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推しを愛して何が悪い  作者: SHKA
第一章 推しは誰よりも可愛く誰よりも尊い
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八話 バイトは辛いよ

 パソコンを前にして配信を部屋の中で始めたのはあの超有名な歌い手『パピー』。


 そしてその横で配信に映らないようにそっと見守るのが彼女の彼氏、拓真である。



「あーあー。 


聞こえる? 


大丈夫かな? 

 

皆んなヤッホー、元気にしてた? 


こんにちはー、こんにちはー」

 


コメントを読み上げつつ配信が始まる。


『今日何食べた?』


「えー今日はおにぎりと、タコさんウインナーと、卵焼きかな? 普通のお弁当だよ」


『パピーのオススメのボールペンとかってある?』


「ペン? うーん、あんまり使わないからあんまり分からないけどflixonのポールペンとかって良いよ」 


『最近の何かあった?』 


「最近? あ、そう言えば皆んな聞いて聞いて。この前友達とカフェに行ったんだけどね、私達の隣にちょ〜面白いおじさんが座っていてさー」



 拓真はコメントを拾ってはそれに答えていく『パピー』をこんなに間近で見られ拓真はファンとして最高に感情が高揚するのを覚えた。  



 自分の推しが自分の目の前でライブをしている。

 

 これほど幸せな事があるであろうか。


 拓真はそっとスマホを取り出し配信に流れているコメントを表示させる。


 そしてそこにコメントを自分も投稿しながら自分の推しをリアルで見る。


 尊さを感じながら見るその配信は時を加速させたかのように思えた。


 気づけばあっという間に配信は終わってしまった。


 今回は雑談配信だったため歌声を聞けなかったがそれでも拓真やファンにとっては十分すぎるほど満足の行く配信だった。



「ふぅ〜終わった。」


 天星ルアことパピーは配信画面を切り背伸びをする。


「お疲れ様」

 

 拓真は優しく声をかける。



「何かごめんね。いきなり始めちゃって。おかげであまり一緒に勉強出来なかったね。この後拓真は用事でもあるの?」


「あー、そうだね。これからバイト行かなきゃ。」


「バイト?」


「うん、三年になってからファミレスでバイト始めたんだ。今日みたいに火曜はちょっと遅めに始まってちゃっと遅めに終わる」 


「フーン」


 拓真はパピーにハマり出してからと言うものグッズを買うためにお金が必要になりそのためにバイトを始めたのであった。


「じゃあごめんね。ちょっと行ってくる。」


「あ、じゃあね」


 天星ルアは寂しそうに去っていく拓真に手を振る。


 拓真はそれに同じく手を振って答え小走りで一度帰って着替えバイトへと向かった。



「あ、ヤッホー拓真!」



 職場についてすぐに拓真に声をかけてくれたのは拓真のバイト先の先輩である山口さんである。 


 山口さんは気さくな男の先輩であり拓真を可愛がってくれている。


「あ、山口さん。こんにちは。すみません、先に制服に着替えて来ますね。」


 拓真は店の裏へ行くと一度店の制服に着替え職務にあたる。 



「あ、拓真、四番テーブルお願いしても良い?」


「はい、もちろんです。」


 山口さんに言われ拓真は四番テーブルへと向かう。



「ご注文お決まりです、、か?」




 ふと目を四番テーブルのお客にやるとその顔は見知った顔であった。


 というかさっきまで一緒にいた人の顔であった。


「ルア?!」

「エヘヘ、来ちゃった」

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