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かけがえないんだろう、と騙されてあげる  作者: 今井葉


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特撮ヒーローものの先駆けなんじゃないだろうか―徒然草

 寒くなってくるとこれがいい。大根おろしに昆布を入れて煮立て、しゃぶしゃぶ肉を絡めて頂く、みぞれ鍋。きょうだいたちの好物で、雪に見立てた鍋が冬の空気を温める。



 私の一押しはこれ。ふろふき大根に、自家製の青唐辛子味噌をのせて頂くのだ。庭で採れた青唐辛子にニンニクと生姜を炒め、香り立ったら味噌を入れる。油が多めで、しっかり美味しい。なんにでも合うが、ふろふき大根のようにシンプルな料理に合わせるとお酒もすすむ。



 大根を頂きながら、徒然草が読みたくなる。第六十八段だ。



 大根が恩返しするというお話。筑紫にいた押領使が、『なんにでも効く素晴らしい薬だ』と毎朝大根を焼いて食べていたら、敵の襲撃に兵となって戦ってくれ、敵を追い散らしたという。



 信頼された大根が、嬉しくて恩返ししちゃうって。



 風邪を引いた押領使が、大根に看病してもらう、だと普通すぎるってことだろう。

 ここは兵隊となって、敵を蹴散らすのだ。なんともアグレッシブなお話だろう。大根のように真っ白なお顔の、イケメン兵が、敵から守ってくれる。子どもが好きそうな話ではないか。特撮ヒーローものの先駆けなんじゃないだろうか、と思わせるのだ。



 きょうだいの上のお兄ちゃんが毎日食べるのは、厚揚げに大根おろしと薬味をのせて、蒸籠で蒸した料理。ポン酢をたっぷりかけて、かぶりつく。絶品らしい。



 冬はこんなに大根を食すのだ。我が家にも、いつイケメンヒーローが来てくれてもいい。



 敵の襲撃に、一撃お見舞。

 我が家を守ってくれる、大根様。




 色々な大根メニューで、冬を温まりたい。大根を食べましょう。





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