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ウザい先輩と可愛げのない後輩  作者: 黒姫 百合


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12/57

……ホント、可愛げがない

「やはり北野後輩は可愛げのない後輩だな」

「だったら私に話しかけないでください。可愛げのない後輩なので」

「でもそんな可愛げのない後輩も可愛いんだよな~」

「意味が分かりません」


 可愛げのない後輩なら話しかけてこなければ良いのに、ウザいほど紗那は真希に話しかけてくる。


 なら話しかけなければ良いのにと真希は思う。


 でもそんな真希も紗那からすれば可愛いらしい。


 意味が分からない。


「ホント紗那と北野って仲良いよね~」

「どこがですか」

「そうだろ」


 真希と紗那の声が綺麗に重なる。


「いやいや十分仲が良いって。それに普通先輩に『話しかけるな』って言えないじゃん」

「私から見ても二人は仲良さげに見えます。北野さんはそう思っていないようですが」


 予想外にも清美や麗奈から見て、真希と紗那は仲良く話しているように見えるらしい。


 真希と紗那が仲良く見えるのはきっと、真希が忖度しないで話しているだけである。


 だから真希からすれば決して仲良く話しているわけではない。


「そうだろそうだろ。全く、北野後輩は素直じゃないんだから」


 二人に肯定された紗那は嬉しそうに肩を組んでくる。


「ちょっと、邪魔なんで止めてください」


 その紗那の腕が邪魔だったので、真希は嫌そうな表情を浮かべ拒否をする。


 本当に絡み方がウザい。


 真希が心の中で辟易していると、天使の鐘が鳴り響く。


「……もう予鈴か。もう昼休みは終わるのか」


 予鈴が鳴るのを聞いた紗那は名残惜しそうに真希から離れる。

 さすがに紗那もそこら辺の分別は付いているらしい。


「あーあ、もう終わりかー。でも北野と一緒にご飯が食べれて楽しかった。また食べたいな」

「そうですね。清美にしては良いことを言いますね。北野さん、またご一緒しましょうね」

「『清美にしては』は余計だー」


 清美も麗奈も真希と一緒にご飯が食べられて楽しかったらしい。

 別に真希自身、楽しいことや面白いことを言ったつもりはない。


 それなのに清美も麗奈も紗那も真希と一緒に昼食を食べただけなのに喜んでいた。


 最後に麗奈が清美を煽って、清美が言い返しているのももう見られた光景だ。


「二人とも北野後輩を気に入ってくれて私も嬉しい」


 紗那も満更でもない表情を浮かべている。

 その笑顔は真希が見たことがないぐらい嬉しそうな笑顔だった。


「北野後輩もまた一緒にお昼を食べような」


「……まぁ……機会があれば」


 本当は面倒くさかったのだが、この良い雰囲気を壊すほど真希も子供ではない。

 だから当たり障りのない言葉で濁した。


「……ホント、可愛げがない」


 そう文句を言う紗那はなぜか嬉しそうな表情を浮かべ、他の二人もなぜか笑みを浮かべていた。


「……早く戻らないと遅刻するので私はもう帰ります」


 先輩女子三人に微笑ましい笑顔を向けられむず痒くなった真希は一人で教室に帰ろうとする。


「同じ校舎だし一緒に戻るか」

「それサンセー。一緒に戻ろうよ北野ー」

「そうですね。わざわざ別々に戻る必要もないですし」

「……」


 先輩女子三人は少しでも長く真希と一緒にいたいらしく、真希と一緒に校舎に戻った。


 真希も別々で帰る合理的な理由を思いつかなかったので、仕方なく三人と一緒に戻るのであった。

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