オタクが爆発! ~時代劇を前に大暴走!?~
※この作品はフィクションであり、登場する教科や人物はすべて架空です。
政治的意思もございません。ギャグ・コメディ作品としてお楽しみください。
「くぅう!!かっこいいぃい!」
「がちで!こんなに剣筋がきれいにみえるなんて!カメラ天才すぎんか!?」
「ですよね!ほんと、保健さんが時代劇好きで助かりましたよ!」
ここは、アカデミア学園。教科たちが擬人化して先生をする、特殊な学園である。
そして、今日、アカデミア学園は休日である。行き場のない教科たちは結局、学校に集まり、時間をつぶすのだった。
「文国も時代劇好きならはやくそういってくれ!」
「まさか、時代劇を見てるなんておもわないでしょ!?」
保健室。タブレットで時代劇を見ながら大興奮しているのは、文学国語さんと保健体育姉さんである。
「やっぱ筋肉がたまらない!」
「き、筋肉ですか‥‥‥?いや否定はしませんけど!」
「いいだろ筋肉!美しく動くんだよ!?ああ、今日も主人公の下腿三頭筋が美しい!」
「は、はあ‥‥‥」
「引くなよ!」
普通、引くだろ。という言葉は文国さんの口からはでなかった。
「僕はやっぱり、言葉が好きですね!『参上仕ります!』とか!言ってみたいですよね!」
「へえ」
「反応うすいのやめてもらっていいすか!?」
保健さんは画面にくぎ付けである。
その時、保健室の扉ががらがらと開いた。
「Excusez-moi!Oh, Que faites-vous, les gars ?(失礼します。って君たちは何をしているんだい?)」
「歴史さん!」
「Coucou!(やあ)」
「‥‥‥あのフランス語でしょうか?」
「はは!ごめんごめん!ちょっとヴァレンヌ逃亡事件を間近で見たくて、行ってきたばかりなんだ」
「フランス革命ですね!」
「興味深かったよ」
歴史さんはタブレットにくぎ付けの保健さんを見た。
「保健さんに用があったんだけど、彼女は何をしているんだい?」
「時代劇見てます!」
保健姉さんがのっそりと振り返った。
「なんだ。歴史さんか。なんの用すか?」
「少し腕を切ったので、絆創膏を分けてもらいたくてですね」
「少しなら、私たちはすぐに治るだろう‥‥‥ってそれ大出血じゃないですか!はいはい、座った座った!」
「うわめっちゃ痛そう‥‥‥。これが『少し切った』なんですか⁉」
文国がありえないという風に顔をしかめる。
「ただ銃剣で切られただけだよ。まあ、鉄砲じゃなくてよかったじゃないか。弾を抜く時が一番痛いからね」
「なんですか、経験したことのあるかのような口ぶり!」
「あーちなみに歴史さんは結構頻繁に保健室に来ているよ。何回説教をしたものか‥‥‥」
「はは!現代と違って、弾の飛び交う時代も多いですからね。それは傷の一つや二つぐらいあるじゃないですか」
「歴史さんはすこし気を付けてくださいよ。前みたいに、手術レベルの状態で来たら、もう絶対治さないっすからね」
「‥‥‥はい、気を付けます」
保健さんは消毒をして、包帯できれいに腕を巻き上げた。
それを横目に、文国さんは、はっと思いついたように手を打った。
「そうだ!歴史さんは時代劇、好きですか?」
「うん?時代劇?」
「ああ‥‥‥やっぱ興味ないですか‥‥‥」
「いや好きだよ」
「そうですよね‥‥‥興味ないですよね‥‥‥って好きなんですか!?」
「物語の構成がわかりやすくて授業の参考にするためにたまに見ているよ」
「やっぱ歴史さんもわかってくれるっすよね!時代劇、いいっすよね!」
と保健さんが、にやけはじめた。
「ささ、歴史の旦那。こちらへどうぞ。一緒に見ましょうぜい」
「保健さんがいきなり時代劇オタク出してる!!」
保健姉さんは、語りたいオタクなのである。
三人が時代劇を見ていると、いきなり歴史さんが「おっ」と言った。
「なんだこれは」
「ん?ただの侍ですけど‥‥‥」
「いやこの時代に、この紋章はおかしくないか?」
「へ?」
「は?体のラインを目立たせるためには、この紋章がいいんすよぉおおお!!!」
「目の錯覚のことを言っているのですか?それならよりおかしい。目の錯覚による模様はもっと前からあったはずだ」
保健さんが机をばんっとたたいて立ち上がった。
「時代考証もいいっすけど!ドラマというか肉体を光らせるためには!必要でしょ!」
「時代劇、というのなら、史実に正しくあってほしいね!史実に即した中で見えるストーリーがリアルに心を揺さぶるんだろう!」
「ちょ、ちょ、歴史さん⁉ 保健姉さん⁉」
しかし、オタク特有の早口はもはや、文学国語さんの可聴域を超えていた。
「そもそも、この刀の筋は明治時代に観賞用として増えたものだ!江戸時代にあるのはおかしいだろう!」
「いやいや、しょうがないでしょ!観賞用と言われるように、めっちゃ光るんだから!ドラマで映えるでしょ!」
「ドラマ云々の話ではない!」
二人は敬語を忘れている。
「文国、うるせえよ!上まで響いてんだよ!‥‥‥ってあれ、文国じゃねえのか」
保健室の扉をあけ放ったのは数学さんである。しかし、騒音の正体が文学国語でないことに気が付き、茫然とした。
「げ、数学!」
「れ、歴史さんと保健さんが騒いでる‥‥‥」
「そうなんだよ! お前に言うのもなんだけど、異常事態なんだよ!助けてくれよ!」
「これは‥‥‥ええっと失礼しました~」
「逃げんな、数学ぅぅぅぅぅぅ!!!!」
結局、二人は古典さんのお菓子の差し入れが入る放課後まで、口論をやめなかった。
お菓子は世界を救うのだった。
こんにちは!読んでいただき、ありがとうございます!
保健さんは時代劇大好きなレディです!歴史さんは、時代劇というより、歴史そのものが好きみたいですね!
ちなみに述べていることは、すべて架空です。
ここまでありがとうございました!評価等いただけましたら、モチベーションになります!よろしくおねがいします!




