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エルフの商人  作者: Yuya. S
エルフと経済編
9/18

第9商 "人生をギャンブルでなくす方法"

(オフィス 夜景が広がる 高層ビルの明かりがちらちらと揺れている)

兼成『僕 おカネが欲しいです』

沙樹『なんで?』

兼成『そりゃおカネがあれば選択肢が増えますし 安心できますから』

沙樹『おカネを持つだけで それは得られると思う?』

兼成『まぁ そうですね おカネがあれば ほしい物は買えるし やりたいこともできる』

沙樹『常盤さん おカネを持っているかより おカネをどう使うかの方が大切よ』

兼成『でもおカネがないと始まりませんよ』

沙樹『逆よ おカネはその使い方を知っている者のところに自然と集まるの』

兼成『……つまり 使い方を知らないと いくらおカネを手にしても結局無駄になる…』

沙樹『企業も同じよ』


沙樹『企業の要素はリソース・プロセス・価値観… リソースはヒト・おカネ・エネルギー… プロセスはそれらを使って価値を生み出す仕組み… 価値観はその意思決定をする基準』

(兼成は頷く)

沙樹『大事なのは 価値観>プロセス>リソース という順序で考えること おカネの集め方しか考えられない企業と おカネの使い方を考える企業 どちらの投資家はおカネを預けるべきかしら』

兼成『僕らの仕事にも必要な考えですね…』

沙樹『なんか見てて危ういから言わせてもらったわ うざい先輩かもしれないけど』

兼成『いえ ありがたいです まずは自分を変えていかないと』

(兼成の部屋、ジャケットを脱いでネクタイを緩める)

(兼成は財布から100円を取り出して賽銭箱に入れる、その音が、朝の静けさの中で響く)


(深呼吸をして、目を閉じ、祈りを捧げる)

(その瞬間、目の前に光が閃き、ウェルの姿が現れる、エルフの優雅な姿が、あっという間に部屋の中に浮かび上がる)

(ウェルが胸に手を当ててお辞儀をしている)

ウェル(笑みを浮かべて)『常盤兼成様 ご利用ありがとうございます』

兼成『ウェルさん 前 投資って後の世代がインフレで生き残れるようにするものって言ってましたよね…』

ウェル『ああ 投資とは…価値にカネを出す金融取引のこと そしてカネの形を変えて自分より後の世代に残すためのもの 資本主義の本質はインフレだからな』

兼成『おカネの形を変えるとは?』

(ウェルが魔法で紙幣と硬貨を出す)

ウェル『たとえば ここに1,050円あるとしよう 1,000円札と50円玉だ そして今から940円のモノを買わなければならない どうするかね?』

兼成『そりゃ1,000円札を出して60円のお釣りをもらいますよ』

ウェル『では もし50円玉を持つことが悪い世界線だったらどうする? このままだと50円玉を2枚持つことになるぞ』

兼成『それなら1,000円を出して お釣りを全部10円玉にしてもらえばいいと思います』


ウェル『なるほど でもそれは 店側が協力してくれないと成立しないんじゃないか? 他人が時間や手間を使ってくれると思うか? 使ってくれるとして法律的に許されないなら?』

兼成『……!!! 1,050円全部出して 940円のモノを買えばいいのでは!? それならお釣りは100円玉と10円玉になりますし』

ウェル『その通りだよ つまり投資とは ただ単にカネを増やすことではない… どんな形でカネを残し どんなふうに使うのかを考え 将来の価値を守ることなのだよ わかるかね?』

兼成『なんとなく… ただ個人より企業や経済って大きさで考えると少し違うのかなとも… 仕事をしてて思うんです』

ウェル『なるほど そういう事か』

(ウェルは歩き始める)

