■キーワード3 『花』
バトン回答、および記録。
■キーワード3 『花』
「散らすのは簡単だ、掴みとって毟れば咲き誇る花も塵と化す。さあ、得物をやろう。花には棘がいるだろう? その棘で私を串刺す気ならやってみるがいい。一緒に朽ちようと言うなら、それはむしろ快感だ。そうだな、鷲掴みになどしない。一枚ずつ、丁寧に……お互いの泣き叫ぶ声が枯れてようとも、尽きない永劫の痛みを与えて、ゆっくりとその蜜を味わってやろう」
少し趣向を変えて、今回はチャンスを与えてみた。
私と同じ刃物を持たせ、もし私から逃れられたら良いなと言って。
必死でそれを振るってくる青年は私を刺した。
深く刺されると痛い。
私は快感で打ち震え、思いのままに叫んだ。
もしかしたらこのまま彼が本懐を遂げるのではないかと。
だが私に死は来ない。
…………化け物が!
そう言い、だんだんと青年はそれを悟りながら。
それでも刃向う姿に感動さえ覚える。
逃げればいいのに。
逃がしはしないけれど。
次第に力が失せ、泣きながら逝く青年の手首から貪る様に血を啜る。
喉が渇く事もない私だが、それなりに失血した為か。
豊潤で蕩けるような蜜の味がした。
続きます。