなんだがもうお目覚めかな?

「おぎゃぁ!おぎゃ?」

あれ?声がうまく出せねぇ!

「やりましたね奥さん!元気な男の子ですよ!」

何か大きな手に包まれて、俺は目の前の綺麗な女性と目が合う。

「あぁ、良かった!生まれてきてくれてありがとうルーク。」

なるほど、生まれるところからスタートなのね。

「あうあうう」

「見て!あなた、ルークが私たちにありがとうって言ったわよ!」

「ああ、確かにそう言ったなキャシー!」

おや、気づかなかったが 近くに髭面のおっさんもいたのか。

これからこの家で暮らしていくんだな。

「あうううあう!」

そんなことを思っていると、ふと周りが騒がしいことに気づいた。

「一体こんな夜中に外で何をやっているんだろう。ちょっと様子を見てくるよ。」

「ええ、私も疲れちゃったから寝るわ。あとはよろしくお願いします。」

「分かりましたわ奥さん。おやすみなさい。」

そう言って、俺を抱いていたらしいおばさんが俺をシーツに包んだ。

俺はすぐに眠くなってきてしまった。

くそぅ、赤ちゃんってのはこんなにも眠いものなのか。

すると外の騒がしい音がどんどん近づいてくる音がする。

ああ、眠って、しま、うぅ…。



おい!この子供をどうして連れてきたんだ!金目のものだけ奪うんだろ!

だって親を殺しちゃったせいでこの子も置いて行ったら絶対死んじゃってたよ!

だとしてもだな!……

ふぁぁ、目が覚めたぞ!何を物騒なことを騒いでいるんだ!

「あうぅ!!うあう?」

そうだ、まだ赤ちゃんだからうまく喋れないんだった。

「ああ、ごめんね?起こしちゃった?」

見ると、先ほどまでいた人物とは違う少女が俺を抱き上げていた。と言っても今は俺の方が年下だな。

「ごめんね、君の両親殺しちゃったんだ。」

はぁ!?なんてことを言うんだこの少女は!いや、よく見るとこの娘の服血まみれじゃないか!

「これからは私が育ててあげるからねー。」

やばい、多分強盗かなんかに連れ去られちまったんだ。

「お前!そんなことを許可すると思うか?」

「しないなら今すぐこの団全員殺しても良いんだよ?」

「う、それは……くそっ!分かったよ!分かったからそんなこと言うな。」

「やったね!」

………どうやら俺の両親は殺されてしまったらしいな。そして、この危なそうな少女に育てられると。ちょっと神様おかしくないですか?急に人生ハードモードなんですけど。

「今私の部屋に連れてってあげるからね!」

そうして連れてこられたのはいかにも女の子らしい部屋だった。

「お腹すいたでしょ!今ミルクあげるからねー。」

彼女は俺の顔におっぱいを近づけてきた。

お、おう、ダメじゃないか君!そんなものを近づけたら!こんなもの、こんなもの!吸わずにいられない!!

チュウチュウ

「あ、あう、あん、あれ?おかしいな、赤ちゃんに吸われたらおっぱいが出るって絵本に書いてあったのに。」

そう言って彼女はおっぱいを遠ざけてしまった。

「あ、あうぅあう」

「ごめんね、父さんに言ってミルク作ってもらわなきゃいけないから。」

そう言って彼女は出て言ってしまった。

一時はどうなるかと思ったが、高校生ぐらいの女の子のおっぱいが吸えるなんて。これなら、赤ちゃんのうちにもっとエロいことたくさんできるんじゃないか?

そうだな、形だけとはいえ俺の大切な両親を殺したんだから、その罪を償って、俺にエロいことをたくさんさせてもらおう。


こうして、俺は事あるごとに女の子に近づいてエロいことをしまくった。

1年目はおっぱいに吸い付くことをメインにしていたんだが、彼女の胸にも飽きてきてしまい、夜中に彼女と一緒のベッドで寝ているうちに体中をくまなく調べると言う作業をすることで、さらに一年楽しむことができた。

それと同時に、彼女と一緒に行動することで、色々と情報も知ることができた。


そして3歳になり、 とうとう俺は神様の加護によるスキルに目覚めた。

自分で理解できているスキルは3つ、意識すると相手の名前が見えることと、異常に力が湧いてくること、あとは自動翻訳かな。

少女の親父さんがこの窃盗団のリーダーらしく、部屋の中には小難しそうな本がたくさんあったが、自動翻訳のおかげでスラスラ読める。

どうやらこの世界は名前に縛られていて、本名を知られると逆らうことはできなくなるらしい。

これはここを抜け出すチャンスかもな。


俺は夜に試しに女の子の本名を彼女に言ってみると、「どうして私の本名を!?一体どうやって知ったかは聞かないけど、本名を知られたら生きていけないよ。勿体無いけど、殺してあげるね?」とか言われちゃったよ!?

どうしよう、ヤバイ!!!

彼女がナイフを持って近づいてくる。俺は言葉がやっと喋れるようになってきたおぼつかない口で「シャルロット!やめてくれ!!」と言うと彼女は急にその場に止まった。

あれ?どうしたんだ?

「くそう!本名で縛ることも知っているなんて!」

とかペラペラと話してくれちゃった。

どうやら、意識はあるようで命令しないと縛れないんだな。

つまり、相手の本名を視ることができる俺は最強ということか。

なるほど!!これが神様の加護というやつだな!素晴らしい!!

