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歌で相手を攻撃し合うから風流。それどころじゃないというものです。―伊勢物語
私たち夫婦を互いによく知る人は、「穏やかな二人」「家の中が落ち着いてそう」と良いイメージを持って頂いて、大変恐縮と言ったところ。
本当にありがとうございます。
実際、そんなことは全然無くて、日々苦労しているのも、夫が非協力の薄情だから、とチクチク攻撃するのもあるというもので。
他愛のない言い争いや醜い愚痴。痴話喧嘩は絶えないものなのです。
伊勢物語第五十段。浮気の張り合いを互いにした男女の歌の詠み合いが面白い。浮気など恐れ多いことをしたことがない私たち夫婦としても、お互いのはかなさを嘆く気持ちには共感。
「卵を十個重ねる。それを十重ねる。そんなことはできっこない。愛されない人を愛するなんてことは」
そりゃあ、そうだね。
「流れる水に数を書くよりもあてにならないのは、愛してくれないひとを愛すること」
そりゃあ、無理だ。
歌で相手を攻撃し合うから風流。私のは醜いだけなのですが、一度、痴話喧嘩で詩でも作り合ってみようか? 投稿してみようか。
それどころじゃないというものです。
でも伊勢物語五十段を読んで、なんとなく安心してしまう、そんな人は私だけではないと思うのです。
お粗末さまでした。




