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文系理系戦争 開幕

※この作品はフィクションであり、登場する教科や人物はすべて架空です。


 政治的意思もございません。ギャグ・コメディ作品としてお楽しみください。

「数学の現実的野郎!!!」

「現国のメルヘン野郎!!!」


 ここはアカデミア学園。

 教科が擬人化して授業をする特殊な学校である。

 

「うわ、殴った!理系はすぐ手が出る!!」

「うぜええやっぱ文系は言い方うぜぇ!!!!」


 ……どの学校でも「うわお前理系?めっちゃ淡白そうw」「え、そういうお前は文系なん?チャラ男やん」などと偏見のみで友やライバルと互いをけなし合う、くだらn……無益な伝統がある。


 これを通称、「文系理系戦争」またの名を「文理戦争」という。

 そして、この風潮はもちろん、教科たちへも強く反映される。

 特に目覚ましく反映されたのは、この二人。


 そう。現代国語と数学である。


「…ちょっと、表出ろ現国」

「…かかってこいや数学」


「「歴史さんをかけて勝負だ!!」」


「…俺のために争わないで~…で合ってる…?」





 これはその数分前の話。






「それじゃあ、歴史の授業では田中君はおとなしいんですか?」

「んだの。田中君は歴史好ぎらすいだはんでね…。現国は嫌いなんだが?(そうだね。田中君は歴史はすきらしいのでね。現国は嫌いなんですか?)」

「…うん、ぎりぎりわかるんですけど、津軽弁やめてもらえます?一話ごとに口調変えてたら、さすがの歴史さんでもキャラ崩壊しますよ?」

「ごめんごめん。ちょっと明治時代の青森に行っていたからね。ほら、言葉はお土産っていうでしょ?」

 現国と歴史は、授業終わりに偶然廊下で出会ったため、一緒に職員室へ帰っていた。

「で、話の続きなんですけど……げっ、数学がいる」


 現国が扉を開けようとし、取っ手に手をかけたところで、その手に重なる骨ばった手がある。

「げっ、てなんだよ、げっ、て」

 銀髪の頭を掻きながらめんどくさそうに澄ましているのは、数学さんだ。

「おはよう、数学君!今日も変わらずワイシャツスラックスかい?」

「歴史さんじゃないですか!俺が服選ぶのだるいんでいつも統一していること知ってるでしょ?」

少し驚き、嬉しそうに数学が言った。

「というか、どこいってたんすか?三日間いなかったんでさびしかったんすよ!」

「ちょっと、日露戦時中の青森の調査にね。八甲田山雪中行軍遭難事件について調べたいことがあったんだ。お、そうだこれお土産」

「いいリンゴっすね。ありがとうございます!あ、八甲田山?の話、あとで聞かせてください!」

「もちろんだよ…って、現国くん?どうしたんだい?!」

歴史は隣でうつむいてぷるぷると身を震わす現国に気が付いた。


「おのれ数学…僕が先に歴史さんと話していたのに!!」


「「は?」」

「歴史さんと先に話していたのは僕なのに、数学が入ってきやがって…。

 文系には文系としての世界があるんだよ!勝手に理系が割り込んでくんな!!理系みたいに無駄に計算してデータを並べるだけじゃない!文系は、人間の心や社会を深く掘り下げて、そこから学びを得る場所だ!理系がちょっとでも足を踏み入れたら、何もかもが汚されちまう!つまり、理系のあんたが、文系である僕を差し置いて、文系の宝である歴史さんと話すなんて言語道断だ!今すぐ帰れ理系が!!」


数学さんの理性を保っている頭の線がぷつりと切れた。


「はあ!?現国の野郎もう一回言ってみろ!!」


 先に言っておこう。数学さんは、非常に論理的である。そのため、無意味な争いごとは好まない。しかし、論理的であるゆえに、非論理的な現国に遭遇すると、喧嘩してしまうのだ。


「何が、理系が入ると汚される、だ!!歴史さんを独占したいだけだろ?あ、もしかして、メンヘラの方!?え、『私以外の人と話さないで!そんなことしたら嫌いになっちゃうよん♡』的な最悪パターンのメンヘラですか!?」

「だーれがメンヘラだ!!メンヘラの使い方もわからないような理系は引っ込んでくれませんかね!?文系と理系はかかわるべきじゃないんだよ!!お前に歴史さんと話す権利はない!」

「いや暴論…」

歴史さんがつぶやいた。


「は!意味わかんねーこと言ってろ!誰が「文系と理系は話しちゃいけないって決めた!?歴史さん困ってるだろ!?」

「歴史さんはお前が絡んできて困ってるんだ!ほれみろ!歴史さんのお前に向ける哀れな視線!」

「いや別に哀れな視線向げでねんだげど…(いや別に哀れな視線を向けてないんだけど…)。

 二人とも喧嘩はやめてくれ。しかも俺を引き合いに出さないでくれ」

歴史の言葉は過激化した二人によってフル無視された。


「また現国と数学がけんかしてるんだぞ」

「ボクのだーいすきな歴史様が巻き込まてるの、なんでかな?ウフフ」

あきれたように通り過ぎるのは音楽さん、なんか黒いオーラを発しているのが美術さんだ。

 現国と数学は二人に気が付いたようで、すぐに矛先を向けた。

「音楽!!お前も理系である数学が、文系の歴史さんと話しちゃいけないと思うだろ!?」

「音楽!!お前も現国が暴論展開しているってわかるだろ!?」

 詰められた音楽は首をかしげて言った。


「え、まず、歴史さんって理系なんだぞ?」




「「は?」」






作中に登場した八甲田山雪中行軍遭難事件について、僭越ながら簡単にご紹介させていただきます。


1902年、日露戦争の最中の厳しい冬の寒さに備え、青森県の八甲田山で雪中行軍を試みたものの、遭難し、210名が出発した中で生き残ったのはわずか11名という、非常に悲劇的な事件です。


詳細について触れすぎると表現的に配慮が必要かもしれませんので、気になる方はぜひご自身で調べてみてください。


…うん自分で書いといてなんなのですが、現国さん、こんなメンヘラちゃんでしたっけ?!ほんとはこの子、まじめなしっかり者ですよ!「何時何分集合ね」っていわれたら腕時計で秒単位まで計って、正確に来るようなまじめな子ですからね!!

……つまりは作者の語彙力の問題…!!


本日も長々とお読みいただき、ありがとうございました!できる限り早く更新できるよう努めてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします!

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