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今日も今日とて勉強だ!

※この作品はフィクションであり、登場する教科や人物はすべて架空です。

 政治的意思もございません。ギャグ・コメディ作品としてお楽しみください。

 

 ここはアカデミア学園。

 世界中から集まる生徒たちに学びをもたらす、私立学園。

 その場所は山の上か、海の下か、それともはるか遠い森の奥か、それはだれにもわからない。

 でも、その噂は流れてくるし、ちゃんと卒業生もいる、摩訶不思議な学園。


 一つだけわかっていることは、どうやら教科が先生らしい。


 これは、そんな教科たちのおはなし。




 

 











「す、う、が、く~~~!!!!」


 職員室のドアがバーンと開け放たれた。現れたのは、ぽわんとした黒いマッシュ頭。つまり、現代国語さんだ。


「なんだ!!!このひどい提案書は!!」

「ああ。無駄を排除した効率的な運動会計画だろ?」


椅子に座りながらルービックキューブをいじっている男は数学さんである。

「あ、こここう回せばいいんだ…。ふんふん」

「ってお前なんでルービックキューブしているんだよ!仕事しろよ職場だぞ!」

「そういうお前も叫んでいる暇あれば仕事すれば?お前まだテストの採点終わってないだろ」

「ぐっ…それはそうとして…。そう!脱線しかけたけど、この運動会計画はひどいって話だ!なんだラジオ体操練習及び運動会の時間削減のため、運動会当日に各家庭で体をほぐしてから登校することって!!」

「書いてある通りだろ?お前、国語のくせに読解力ねぇのかよ」

「は!?いや大体、ラジオ体操はけが防止っていう面もそうだけれど、あの踊っている時間とか習っている時間とか、それが青春なんだろ!?『ラジオ体操面倒くさいね~』『そうだね~』って言いながら、仲間と練習するものだろ!?」

「一人芝居おつかれさまですー」

「って聞いてないし!あーあこれだから数学はロマンチックじゃない。ほんっと理屈っぽくて嫌になる」

「っっっ!!!うわめっちゃイラっときたんですけど!?オイラーの公式(e iπ+1=0)見てみろよ!自然対数と虚数、円周率、1と0がすべて存在し、響き合っている!美しくロマンティックだろ!!」

「何言ってるのかよくわからんわ!数式は引っ込んでろ!」

「はい出ましたー文系あるあるーわからない数学は引っ込んでろっていうー!お前らな、点P動くなとかっていうけど、そういう文学だって、主人公が謎の行動起こしまるフラグ乱立オンパレードのくせして、『なぜ主人公はこの行動をしたのか五十文字以内で答えよ』っていってんじゃん!もう『目立ちたいから。』の八文字で終了だわ!」

「わかってないね!あれは心の奥底からあふれる衝動に突き動かされてついつい動いちゃうっていう、感動的な出来事なの!この感情がわからないなんて、お前心あるか?いやない!」

