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100億で落札された俺、ポンコツ美少女に自由を買われる〜幼児化した相棒のせいで、謎組織から無理難題を押し付けられる何でも屋になった件について〜  作者: くまたに
第4章 冷たい少女の護衛

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第39話 男同士の会話

「──こんなものか」


 そう言ってレイは手に着いた砂埃をはらう。

 その眼下には情けない姿で倒れる黒スーツの男達の姿がある。

 東も余裕そうに口を開く。


「よくもこの程度の力で学園のセキュリティを突破できると思いましたね……」


「セキュリティ? 何も無いように見えますけど……」


「ではあそこを見てください」


 そう言って学園をぐるりと囲むレンガの塀を指さす。


 至って普通だけどな……あっ!


「気づきましたか。そうです、よく見ると小型のカメラがたくさん埋め込まれているのですよ」


「へー」


 レイは空いた口が閉じなくなり、間抜けな声で返事をする。

 それほど凄いセキュリティだった。学園に害をなす者を一人残らず懲らしめるという意思がひしひしと伝わってくる。


「もしかしたらボク達も警戒されてるかもしれませんね」


 はっはーと、笑いながら地面に寝そべる人を一人ずつロープで縛っていく。

 微かに鼻歌が聞こえる。任務中だというのにとても楽しそうだ。


「貸しを一つ作れたね」


「何か悪いこと考えてます?」


「んー、別にー?」


 言動と表情が合っていない。明らかに悪いことを考えている表情をしている。

 でも俺が酷い目に合うわけじゃないからいっか。


 レイは東の隣にしゃがみこみ、真似をして敵を縛っていく。


「どうだった? 人を縛ってみた感想は」


「んー、案外してみると楽しかったです。具体的には──そう! 部屋に散らかる要らない雑誌をまとめている感覚でスッキリしましたね」


「わかってくれるか! あー、嬉しいなー。前職でも誰も共感してくれなくてつまらなかったんだよねー」


 ちなみに東とは話しているうちに意気投合し、今では気を使わなくても話せるくらいになった。

 東とは話題のゲームの話で盛り上がった。とは言ってもレイはティナに勧められて始めたので歴が短いが。


 仕事中はずっと尊敬しているが、東の私生活は壊滅的だ。

 自炊できるクセに面倒くさがってしないし、着た服は床に転がる。給料の9割は課金に使っている。

 それもあってか、レイとしてはとても話しやすく感じたのだ。


「にしても楽ですねー」


「そうだね。レイくん、今までのスケジュールはめちゃくちゃ詰め込まれてたからね」


 今まで任務中は動きっぱなしだったレイにとって、今回の任務は楽すぎる。

 空いた時間には東とゲームの話ができる。


「そういえば──」


 東はニヤリと口の端を上げて、話を持ち出した。


「ティナちゃんとラブコメにならないのかい?」


「ブッ……」


 思わず口に含んだ牛乳が飛沫として飛び散る。


 考えたことがなかった。あんな暴力的なロリと俺がラブコメ? 想像するだけでも笑いが込み上げてくる。


「それは天変地異が起きてもありえませんね。一緒にいるだけで大変なのに、もっと親密な恋人にでもなったら、いくら命があっても足らなくなりますよ」


「ははっ……ティナちゃんは恋人を敢えて危険に晒すような人だったのか」


「そうですよ」


 本人がいないことをいいことに、それからレイはティナに対する愚痴を二つや三つほど東に話した。

 どれも日常の中で起きた出来事。

 不満をさらけ出していただけなのに、妙に顔が熱くなった。


「ふーん」


 東は含みのある声を漏らす。

 しかしレイにはその意味を理解することができなかつた。

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