あなたの能力教えてください 前編
※この作品はフィクションであり、登場する教科や人物はすべて架空です。
政治的意思もございません。ギャグ・コメディ作品としてお楽しみください。
ここは、アカデミア学園。
教科たちが擬人化し、生徒たちに授業をする学校。
こんな特殊な学校なので、もちろん、国や然るべき研究機関からの調査も入ることがある。
「で、情報君はやっぱり歳を取っていないと」
調査官が情報に対して触診を行った。
「まあ、教科ですものね。歳を取ったら教科が消えてしまいます。だから教科自体が消えてしまうまで、永遠に生き続けるんです」
「ふむ。いつから歳を取らなくなったんだい?」
「確か42の時かな…」
「じゃあ君は結構遅めの方だね」
「なんかみんな俺よりも若いですもんね。ほんと老いを日々感じている」
「おいおい、君はまだまだ長生きするだろ?」
「はは!だといいですけど」
情報が診察が終わったと感じると、立ち上がって事前に沸かしておいたコーヒーを淹れ、調査員に手渡した。ありがとう、と調査員はコーヒーをすすった。
「にしても、本当に君たちは不思議な存在だよ。老いもせず、死にもせず。教科としての特殊能力を駆使して、学びを追い求める」
「ええ。本当に不思議だ。俺だってよくわかっていなんですから」
「そういえば情報君の能力はなんだったっけ?」
バインダーを手に取って調査官は言った。問診を始めるのだろう。
「俺の基本能力は『プログラミング』と『情報審議』ですね。プログラミングを読めるし組める、あと、情報が嘘か本当かを知ることができるっていう」
「基本能力?ってことは、発展能力もあるってことか?」
「これは学びの熟練度によって使えるかが決まるんですが…。今俺が習得しているのは、「再構築」サイバー攻撃から情報を守り、破損した情報を修復するってものです」
「ほうすごいな。みんなそういうの持っているのか?」
「はい」
調査員は腕時計をちらっとみた。
「おっと、私はもう時間だから行かなきゃ…。情報君、悪いが、各教科の能力を聞いて、まとめておいてくれないか?」
「いやあ困りますよ、俺だって授業があります」
「頼むよ。それじゃ」
「はあ…いつもあの人はこうなんだから…」
情報はあごひげを困ったように撫でて、調査員がおいていったバインダーを持ち上げた。
「今日いるやつらの分だけでもやっとくか」