「今の君は僕の従順なペットということだね。」

「くそ!!誰か!!たす「黙るんだ!シャルロット。」んん。」

今の俺完全に悪役だよな。

「でも、おれのこと殺そうとしたんだから仕方ないな。」

「んん!んっーん!」

「逃げようとしたって無駄だぜ!」

というより、このことがバレたらアウトなんだから早くここから逃げないとな。

俺は、彼女に命令して盗賊団から逃げ出した。


そうして、遊び尽くした彼女に変わるべく新たに自分を育ててくれる女の人を探す。

その間様々な女の人の本名を知ってエロいことをしまくって記憶を消すという作業を繰り返した。

そして新しい街で女性を物色する。

「と、おや!あのフードを被った人よく見たらめちゃくちゃ美人じゃないか。」

俺はシャルロットに俺の記憶を消すよう命令して、フードの女性に近づく。

「ちょっといいですか?おねいさん。」

俺は彼女の本名を視ようとしたが、

「ん?情報阻害の網に何か引っかかったな。坊主、お前の魔法か?」

視れないどころが一瞬でバレてしまっただと?

「な、ナンノコトヤラサッパリ。」

「この歳で魔法が使えるのか?いや、魔術の気配は一切ないな、まさかスキル持ちか?」

やばい、めちゃくちゃバレてる。

「それが分かってどうするつもりだ?俺は謝るつもりはないぞ!」

「特に何かするつもりもないんだが、あ!おい!」

俺はスキルで筋力をあげてその場から急いで逃げようとする。が、

「お前親はいるのか?」

一瞬で捕まってしまった。

「ひぃぃ!お、親はいないよ!窃盗団に殺されちゃったから!」

やばい、逃げようがない!

「そうか、なら私と暮らすか?」

どうにかして逃げ、え?

「私と暮らすの嫌か?」

「え?嫌じゃない、けど。」

「なら決定だな。」

ええええええ!?

「お前と同年代のガキも暮らしてるから仲良くしてやってくれ。」

こうして俺は師匠と暮らすことになった。


師匠は昔大魔導士とか言われていたそうで、相当強い。

しかし、とても美人であることには変わりないため俺はエロいことをしようと色々としかけるんだが、「詰めが甘いな、ルーク。今日もお仕置きだ。」なんて言われて家の柱に縛られることばっかりだ。

一緒に暮らしていた「ブック」の本名も視ることができない。ブックには本名がないらしい、だから視ることができないんだ。

ちなみにブックっていうのは俺がつけた名前だ。いつも本ばっかり読んでるからこの名前をつけた。

俺はブックと一緒に師匠に修行をつけてもらっている。その休憩の合間にブックは俺の話を聞きたがる。師匠も聞きたがるんだから話さざるを得なくなっちまうんだよな。

俺は、生前に俺が生きていた「日本」という国について話したり、「ゲーム」とかの話をしたりした。二人ともめちゃくちゃ食いついてくるから、悪い気はしないな。


ブックとはよく師匠に言われて戦わされる。最近になって鍛え始めたから、スキルを使って余裕で倒せると思ったら、ブックも魔法使いみたいな魔法を使ってくるからどうしようもない。それでも師匠よりは威力が弱いから、なんとか全力でやれば相殺できる。

でもいつも試合の決着はつかないんだよな。

そんなことをしながら、俺はブックと師匠と楽しく生きてきたんだ。

でも、そんな楽しい日々が急に終わったのは、俺とブックの誕生日だった。


師匠が珍しくこの世界では珍しいジュースを飲ませてくれて、楽しかった。生前は社会人だった俺も師匠にプレゼントで剣を貰った時は泣いて喜んだね!ブックも何か貰ってたみたいだし、とても素晴らしい誕生日だった。

師匠は俺たちに「お前達がこれからどんな人生を送ってどんな人間とあってどんな出会いをしても、私のことを忘れずにいてくれるなら。……私は生きてきてよかったと思えるよ。」なんて言った。

「大好きな師匠を忘れるわけないだろ!」

なんて言ったが、師匠がどこかへ行ってしまいそうな気もした。

なんでそんなことを聞いたか尋ねたかったが、とても眠い。

ブックが泣き出してしまったのも分かったが、眠気がそれを塗りつぶしていく。

俺はなんとか笑う師匠を目に焼き付けて、眠りについた。



目を覚ますと、俺たちは草原の上にいた。

俺のポケットには「ブックはまだ外の世界を知らないから、お前が助けてやってくれ。お兄ちゃんのお前がしっかりしてやれよ!お前達二人の成長した姿を見るのを楽しみにしているよ」と書かれた紙が入っていたけど、すぐに風が吹いて飛ばされてしまった。

俺は急な別れを悲しく思い、泣いてしまった。ブックも泣いていた。

俺たちはずっと泣いていたけど、早く師匠に会いたいから、まとめてあった荷物を持って旅に出かけた。

向かう先がどこかなんて知らない。でも、ブックと師匠とまた3人で笑って暮らせるように、師匠に認めてもらえるように、俺たちはこれからの長い旅に向けて歩いていく。

来週から本編入ります。

おかしなところがありましたらコメントください。すぐ修正します。

これからよろしくどうぞ( ̄▽ ̄;)

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