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かけがえないんだろう、と騙されてあげる  作者: 今井葉


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ガラクタばかりの部屋に寝転がり、憮然としていたわけなんだから。―徒然草

 今年もやってきた大掃除の季節。冬の寒い季節に大きな仕事をするのは骨が折れる、と言うことで、早い季節からコツコツ進めてきた。



 しつこい油にまみれた換気扇は、暖かい季節のほうが汚れも落ちやすいと言うことで、夫に手伝ってもらいながら、夏休み決行。手強い汚れと立ち向かってなくても、何もしてなくても汗だくになってしまう夏に掃除するのは間違いだったかもしれない、そう思いながらも、薬剤に浸け置いた後、しばらく擦りました。



 結果、ピカピカになりました。しつこく掃除する前にこまめに掃除するとこんなに苦労しないだろうね、と夫はぐったりため息をつく始末。お手伝い、すみません。



 そして。まだまだ続く大掃除。



 以前から、もう限界だろうと思っていたソファを捨てることに。業者に電話して取りに来てもらう日にちと見積もりを相談。意外と安く手放すことができそうで安堵。今までありがとう、とソファさんに家族みんなでお別れを言って、無事見送ったのでした。



 まだまだ続く断捨離。

 炊飯器も捨てました。15年選手だったツワモノでした。ありがとう。

 バランスボールを捨てました。穴が空いてしまったのかしぼんでしまったのでした。



 ミニマリズムの元祖、兼好法師の様な詫び住まいに少し近づいた? そんながらんとした居間を見て、物への執着が洗われていくような気持ちに。ある物は大切に使おう、という気持ちと、何でも欲しいままに手に入れようとする気持ちにストップがかかる思いを学んだようでした。



 第百四十段。「よからぬ物貯へ置きたるもつたなく、よき物は、心とめけむとはかなし。こちたく多かる、まして口をし」くだらないものが蓄えてあるのもみっともないし、いいものだったら、こんなものに心を惹かれていたのだろうとはかない感じがする。そんなものがうるさいほど多いのは情けない。痛いほどに刺さりまくる言葉と言っていいだろう。ガラクタばかりの部屋に寝転がり、憮然としていたわけなんだから。



 大掃除を続けて、自分を戒める思い。これからクリスマス、お正月で、また物が増えていきそうな気配に、家族には強いてはいけないけれど、私は慎ましくあろうと誓う十二月の学びなのでした。







 

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