エピローグ1
毎日投稿つらいので毎週投稿していきます。
気に入ったら読んでね。
ひとまず2話連続投稿です
僕には名前がない。
名前がないから誰にも僕を知られない。
僕が生まれた時にはすでに母は無くなっていた。
僕か始まると同時に母という存在が無くなったんだ。
父は師匠に名付けを頼んで消えてしまったらしい。
だから僕は父のことをほとんど知らない。
父の名前は「マキナ」というらしい。
師匠に教えてもらった。
師匠は僕を父から受け取ったが。
僕に名前はつけなかった。
この世界では本名を知ることで相手を支配することができるらしい。
だから僕には名前がない。
本名がないから誰にも縛られない。
師匠は僕のために名前をつけなかったんだ。
師匠は僕のことを弟子としか呼ばない。
だから僕は師匠を師匠としか呼ばない。
母もいないし父もいない。
それでも僕は師匠といると楽しくてしょうがない。
師匠はとてもすごい魔法使いだったらしい。
でも今はご隠居をやっている。
師匠はいろいろなことを知っている。
だからいろいろなことを教えてくれる。
僕は学ぶことが好きだ。
自分の知らないことを知ると自分の小ささがよく分かる。
自分の小ささが分かると大きくなりたくて仕方なくなる。
だからもっと知ろうとする。
そんな僕を師匠は面白おかしく笑う。
とても小さい僕を見て笑う。
小さいことはしょうがない。
だって僕はまだ3歳なんだから。
師匠は僕が何かを知ろうとするとまた笑う。
師匠が笑っているのは僕も好きだ。
だから僕はもっと知ろうとする。
そうすればもっと師匠の笑った顔を見れるから。
そんなことを毎日繰り返すことがとても好きだ。
ある日師匠は男の子を連れて来た。
男の子は僕と同じぐらいの年なのにとても大人びて見えた。
男の子は「ルーク」と名乗っていた。
ルークはとてもえっちな男の子で街にいたのを師匠が拾って来たらしい。
えっちなこととは師匠が寝る前に僕にしてくることだ。
外ではしてはいけないらしい。
ルークは師匠にもえっちなことをしようとしていつも叱られている。
ルークも頑張るけどやっぱり師匠には敵わない。
ルークは3歳なのにとても強い。
だからいろいろなことをして師匠にえっちなことをしようとしている。
師匠に叱られて家の柱に縛られているルークを見ることは日常的なことだ。
ルークは魔法の才能がない代わりに「スキル」というものを持っているらしい。
神様に生まれ変わる時に貰ったそうだ。
だから別の人の本当の名前を知ることができるらしい。
でも、僕と師匠の名前は見えないらしい。
僕には名前がないし、師匠はいつも周りに魔法のバリアを張っていてそういうものが効かないようにしているみたいだ。
でも、名前がないと呼びづらいからってルークが名前をつけてくれた。
「ブック」
いい名前だと思う。
師匠もお前にぴったりだと笑う。
ルークも笑う。
僕も笑う。
ルークはいつも面白い話をしてくれる。
「デンキ」というもので動く「キカイ」という物質の話や、魔物や魔法が存在しない世界の話。
ルークが生まれる前にいた世界の話らしい。
ルークは僕と同じ4歳なのに僕よりももっと生きているんだな。
ルークはとても力が強くて、僕の魔法を力で振りほどく。
僕たちはいつも師匠に言われて決闘をするけど勝ち負けがつかずに終わってしまう。
師匠はそんな僕たちを見て笑う。
僕もルークもそんな師匠を見て笑う。
僕とルークは同じ日に生まれたらしい。
だから師匠は僕とルークの誕生日をとても祝ってくれた。
プレゼントに僕は杖をもらった。
ルークも何かをもらっていたしとても楽しい誕生日だった。
その晩に師匠は僕とルークにジュースを飲ませてくれた。
師匠は僕たちに「お前達がこれからどんな人生を送ってどんな人間とあってどんな出会いをしても、私のことを忘れずにいてくれるなら。……私は生きてきてよかったと思えるよ。」なんて言った。ルークは「大好きな師匠を忘れるわけないだろ!」なんて言ったけど、僕はとても不安だった。
この師匠の言葉がとても寂しく聞こえてしまったから、僕は泣いてしまった。
僕は涙が溢れて眠くなるまぶたをこすりながら「いつまでも大好きだから、いつまでも一緒に居たい」と言ったけど、師匠は笑いながら「大人になってからその言葉を聞きたいな」なんて言った。
きっと師匠は僕の気持ちを知って、からかっているんだと分かった。
でも僕は師匠の笑顔に安心して眠ってしまった。
次の日の朝。
目を覚ますと僕たちは草原の中にいた。
僕のポケットには「いろいろな冒険をしてまた帰って来い!」と書かれた紙が入っていたけど、すぐに風に飛ばされて消えてしまった。
僕はもうしばらく師匠には会えないんだと分かった。
僕とルークはしばらくら泣きじゃくってから、整った荷物を持って歩き始めた。
どこへ向かうかはわからないけど。
ルークがいるなら怖くはない。
師匠にもう一度会いたいから。
早く大きくなって。
いろいろなことを知って。
二人であの場所に帰ろうって決めたから。
僕たちはこれからの長い旅に向けて歩いていく。
エピローグ2まであるのでチェックよろしくどうぞ。( ̄▽ ̄;)