二人は火花を散らしてにらみ合う。

「おのれ数学…」

「現代国語め…」

二人はつかみ合いながら、職員室を舞台として、殴り合いを始める。


それを興味深そうに眺めている金髪の女性は英語コミュニケーションさん。

「ねえねえ論理表現さん~今日はどっちが勝つと思う~?私は意外に現代国語さん勝ちそうだと思う―」

「あなたも暇ですね。英コミュ。あれはいつものことじゃないですか。早く次のリスニング資料を作らなくていいんですか?」

そう答えながらもパソコンのキーボードを淡々とたたく陰気な男は英語論理表現さんだ。論表と呼ばれることが多い。

「えーどうせ論理表現さんのテストでリスニングやるでしょー?私はいいよー」

「I am really concerned about your English ability.(私はあなたの英語力が非常に不安です)」

「It's fine. No worries. (全然大丈夫ですよー)」


「おい物理。なにボーっとしているんだ。実験の準備はいいのか?」

「生物兄さん…。いやそれはもう終わっているから大丈夫」

「どしたの~?物理―そんな悲しそうな顔して。地学お兄ちゃんが話をきいてあげよかー?」

「いや…地学兄よりもボクに相談した方がいいと思う…」

「お、言ったな化学。やるか?」

「ちょちょちょ、地学兄さんも化学も落ち着いて。喧嘩したらカオスになるだけ!僕のことは気にしないで」

職員室の端にデスクを並べる理科兄弟は年上から、地学さん、生物さん、物理さん、化学さんだ。

「化学ちょっと離れろ。その手に持っている硫酸が試料にかかったらせっかく手に入れた細菌がぱーなんだよ」

「生物兄…顕微鏡見るなら職員室じゃなくて、理科室…」

「化学も、硫酸持つなら理科室な?」

「ちょっとちょっと。生物と化学まで…ケンカしないでって…」


「物理兄うるさい…」「物理黙ってろ」「物理ーちょっとうるさいかもー」

「トリプルコンボだ…」


「こーきょー。ねーこーきょー」

「そのこーきょーというのが私のことでしたら非常に心痛いことですね、地理君」

紅茶を優雅に飲む公共さんに抱きつこうと走り寄った男は地理さん。公共さんはすっと地理さんをかわし、紅茶を一口飲んだ。

「ぶぅ。いじわる」

「心外です。で、何の用ですか?」

「うーんと。なんか情報が伝言って言ってたー」

「ほう。情報くんが。それで?」

「うーんと…忘れた」

「…メモをとることを覚えた方がいいですね。あなたは」

「ごめんってー。いやー山脈とかは余裕で覚えられるのになー」

「では用事がないようでしたら、私は少々席を外させていただきます。お花を摘みに行ってまいりますね」

そういって職員室を去る公共の背に手を振りながら地理がつぶやく。

「公共さんが行っちゃったってことは、歴史がそろそろくるかなー」


どおおおおおおおおん!!!


二階から大爆音が聞こえた。数秒後に職員室のドアを力強く開けたゴーグル頭の男は歴史さんだ。


「ほんますまんなー!遅刻してしもたー!!って、現代国語、数学、お前らまだ喧嘩してんの?くだらないわー」

「「いて」」

職員室入り口付近で締め技を掛け合っている現国と数学に歴史のげんこつが飛んだ。二人は床に伸びてしまった。

「ははは!あかん力加減まちがえてしもたー!!」

「で、歴史さんなんですかさっきの音」

「お、地理。おはようさん。歴史資料室で十九世紀の論文読んでたら、朝になっとってなー!驚いて立ち上がったら棚から論文が雪崩のように落ちてきよった」

「は?!あそこに俺の地図もあるんすけどー!!ありえんー!!」

「すまんなー!あとで片づけるわ!」

「まあ、それなら…。てか今日は、関西弁なんですね。歴史さん」

「ちょっと江戸時代の難波に行ってたんや。まあすぐ戻すつもり」

「ああ、そうですか…」


「た、大変だー!!」

「おう、情報。どないしたん?」

慌てて駆け込んできたのは情報。


「大事件だ!学園の存続にかかわるほどの!!」

「何ですか情報さん」

床に伸びていた現国がすぐさま立ち上がって問いかける。職員室全体が次のことばを待っていた。


「今、」

「いま?」


「校庭で」

「校庭で?」




「テロ集団が暴れている」





 こんにちは。oryzaeと申します。この度は御覧いただき誠にありがとうございます!

 今回は教科を擬人化という、n番煎じさせてもららいました…。

 ちょっと危ない橋を渡っていくかもしれません…。作者にそんな危ない思考は全くないのですが、もし問題があればご報告いただけたら幸いです。

 できるだけ、勉強が好きになれるようなお話をお届けできるように頑張ります!引き続きよろしくお願いします!!

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