九麗亜のステータス
九麗亜が見た、自分のステータスは、
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クレア・ホウフク
Lv 10
AT 120
DF 110
MA 150
MD 130
SP 90
IN 80
HP 150/150
MP 180/180
SKILL
回復魔法 (MAX)
言語理解 (MAX)
支援魔法 (8/15)
収納 (0/1000)
杖術 (2/20)
短剣術 (3/30)
鑑定 (MAX)
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となっていた。
「うわぁ、まるでゲームみたいですね。」
「そうですね。そのイメージで問題ありません。ステータスの数値としては、
ATは、いわば攻撃力です。または、筋力値とも言いますね。大きければ大きいほど、攻撃力が上がり、重たいものが持てるようになります。
DFは、防御力です。この数値が高ければ、ダメージを受けにくくなります。
MAは、魔法攻撃力です。この数値が高ければ、魔法の効力が上がります。たとえば、ファイヤーボールなら、大きな火の玉になったり、数が増やせます。回復魔法のヒールなら、回復量が上がります。
MDは、魔法防御力です。この数値が高いと、魔法に対して抵抗力が上がり、魔法が効きにくくなります。しかし、回復魔法や、支援魔法のバフは効果が落ちません。
SPは、速度です。これが高いと、その分素早く動けます。
INは、衝撃です。この数値が高いと、殴ったりしたときに、相手が吹っ飛んだりします。
HPは、体力です。これが0になると死にます。
MPは、魔力です。これがスキルを使うときに消費されます。
と、ステータスについてはこんなところですね。」
ウリアに説明された内容を、クレアは相槌を打ちながら聞いていた。そして、
「うん、完全にゲームですね。しかも、デスゲーム。」
九麗亜はため息をついた。話を聞けば聞くほど、ゲームの中にいるような気がしてきた。
「しかし、痛みもしっかりあります。あくまで、ゲームのような現実と理解してください。では、スキルの説明をしますね。
回復魔法は、その名の通り、けがや病気の治療、高レベルになれば、部位欠損や死者蘇生もできるようになります。また、基本的には、神官や僧侶といった職業の方が持つスキルとなります。あなたのスキルはMAXですので、死者でもよみがえらせることができますね。具体的には、死んで10秒くらいの人ですかね。また、汚染された土地や、水源なんかも浄化できるようになってますね。
言語理解は、先ほど伝えましたね。MAXですので、どんな言語も理解し、使いこなすことができます。
支援魔法は、自身や、味方のステータスを上げたり、、敵のステータスを下げたりするスキルです。
収納は、そのカッコ内が、あなたの収納できる種類の上限です。1種類の収納上限はありません。九麗亜さんの場合、1000種類の物品を収納できます。生き物は収納できません。収納と意識すれば目の前に黒い空間が現れます。そこに手を入れて、取り出したいものを思えば出てきます。また、収納したいものを近づければ収納されます。何が入っているか知りたいときは念じれば、リスト化されます。慣れれば、意識するだけで出し入れができます。
杖術は、杖で攻撃するときに、補正が入るスキルですね。このスキルがあると、杖で殴ったりしたときに、しっくりくる感じですね。
短剣術は、短剣による攻撃に補正がかかります。
鑑定は、対象の詳細なデータを知ることができます。対象のレベルが自分より高いとレジストされやすいですが。
回復魔法と支援魔法は、もう頭の中に呪文がインプットされているはずです 。
こんな感じですね。どうでしょうか?」
ウリアの説明を九麗亜は、途中から、頭の上にはてなマークを浮かべている。
