今日も今日とて勉強だ! 中編
※この作品はフィクションであり、登場する教科や人物はすべて架空です。
政治的意思もございません。ギャグ・コメディ作品としてお楽しみください。
「今、校庭でテロリストが暴れている」
冷酷に告げられた言葉に職員室の空気が一変した。
「詳しく、お聞かせ願えます?情報さん」
張り詰めた空気を破ったのは論表さんの声だ。
「先ほど、まだ出勤していなかった、体育先生から連絡があったんだが」
「おい、体育また遅刻ー?」
「さすがに能天気やろ」
歴史と地理が言葉を挟むが、無視された。
「どうやらテロリストが、校門をふさぎ、外部への接触を断っているらしい。さっき、電話線も切られた」
「つまり、今この学校にいるのは、今職人室にいる教師と、登校した生徒。そして、テロリスト集団ということですね?」
「どうやら公共もトイレに、古典先生も作法室、保健もいつものように保健室にいるらしい」
「おいおい、動き始めなくていいのかよ!」
すでに不審者来校を暗喩するアナウンスをかけた数学が二人を遮った。
「…ああ。すぐに避難準備を…っておい、現国と英コミュ、あいつらはどこ行った」
「なんか校庭でテロ集団と、文系らとテロリストが向かい合ってるんだけど―!!」
職員室の外を眺めながら地学が叫ぶ。
「おいおいおい、あいつらなにしてんだ!!」
「テロリスト諸君に通達する~!!今すぐ撤退すれば許してやる!さもなくば、戦うのみだ!!三分間だけ待ってやる!」
「いやどこのラ〇ュタだよ!!」
数学によるツッコミが入った。「ちなみにあれ本当は51秒しか待たなかったやつな!?」
なぜか、学ランに身を包んだ、現国が式台の上に立ち、後ろに運動部諸君を引き連れ、メガホンを口に当てている。隣には、鉄扇を持った古典が、大和なでしこのような美しいたたずまいで構えていた。
「……あの世にて、吾を恨むなかれ――」
「殺しにかかってんじゃん古典さん!!」
「さあ、みんな~!声を合わせて~!」
後方に声を張り上げ、音頭を取るのは、英コミュだ。
「You wanna fight? Bring it on!」
「「「「「ゆーわなふぁい⤴ぶりんぎっとおん!」」」」」
「何と戦うんだよ!てか絶対、生徒たち意味理解してねーよな!」
「教室においてのバリケード制作終わりました!」
駆け込んできたのは、理科四兄弟だ。
「強度は?」
「物理法則に乗っ取ってもっとも外れにくい強固な形を形成したので問題ないかと!」
自信たっぷりに笑うのは物理だ。
「…ボクも、結晶構造参考にして強いの作るのに、協力した・・・ 」
「偉いぞ、化学」
情報が化学の頭をわしゃわしゃとかき回した。隣で数学があきれて窓を見つめている。
「って、普通こうなんだよ!!どこかに避難するか、バリケード作るかだろ!!なんだよあの攻撃の反対は先制攻撃とでも言いたげな文系ズ!!」
その時、ぱーんと扉があき、白衣に身を包んだ若い女性、保健さんが駆け込んできた。
「なんてことだ…戦じゃ…。戦が始まるんじゃ…!!」
「うん落ち着け保健さん。時代劇の見すぎかな?そういうキャラじゃないだろ」
「けが人が運ばれる準備をしなければ!!!」
「ちょ、保健さん?」
その間にも校庭のシュプレヒコールはやまない。
「No justice, no peace!」「「「「のーじゃすてす!のーぴーす!」」」」」
「Stand up and fight!」「「「「すたんどあっぷあんふぁいと!」」」」
「Screw you!」「「「「すくりゅーゆー!」」」」
「F
「「「「「英コミュやめなさい!いろいろ問題がある!!」」」」」
理系一同から渾身のツッコミが入る。
「これはやばいかもしれんな……」
情報さんが困ったように天井を見つめた。
「公共さん頼むから早くしてくれ…」