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[自作フィギュア]モンスター美少女たちのパパになったら、全員俺を殺しにくるんだが!?  作者: 矢崎 那央
第6話 第1幕『キツネ面の巫女と、はたらくお父さま!』
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Scene2:『パパ、職権濫用する』

『世間が必要としているものと、あなたの才能が交わっているところに天職がある』from アリストテレス


彼の才能は有り余っていた。

だが娘が必要としていたのは「ごく常識的な距離感」だった。

なので、“需要ゼロのパパ”にしかならなかった。


 意外かもしれないが、

 私は、働いている。

 

 そう、元ラスボスの私が、である。

 

 世界を滅ぼしかけた“魔術と科学の悪夢”が、

 まっとうに、合法(ごうほうスレスレ)に収入を()て、

 ちゃんと税金を納めているのだ。

 

 いまの私は、実験棟(じっけんとう)に引きこもり、

 命を(もてあそ)び、他人を見下していたあの頃とは違う。

 実にまじめな社会人だ。



 ——あくまでも(※当社比)だが。


 

 依頼を受け、結果を出す。

 これぞ、現代の“はたらくお父さま!”の姿である。



 「ふむ、今朝のタスクは“害虫駆除(がいちゅうくじょ)か……」



 冒険者ギルドから届いた依頼状。

 王都郊外(おうとこうがい)再建都市(さいけんとし)に異常発生した、

 魔虫(まちゅう)の群れを退治して欲しいとのことだった。


 私は転移装置(てんいそうち)を操作し、

 すぐに、その場所へむかう。



————



 私は目的地に、(まばゆ)い光とともに

 颯爽(さっそう)転移(てんい)した。

 

 早速、状況の把握(はあく)を開始する。



 -魔虫(まちゅう)は大小様々。

 -建造物被害(けんぞうぶつひがい)中程度(ちゅうていど)

 -住民の避難(ひなん)、完了。


 ふむ。

 では、仕事に取り掛かろう。



————



 ……そして五分後。


 魔虫は絶滅(ぜつめつ)していた。


 市街に(あふ)れていた数千匹の(むし)は、

 私が式神(しきがみ)九重(ここのえ)がはなった、

 青白い火焔(ほむら)(まと)った巨大な旋風(せんぷう)によって、

 跡形もなく焼き尽くされていた。


 さらに私は、ラボから

 土木建設用(どぼくけんせつよう)ゴーレムたちを派遣(はけん)


 瓦礫撤去(がれきてっきょ)から基礎工事、

 上下水道の敷設(しきせつ)にいたるまで、

 ついでに全自動でやらせておいた。


   挿絵(By みてみん)


 結果として、市街は害虫根絶(がいちゅうこんぜつ)だけでなく、

 都市基盤(としきばん)から再構築(さいこうちく)されることになった。


 見事なまでのチートな手腕。


 なろうテンプレなら、

 この都市の善良な町娘に()れられても

 おかしくない頃合(ころあ)いだが、私は違う。


 “父”として、娘たちに(した)われることこそが、

 私の物語である。


 再建(さいけん)に困っていた市民たちは感涙(かんるい)し、

 「わられが街の救世主殿!ぜひお名前を!」

 と何度も私に()うたが、私は静かに首を振った。



 「いやいや、私はただの“子煩悩(こぼんのう)なパパ”だ。」



 式神が整備(せいび)マニュアルと復興計画(ふっこうけいかく)を人々に配る。


 その間に、私は報酬を受け取るため、

 さっさと王都へと転移(てんい)していた。


 王都のギルドカウンターでは、

 受付嬢が目を(うたが)っていた。



 「えっ、もう? というか、

 都市ごと修復(しゅうふく)されてるんですけど……

 えっ、あの……建築予算(けんちくよさん)……とかは?」



 「別件で使った余剰技術(よじょうぎじゅつ)のついでだ。

 気にするな。請求はしない」



 私は報酬を受け取り、

 ギルドを後にしようとした……

 が、その時だった。


 王都上空(おうとじょうくう)に、異常な魔力の奔流(ほんりゅう)


 空が、渦巻(うずまく)ように()け……

 いや、「笑う」ようにひび割れた。



──to be next scene.

虫退治を頼んだだけなのに、

街ぜんぶ直ってました。下水道まで。


で、彼は風になびきながらドヤ顔でこう言ったんです。


「私はただの、“子煩悩なパパ”だ」と。


……娘さん、どこにもいないのに。


でもまあ、街は助かったし、よしとします。


たぶん、パパって名乗るのが趣味の人なんでしょう。たぶん。

——次回予告。

scene3:境界のソードファンタズマ。


——

拾いものを集めた物語ですが、気に入ってもらえたなら、嬉しいです。


感想や評価など、おこぼれをください。お待ちしております。

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