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師匠と弟子

少女・アコは錬金術師・ベリスの弟子兼助手である。



アトリエから、酒場へと師匠の回収にやってきた。


実際に回収し、運ぶのは馬に似た魔獣・リャンルーのラナンだけども…



「おう、嬢ちゃんいつも大変だな」


「もう慣れました…慣れなきゃやってらんねーですもん」


「頑張ってる嬢ちゃんにサービス」

そう言って、出されたのはサンドイッチだ。


ここの料理って、結構美味しいのよね。

マスターは強面だけど…


ラナンにも分け与える。



「そうだ、嬢ちゃん。ちぃと頼まれてくれねぇか?」

依頼されたのは、アトリエ近くにあるお宅への宅配だ

小さな酒樽2つをマスターは持ってきた。


その姿が埴輪に見えた。



師匠を乗せた荷台に、酒樽2つを固定した。


届け先は商家・アルフレッド邸だ。



「アコ…先にアトリエに向かえ」


目覚めた師匠が、そう告げた。


「はーい」

逆らうつもりもないので、大人しく従う。




アトリエに到着し、実験用のネズミに酒を数滴飲ませたら…のたうち回って、死んだ



「…毒」


「あぁ…商売敵か、はたまたあの家の娘にフラレた逆恨みかは判らんがな」


そう言いながら、ベリス師匠は樽に触れた。


「さて、この毒酒を豊潤かつ芳しいワインに変えてみせろ」

残りの1つを指し示したのだ。


触れた樽の方は、普通の美味しいワインに変わっているのだろう。


しかし問題がある…

私はこの世界では成人であるが、未だに未成年の感覚でいるため、酒を飲んだことは無い

おかげで想像がつかない



その為、出来上がったのは炭酸の入ったブドウジュースだった。


師匠は美味いから問題にしなかったが、アルフレッド氏にマスターが怒られやしないか…

それがもとでツケをしてくれなくなったら…不安だらけだ。



それから、アルフレッド邸に向かった。


末の娘の誕生会だけに、門番が荷物と運び手の確認のために些か時間がかかるのだが…



「食材の搬入ならば、向こうだぞ」

そう指し示した男は、門番の1人だ。


礼を言い、ラナンを移動させる。


石畳のため、荷台は引っ掛かりもなくカタコト進む。

作業する男たちの手によって、酒樽は軽々と運び込まれた。



「大丈夫かなぁ…」


「さてな…毒で死ななけりゃ良い」


唇の端を上げニンマリと笑うが、悪役面がそこにはあった。


話は適当に聞き流した。




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