探索者登録
「わかりました。書類は後程お渡しいたします。それでは、探索者登録を行います。こちらの用紙に必要事項を記入してください。」
エリアは、二枚の用紙を差し出してきた。
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登録用紙
名前
年齢
レベル
使用スキル
得意武器
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という内容だった。九麗亜は必要事項を書き込んでいく。ミーリンもそれに続いて書いていく。
「あ、最低限、名前、年齢、レベルは書いてください。スキルと武器は書かなくても大丈夫です。しかし、書いてあると、それに応じた依頼を進められるので、一つは書いておくのをお勧めします。」
それを聞いて、二人は書類の必要事項を書き終わり提出した。
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登録用紙
名前 クレア・ホウフク
年齢 17
レベル 10
使用スキル 回復魔法
支援魔法
得意武器 杖
長杖
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登録用紙
名前 ミーリン
年齢 125(人間換算16)
レベル 7
使用スキル 短剣術
得意武器 短剣
双剣
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と書いてある。
「って、ミーリンさん、そんなに年齢上だったんだね。さすがエルフ族?」
九麗亜は、ミーリンの年齢の欄を見て驚いていた。
「すみません、ごく主人さま。エルフとしては、まだまだ若輩者ですし、気にしないでいただけると幸いです。それとも、こんな年増はお嫌いですか?」
ミーリンは、少し悲しそうな顔をした。九麗亜は慌てて、
「ごめんなさい。そんなつもりじゃなかったの。ただ、私にとって、エルフって結構憧れでさ。私の元居たとこにはいなかったから。」
ミーリンの手を取って謝罪する九麗亜。それを見ていたエリアは、コホンと咳払いをして二人の世界を戻す。
「いちゃつくのは結構ですが、こちらのほうを進めさせてもらいます。お二人に書いていただいた書類をもとにお二人のクラン証を作成いたしました。こちらをお受け取りください。」
エリアは、金属質のカードを二枚渡してきた。そこには、二人が記入した情報が刻まれている。
「このクラン証は、魔法加工がされております。お二人のデータをお二人の魔力を感知し続け、お二人のステータスを更新し続けます。さらに、お二人が討伐した魔物の数を記録することができます。これは各報告時にリセットしますので、各依頼を正確に達成することが可能となります。この機能があることにより、クラン証の記録がなければ、依頼達成の確認ができなくなり、報酬はお支払いできないことになっております。また、ランクが上昇すれば、クラン証を各ランクに昇格させます。クラン証を紛失した場合は、金貨一枚、10000ルクスをお支払いいただきます。それにより、再発行をさせていただきます。以上で説明は終わりです。何か質問はありますか?」
九麗亜とミーリンはエリアに質問はないと答え、クラン証を受け取りクラン支部を出た。
「これからどうするのですか、ご主人様?」
町を歩きながら、ミーリンが九麗亜に聞く。
「そうね。とりあえずクランにも登録できたし、私たちの装備を確認しましょう。どこか落ち着ける場所ってあるかしら。」
「それなら、宿屋に行きましょう。そこなら、落ち着いてお話もできるかと思います。」
二人は、町を歩きながら宿屋を探した。
二人は、町を散策し、宿屋『癒しの風』にたどり着いた。
「いらっしゃいませ。お二人ですか?お部屋はどうしますか?」
宿屋の店員が出迎えてくれ、どのように宿泊するか聞いてきた。
「二人一部屋にお願いします。一泊いくらですか?」
「二人一部屋ですと、一泊500ルクスです。何泊されますか?」
「じゃあ、とりあえず5泊お願いします。これが代金です。」
九麗亜は、金貨を一枚カウンターに置く。店員はそれを受け取り、おつりとして銀貨75枚をカウンターに積む。九麗亜はそれを受け取りポーチにしまう。
「それでは、お部屋はこの番号の部屋になります。また、食事は併設されております食堂で摂ることができます。この鍵を見せると半額でお食事できることができますので、お忘れないようお願いします。それでは、ごゆっくり。」
九麗亜は、鉤を受け取るとそこに書かれた番号の部屋に向かう。二階で窓がありソラールの街を一望できる位置にあった。また、ベッドも質のいい布が使われており寝心地がよさそうだ。しかし、ツインではなく、ダブルのベッドが一つ置かれただけだった。
「さて、ミーリンさん。私たちのこれからを話し合いましょう。まず、私のことを話すわね。
まず、私はこの世界の住人じゃないの。私は別の世界で死んで、女神さまに転生させてもらって、この世界に来たんだ。それから、あの森であの騎士たちと一緒に戦って、ここまで来た。あとは知っての通りだよ。」
九麗亜の説明をミーリンは静かに聞いていた。そして、
「...そうでしたか。壮絶な人生ですね。しかし、その女神さまに感謝しないといけませんね。その女神さまがご主人様を転生させなければ、私はあのならず者どもの慰み者になっていたでしょうから。前世がどのようなものだったかはわかりませんが、私の前に現れてくれてありがとうございます。」
ミーリンは、拝むように手を組み九麗亜に向き合う。
「そんな大したことじゃないわよ。それより、今度は、ミーリンさんのことを教えてほしいな。」
「わかりました、ご主人様。しかし、一つお願いがあります。」
「ん?なに?」
ミーリンの質問に九麗亜は首を傾げ反応する。
「...私のことは、呼び捨てにしてくださいませんか?」
頬を赤らめ言ってきたミーリンに九麗亜はノックアウトされ、
「ミーリンさん。ひとつ言い忘れていたことがあるわ。私はね、女の子が好きなの。そんな仕草をすると、私は我慢できなくなるんだよ。」
そう言って、九麗亜はミーリンをベッドに押し倒した。その後しばらく、少女の嬌声が部屋を満たしていた。




