地学の時間です!‥‥‥え、違う!?~地学兄さんの楽しい授業~
※この作品はフィクションであり、登場する教科や人物はすべて架空です。
政治的意思もございません。ギャグ・コメディ作品としてお楽しみください。
「きりーつ!礼! ちゃくせーき!」
「やあみんな! 地学の時間だよ!」
「って、なんで歴史さんがやってるんですか⁉」
ここはアカデミア学園。
教科の化身たちが教師となり、生徒たちに極上の学びを与える、摩訶不思議な学園である。
丁度、地学の授業があるようだが、その教壇には、地学の姿はなく、歴史が立っていた。
「なんで、って言われてもなぁ‥‥‥。地学さんに頼まれたのだよ。『歴史さ~ん、授業やってくださぁい』ってね」
「‥‥‥うちの先生が、すいません!!」
その時、教卓の下からゴンッ、と鈍い音が聞こえた。
歴史さんが、驚いて後ずさる。
「いててて」
机の下から這い出てきたのは、地学さんだ。
「「「「地学さん! 何しているんですか!!」」」」
教室総員のツッコミ。
「いやぁみんな混乱しているみたいだから、俺、説明しに出てきただけだよ~」
「「授業しろよ‥‥‥」」
「そもそも申し訳ないが、私は何の授業をすればいいのかわからないんだ」
と歴史さんが頬をかきながら言うと、地学さんはひらひらと手を振った。
「んじゃ、ピタゴラスあたりのギリシャの人について話してて~」
「あ、うん、はい」
「じゃあ俺、忘れ物あるからとってくるね~」
扉が閉まると、歴史さんは気まずそうに咳ばらいをした。
「え~では授業をしていこうか」
持ち直すところ、流石、ベテランの教師である。
「さて、では、まず、ピタゴラスについてだけれど。この授業は地学についての授業だったね。では、彼が地球球体説について唱えたことについて説明しよう。
ピタゴラスは神聖である太陽が丸いのならば、この神聖な地球も丸いのだろうと考えた」
「え、想像じゃないですか!」
「そうそう。これには科学的な根拠は一切なかったんだよ。だから『彼が初めて地球球体説を唱えた』といわれているが、まあ懐疑的だね」
歴史さんは黒板に、「ピタゴラス、初の地球球体説」と書いて、その隣にクエスチョンマークを書いた。
「では、はじめに、地球球体説を科学的に説いたのはだれだろうね。分かるかい、鈴木君」
「えっとぉ‥‥‥プラトン?」
「惜しい! プラトンは、理想主義の古代ギリシアの思想家だからね。ヒントは、現実主義のギリシアの思想家だよ」
「じゃあ、アリストテレス!」
「正解!」
歴史さんは、黒板に、「アリストテレス科学的に地球球体説を説く」と書いた。皆のノートにペンが走る。
「アリストテレスは、プラトンの弟子だったんだ。プラトンが理想主義を説いたのに対して、アリストテレスは、目の前にあるものを重視する現実主義を推し進めたんだね。
この絵を知っているかい?」
歴史さんは、『アテナイの学堂』を示した。
「これに書かれてあるのが、プラトンとアリストテレスだよ。さて、どっちがどっちかな?」
「ええっと、プラトンが上を指していて、アリストテレスが下?」
「そうそう! プラトンは理想主義、つまり空中をさして、アリストテレスは、現実である地を見るべきだと、下を指しているんだね。これで分かったかい?」
「じゃあ、アリストテレス、地球を外から見たりして、丸いって言ったんですか?」
「それは違うんだ。彼は、山の見え方、星の見え方、月食の時の月の影を見て、球体であると証明したんだよ。申し訳ないね。どうなっているのかは、私にはよくわからないが‥‥‥」
歴史さんが分からないのは当たり前だ、これは歴史の授業でなく、地学の授業だ! と、誰もが思った。
「さて、この二人についてはまだ語りたいことも多いが、歴史の授業ではないのでね、進めるとしよう。
みんなはここまで聞いて、疑問に思わないか?」
「じゃあ、誰が地球の大きさを求めたか?」
「そうそう! いい感性をしているね! 求めたのは、エラトステネスだよ」
「エラトステネス‥‥‥?」
「紀元前300年頃、太陽が南中高度を示すとき、アレクサンドリアとシエネで影の長さが違うと気が付き、それを計算したみたいだよ」
「みんな、ただいまぁ」
「「「「地学さん!!」」」
いきなりドアが開き、戻ってきたのは地学さんだ。
