2日目
なんとか最終回までいきたいですね
この男が異常なのには訳がある。
年齢は28歳。同級生の中には結婚して子供がいる人もいる。
みんなが色々な形の幸せを見つけている中、この男は働きもせず、実家で親の脛を齧って生きているのだ。
高校卒業後一度は職に就くも、会社を1年で辞め、それからはアルバイトをやっては辞めてを繰り返していたが、ここ数年はアルバイトすらやっていない。
そして現在この男は、バス停のベンチに腰掛けて太陽の熱で乾いたカピカピの本を読んでいる。
バスに乗るわけでもないのにバス停に来ている理由は、親が働けとうるさいからである。
親が起きて、仕事に行くまでの数時間を、往復1時間かけて、このバス停までやってきて、時間を潰しているのだ。
スマホは持たない主義である。
親からの電話に耐えきれなくなったからだ。
今頃は、深い海の底で、魚の暇つぶしの道具にでもなっていることだろう。
まあ、酷い生活をしているのだ。
こんな生活をしていれば、精神に異常をきたすこともある。
この男は少女と出会ったあの日、8時31分着のバスが山の向こうへ見えなくなるのを引き金に、目の前のガードレールを乗り越えて、荒々しい木々の中に飛び込もうとしていたのだ。
しかし、今日、8時31分着のバスがくたびれた大人を乗せて出発した時、この男は、山の向こうへ沈んでいくバスを気にする素振りは見せなかった。
暇つぶし程度に書いているので、国語力は多めに見てほしいです