「まぁ、このあたりに関しては、実際に試してもらうほうが納得しやすいかと思います。あなたは、とある森に転移します。そこからは、九麗亜さんの思うがままに過ごして、生きて行っていただくことになります。あとは、あなたがこの世界で生きていくのに必要な最低限のものを送らせていただきます。」
ウリアが手をかざすと、九麗亜の前に、いくつかのものが出現した。
「それが、私から差し上げられるものになります。試しに、鑑定スキルを使ってみてはどうでしょう?対象のデータを見たいと念じれば発動しますので。」
ウリアに言われて、九麗亜は鑑定スキルを発動する。鑑定によりそれぞれの名前と説明が表示される。
・白樫の杖…樫の木で作られた長杖。駆け出しの魔法使いがよく用いる杖。魔法攻撃力が上がる。
・アイアンダガー…鉄でできた短剣。攻撃力が上がる。
・ポーチ…収納魔法がかけられたポーチ。内容量100L
・金貨…グラムノーツの共通貨幣。金貨一枚で10000ルクスの価値がある。銀貨100枚で金貨一枚。
・銀貨…グラムノーツの共通貨幣。銀貨一枚で100ルクスの価値がある。銅貨100枚で銀貨1枚。
・銅貨…グラムノーツの共通貨幣。銅貨一枚で1ルクスの価値がある。
・シルクローブ…絹で作られたローブ。魔法防御力が上がる。
・チュニック…一般的に着られている普段着。
・ボーンバングル…骨でできた腕輪。魔法防御力が上がる。
・シルクスカート…絹で作られたスカート。魔法防御力が上がる。
・ショートパンツ…一般的に着られている普段着。
・レザーブーツ…皮で作られた靴。
・布の肌着…女性用。ブラ、ショーツ、靴下のセット。
となっていた。そのうち、
・金貨20枚。
・銀貨20枚。
・銅貨20枚。
・チュニック5着
・ショートパンツ5着
・布の肌着5セット
それ以外はそれぞれ一つずつとなっていた。
「へぇ、これが鑑定スキルなんですね。大体わかりました。もうここで着替えていきます。いいですか?」
「かまいませんよ。準備できたら声をかけてください。私は転移の準備をしておきますね。」
ウリアは、少し離れたところで魔方陣を展開し始めた。九麗亜は今着ている服を脱いで、先ほど渡された服と防具を付けていった。そして、着ていた服をポーチにしまった。
彼女の姿は、薄いエメラルドグリーンのハーフアップ。身長は155センチ。アイボリー色のチュニックの上に純白のシルクローブを羽織った。ショートパンツをはき、その上からシルクスカートをはく。足には、レザーブーツを履いている。ゆとりのあるシルクローブの上からでもわかる胸に、シルクスカートから伸びた細い足。どこからどう見ても美少女だった。
「準備できましたよ。って何してるんですか?ウリアさん。」
着替えを終えて、ウリアに声をかけようとした彼女を、ウリアは少しうるんだ目で見つめていた。しかも、九麗亜が声をかけるまで気が付いていないようだった。
「はっ、すみません。とても素敵だったので見とれてしまいました。それでは、残りのものを収納してください。あ、武器は手に持っていてくださって構いませんよ。」
九麗亜は、金貨や銀貨などと、服の残りを収納ポーチに収納した。そして、白樫の杖を右手に持ち、アイアンダガーを鞘に入れたまま、シルクスカートについているベルトにぶら下げた。
「準備ができたようですね。それではこれからグラムノーツに転移します。この魔方陣の上に乗ってください。」
ウリアに言われるとおりに、魔法陣の上に乗る九麗亜。九麗亜が魔方陣の中心に立つと、ウリアが、
「それでは、九麗亜さん。短い時間でしたが、楽しかったですよ。これから、第2の人生が始まります。今後、死んでもその時は輪廻の輪に戻ることになります。死なないように、人生を謳歌してくださいね。」
ウリアは、送りの言葉をかけ、魔法陣を発動させた。足元の魔方陣が光ると、足からどんどん消えていく。
「ウリアさん。ありがとうございました。第2の人生。楽しんでみます。」
ウリアの言葉に返事をして、九麗亜は、異世界グラムノーツに旅立った。