「すまんね、こんな授業でいいのかい?」
「うんぜ~んぜん! こういうのをしてほしかったんだぁ」
「で、忘れ物っていうのはまさか?」
「そうそう!地理くん~」
地学に引きずられてきたのは無気力に四肢を投げ出した地理君だ。
「あ、歴史も連れてこられたんすか~。本当に迷惑しちゃいます~」
「お、おう‥‥‥」
「あ、今どこやってた?エラトステネスまで行った?」
「丁度終わったところだよ」
「あ、丁度いい~じゃあ、
Hey地理くん、シエネの緯度は?」
「……あの、Si○iみたいに使わないでくれます?」
緯度ぐらいは調べろよ‥‥‥と誰もが思った。
「てかシエネってどこ」
地学さんは、歴史さんを前に押し出した。「ええっと、確か、現代のエジプト、アスワンじゃなかったかな」
「じゃあ多分、23.4度じゃないですか?」
「じゃあアレクサンドリアからシエネまでの距離は?」
「1070kmじゃなかったっけ」
なぜわかるんだ……!と皆は思った。
「そそ。それでね。アレクサンドリアとシエネで見た影の差は7.2度だったの~。さて、もうみんな、地球の大きさ、求められるよね?」
「「「「知らんわ!」」」」
「まあまあ、宿題にしとくね~」
「「「「だから分からんって!!」」」」
教室がざわつく中、地学さんは黒板にさらっと式を書いた。
「ヒントだけね~。角度が7.2度でしょ?地球は360度だから~」
「そそ。それでね。アレクサンドリアとシエネで見た影の角度は7.2度だったの~。さて、もうみんな、地球の大きさ、求められるよね?」
「「「「知らんわ!」」」」
「まあまあ、宿題にしとくね~」
「「「「だから分からんって!!」」」」
教室がざわつく中、地学さんは黒板にさらっと式を書いた。
「ヒントだけね~。角度が7.2度でしょ?地球は360度だから~」
地理くんがため息をつきながら続ける。
「つまり、7.2は360の何分の一か、って話っすね」
歴史さんが頷く。
「ほう、では鈴木君。そこは分かるかな?」
「なんか今日、歴史さん俺の事ばっかり狙ってません⁉」
「あはは! ごめんね! で、答えは?」
「えっと‥‥‥50分の1!」
地理くんが軽くうなずく。
「そう。つまりその距離は、地球一周の50分の1ってことっす」
教室が一瞬、静かになる。
「じゃあ距離かける50で‥‥‥」
一人の生徒が手を止めた。
「‥‥‥あれ」
「さっき1070kmって言ってませんでした?」
空気が止まる。
「あ」
「でも今、900kmで計算してる‥‥‥?」
地学さんがあっさり言う。
「教科書に合わせた~」
「いや雑!!」
それでも計算は進む。
「えっと‥‥‥900×50で‥‥‥」
「「「「あ」」」」
「出たじゃん!!」
「え、マジで?」
「そんな簡単なの!?」
地学さんがにこにこしながら言う。
「ね?いけるでしょ~」
そのときだった。
ガタン!!
地理くんが立ち上がる。
「いやおかしいでしょ!!」
「!?」
「距離ブレてるのに、なんで答えそれっぽくなるんすか!!」
「まあまあ~昔だからねぇ」
「昔でも限度ありますよ!!」
「でも合ってるんだよなぁ」
「それが一番怖いんすよ!!」
キーンコーンカーンコーン
「あ、終わりだ~」
地学さんは満足げにうなずいた。
「じゃあ宿題ね~。ちゃんと計算してくること~」
「いや今やったじゃん!!」
「あと『なんでこれで近い値になるのか』も考えてきてね~」
「増えてる!!」
気づくと、地学さんはいなくなっていた。
静まり返る教室。
「‥‥‥」
「‥‥‥なあ」
「結局、どう書けばいいんだこれ」
全員の視線が、ゆっくりと前を向く。そこには歴史さんと地理くんがいた。
「「‥‥‥」」
「歴史さん、これ解けます?」
「‥‥‥私は文系でね」
「地理さんは?」
「‥‥‥だいたい合ってるって書けば、丸はもらえるんじゃ?」
「それが一番ダメだろ!!」
こんにちは!ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
‥‥‥なんか授業‥‥‥? みたいな有様ですね‥‥‥。うん、楽しんで読めるかはわかりませんが、地学の参考にしてください‥‥‥。(間違っていたらすいません)
さてさて、ここまで読んでいただき誠に有難うございました! これからもよろしくお願いします。




