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100億で落札された俺、ポンコツ美少女に自由を買われる〜幼児化した相棒のせいで、謎組織から無理難題を押し付けられる何でも屋になった件について〜  作者: くまたに
第3章 閉ざされた記憶と真実

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第30話 強者

「ククッ……我の攻撃を避けるとは……名乗れ。我が遊んでやろう」


 空気が凍てついた。そう錯覚するくらいに冷たく、殺意の込められた声だった。

 同じ空気を吸うだけで殺されたりしないだろうか──そんな思いが頭をよぎり、息が止まる。


「あれれ〜みんなそんなに怖い顔しちゃってどうしたの? もっとニコッて笑おうよ〜」


 先程とは別の声が響く。幼いその声からは、中学生くらいを連想させる。

 緊張がほぐれた東はふっと息をつく。


「どうして誰も笑わないの? ぼくの言うことを聞けない人達にはお仕置をしないとだね」


 暗闇の奥で影が揺れた。その刹那──


「かはっ……!」


 東はうめき声が漏らして姿を消した。そして1秒も経たずして背後でとてつもない破壊音が響く。


「あれ? 少し触れただけなんだけどな〜」


 回転灯に照らされて、幼い声の敵は姿を現す。

 白い執事服に身を包むのは顔立ちの整った美少年。優しい笑顔の裏には深い闇が広がっている。


「お前って奴は……力加減を考えろ」


 その後ろから地響きと共に歩いてくるのは、黒い執事服に身を包んだ少年。白い服の方と顔立ちが似ている――というか全く同じだ。

 首元には小さな入れ墨。黒い方は「1」、白い方「2」と書かれている。気味が悪く、油断したら一瞬で首をはねられそうだ。


「そんなに警戒しないでよ〜。ぼく達は優しいからさ〜。他の仲間に苦しめられる前に、一瞬で殺してあげる」


「そんなことはさせない。私はティナ──アンタ達に絶対に負けない」


 そう強く言い吐くと一歩、また一歩と二人に歩み寄る。そして銃剣(ノア)を振るい、天井に大きな穴を開けた。


「お前何をやって──」


「行って! ここは私が食い止める──だからツバキさんのことは任せたから!」


 そこまで言うと天井から瓦礫が崩れ落ち、あっという間に行き止まりとなってしまった。

 別のルートからでも行けるだろうが、ツバキが連れて行かれた道は塞がったため、匂いで辿ることができなくなってしまった。

 ひとまずレイとコハルは数メートル後ろでくたばっている東の元へ駆け寄る。


「大丈夫か?」


「なんと、か……」


 苦しそうにお腹をさするが、心配をかけさせないように優しく笑って見せる。

 レイが右手を差し出すと東はガッシリと掴み、その場に立ち上がった。


「それにしてもどのようにしてツバキさんを探しましょうか……」


「コハルさんはボクのことを心配してくれないのかな!?」


「元気そうだったので……」


 そう淡々と言いながら、鼻をピクピクと動かして他に匂いが残っていないか探す。

 コハルは無関心のように装っているが、内心東が元気そうなことにホッとするのだった。


「この中である程度戦える人はいますか?」


「俺は最近拳銃の使い方を教えて貰ったくらいで、まだ上手く使えない。いっその事いないと思ってもらって構わない」


「私の運動神経は猫のようにいいですが攻撃の威力はないので、レイさんのようにいないと思ってください」


「なるほど……ちなみにボクは元警察ですが、ティナさんほど強くはありません」


「全員この業界に不向きすぎないか」


 東とコハルは追跡などに長けているが、レイはどうだ。

 未来予知は自分に対する攻撃にしか反応しない。多少タフだが先程の規格外の強さの2人を前には意味をなさない。


「とにかく敵と鉢合わせにならないことを祈って先に進もう」


「わかった」


 レイは脳をよぎる未来予知を決して逃さないように、意識を集中させる。他の2人も同じだ。各々感覚器官に精神を研ぎ澄ます。

 それなのに厄介事は起きてほしくない時にこそ起きてしまう。


「お、お前らは──!」


 明らかに三下のような、特徴のない顔の敵が影から現れた

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