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[自作フィギュア]モンスター美少女たちのパパになったら、全員俺を殺しにくるんだが!?  作者: 矢崎 那央
第5話 第2幕『咲くという孤独、咲けるという強さ』
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Scene6:『“ありがとう”のない場所で咲く花』

『誰かのためってのはな……いつのまにか誰かのせいにしちまってることが多いんだよ……』-「セブンスター」より引用


——男は最初から“娘のために”と暴走し続けている。しかし、もし彼が、その大義名分すらかなぐり捨てたらどうなるだろうか……

"誰かの為に"は人が狂気に落ちきらないための、ストッパーなのかもしれない。


 

 私は、まだ“お父さんモード”だった。


 娘を正しい道へ(みちび)くために。


 自分より他人を思いやることができる。

 そんな娘になってほしくて……。


 だけど彼女は、少しだけ、首をかしげて言った。



 「誰かのために、がんばるのも……

 もちろん、すてきなことですぅ〜」


 「でも……わたしは、やっぱり、

 自分のために()いてたいなぁって、思いますぅ」



 私は、まばたきをした。



 「自分が気持ちいいな〜って思うから、

 おひさまに向かって咲いて」


 「風が気持ちいいから、ふわ〜って()れて。

 好きなときに、好きなように、咲いていたいんです」



 言葉のひとつひとつが、

 まるで陽の光のようにやわらかく、あたたかかった。


 

 「もし誰かのために咲いたら……きっと、

 "ありがとう"って言ってほしくなっちゃいます。

 だけど、それって、ちょっとこわいんですぅ〜」


 「もし、ぜんぜん気づいてもらえなかったら……?

 受け入れてもらえなかったら……?」

 


 私は、思わず言った。



 「ふ……ふむ、それは……幼いな。

 きみはまだ、道徳というものの本質を……」



 だけど、彼女は止まらなかった。


 

 「それに……もし、その人のために何かしたせいで、

 別の人を傷つけたり、悲しませたりしちゃったら……

 それって、誰の責任なんでしょうねぇ〜?」


 「“わたしがやった”って言えるならいいけど……

 “あの人のためにやった”って思っちゃったら……

 その人のせいに、なっちゃうかもしれません」



 ……ああ、なるほど。


 彼女は、"誰かの為に"を否定しているんじゃない。

 その責任の重さを、心で理解しているからこそ、

 自分のために咲くことを選んでいるのだ。



 「……ふ、ふむ。なるほど。なるほどな……

 きみは、そうやって……」



 私は、なんとか“説教モード”を維持しようとした。


 

 「だがしかし、きみは……いや、その……

 わかっていない……いやでも……うーん」


 

 えーっと……あー……。


 言葉が出てこない。

 言おうとしていた“正しいこと”が、

 なんだか急に遠くなってしまった。



 「…………」



 私は、そっとヒザを抱えてうずくまった。


 いや、違うんだ。

 娘にわかってもらえなかったとか、

 論破(ろんぱ)されたとか、そういうんじゃない。


 ただ……ちょっとだけ。


 “お父さんみたいに説教してみたかった”だけなんだ。


 でも、なんかそれ

 ぜんぜん上手くいかなかったなって思ったら。


 …なんだか、しゅん……ってなってしまったのだ…。


 そんな私のそばで、

 フィロレーナはにこにこ笑っていた。



 「お茶、もういっかい()れますねぇ〜」



 「……うん…」



 私は、静かにうなずいた。


 たぶんそれが、今の私にできる、

 いちばん“父っぽい”返事だったのかもしれない。



——to be the next act.

お客さまが、すごく大切なことを伝えたかったのは、

ぽかぽか伝わってきましたぁ〜。


でも、だれかのために動けるやさしさも、自分の気持ちをだいじにできる強さも、きっと、どっちも素敵だと思います〜。


だって、咲きかたは、お花の数だけありますからぁ。


——次回予告。

Scene7:お茶会は、みんなのもの。


——


感想やご意見、ぜひ聞かせてください。

厳しいご意見でかまいません。

誰かが読んでくれたと知れるだけで十分です。

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