ウェル『それで言うと 投資とはリスクを回避したがる人間が提供する価値を リスクをとれる人間が吸い上げる経済循環の仕組みだ』

兼成『だからこそ 価値観やおカネの使い方を常に考える必要があると…』

ウェル『そしてリスクをとるとは…組織が失敗する可能性に対して苦しむことができるということ』

兼成『つまり…』


兼成『投資とは組織が失敗した時に苦しみたくない人が提供する価値を 組織が失敗した時に苦しむことができる人が吸い上げる経済循環の仕組み』

ウェル『そうだ そして組織の失敗とは価値観からもたらされるモノ・サービスを提供できないということだ』

兼成『ではおカネの集め方ばかり考えているのは』

ウェル『お話にならない そう言われても仕方がないのだよ』

兼成『誰がどれくらい吸い上げるとかって』

ウェル『それは資本収益力・権力収益力から考えると6つに分かれる

❶オーナー社長…資本収益力高・権力収益力高

❷政治家…資本収益力中・権力収益力高

❸サラリーマン社長…資本収益力中・権力収益力中

❹投資を行う個人…資本収益力中〜高・権力収益力低

❺公務員(警察・医者含む)…資本収益力低・権力収益力中

❻個人…資本収益力低・権力収益力低』

『「投資は怖い」と言うのは❺❻だ 資本収益力を手にしたことも関わったこともなく未知なので怖がるだけ』

兼成『でも「投資はギャンブルでしょ?」という方もいらっしゃいますよ』

ウェル『ハァ…愚かだな』

(ウェルは振り返って止まる)


ウェル『投機も投資も…そして人生も 結局のところギャンブルなのだよ』

兼成『結局は運頼み!? それじゃ投資はギャンブルでしょって言ってる連中と同じでは…?』

ウェル『彼らが見落としているのは "人生そのものがギャンブルである" ということなのだよ』

兼成『どういうことですか』

ウェル『世界のすべては確率で動いている それを人間が完全にコントロールすることはできないのだよ…』

(ウェルがメガネをカチャッとする)

ウェル『人間はただ その中で踊っているにすぎない… 量子力学の研究が それを少しずつ明らかにしてきている』

(兼成は腕を組み、苛立たしげに足を組み直す)

兼成『確率で決まるなら どうしようもないじゃないですか』

ウェル『しかし "どうしようもない" とは言わない 例えば100回挑戦して 55勝45敗の結果を残す これが投資というギャンブルであり そして人生というギャンブルなのだよ』

兼成『50%ちょいの勝率じゃ ちまちましか増えないですよ』

(ウェルは穏やかに笑う)


ウェル『だが それを1000回…1万回と積み重ねれば どうなるかね? 手元には確実に "何か" が残る それが戦う者と戦えない者の違いだ』

(兼成はじっとウェルを見つめる)

兼成『戦えないと?』

ウェル『戦えないと 世代を経るごとにインフレで死んでいく… それが国民というギャンブルで負けている指標 そう思わないかね?』

兼成『だからこそ 自分の大切な人や自分の仕事に関わってくださる方だけは守っていくと』

ウェル『そういうことだ』

兼成『ウェルさんは 世界がこうなるってわかってて そのまま見てたんですか?』

ウェル『それは違う!!!!』


ウェル『私は…ただ皆でパンを食べたかっただけなんだ…』


ウェル『世界から魔法を…争いを無くしたかった それが今では…皆がカネで争い 戦わなければならなくなってしまった』

兼成『失礼なこと言ってすみません…』

ウェル『いや 君が感じたことや言ったことは間違いない』

兼成『ウェルさんの他にエルフは…』

ウェル『いるよ 魔法は使えんがな』

兼成(もしかして…そのエルフ達が…)

ウェル『そして人生をギャンブルでなくす方法はある』

(ウェルが兼成の肩を叩く)

ウェル『成功を定義して 想像して やれること見つけて たくさんやるだけ』

兼成『情熱が大切だという意味がわかりました でもなぜ…?』

ウェル『そうだ 今日はもう少し話そうか』

兼成『はい…!!』

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