私は幽霊さんですよ〜
さてさて。…どうしよ、この状況。
私は剣をこっちに向ける騎士団長さんと向かいあっております。
何回きりかかられたことか…。
「なんなんだ、お前は。なぜ、剣が聞かない。魔物か。だが、人型、しかも完璧に擬態できる魔物など聞いたことが…」
先程から、私で実験し始めてる気がしてますよ、団長さん…
私は魔物じゃないんだってば…
『あのー、そろそろ、話し合いましょう?話せばわか、るとは言いませんが、私に攻撃は聞かないみたいですし、ね?』
「魔法的な力は感じていない、とすると、防御壁等を纏っているわけでも…」
…はい、聞く気なし、と。
『おにーさーーん。たいちょーさーん。そろそろ私とお話しましょー?無駄だからー。攻撃聞かないみたいだからー。』
私はとりあえず隊長さんに近づいて周りをぐーるぐる。
「えぇいやめろ!気が散る!」
隊長さんが怒っちゃったwでもでも
『話聞いてくれないからー。』
わたし悪くない!
「ハァ(o´Д`)=зとりあえず、お前に攻撃が聞かないのはわかった。だが、そのままにする訳にも行かん。牢まで着いてきてもらおうか。」
『えー!!てか、私を牢に入れてもすり抜けちゃいますよ!?』
「…一体何者なんだ君は!!!」
『私に逆ギレされても…』
会話にならない困ったなぁ。
ガサガサ、ガサッ
「隊長?こんな所で何してるんですか?グラン副隊長が探してましたよ。」
あ、ナギさんだー
「ナギか、ちょうどいい、そこの女を捕ま得る方法を考えろ。」
「は?女?」
ナギさんはキョロキョロ。うーん、見えてないんだろーなー。
「…隊長、女なんてどこにもいませんよ?」
「お前の目の前にいるだろう!何を言っている!」
「いやいや、白薔薇しかないですって!なんすか!隊長疲れてるんすか!?」
ナギさんめちゃくちゃ困惑中。あれは可哀想ww
『あのー隊長さん、多分見えてませんよー。私幽霊ですからー。普通見えないんです。隊長さんが見えてることの方がおかしいんですよー。それ以上言い張るとほんとに頭おかしい人として病院行きだと思います。』
「びょういん?がなにかわからんが、そんな馬鹿な話が…」
睨むように私を見ていた隊長さんはナギさんをチラ見。
ナギさん、すごーく心配そうな顔で隊長さん見てます。あれは絶対病気だと疑ってます。
と、いうか、病院ないんでしょうか?名前が違うとか?
『えーと、なんて言うんでしょう?病気とか怪我とかの治療をしてくれる場所なんですけど、治療院?とかですか?』
「ちりょ!?!?」
うん、隊長さん私と声に出しておしゃべりしてるから、余計心配されてるなぁ…
『後、隊長さん、私の声普通誰にも聞こえません。』
「は?」
『私は姿が見えなければ、声も聞こえないんです。気配もおそらくないのでしょう。何もいないところに人がいるという男の人を周りはどう観るか、考えてみてくださいな。』
「…!!!!!」
隊長さん、理解したみたいねー。
しかたない、一肌脱ぎますか!
私はナギさんにスーッと近づく。
「おい!」
「隊長、ほんとにだいじょ…」
そしてナギさんに、in!
『さて、これで私と喋ってても違和感ありませんね!』
(゜д゜)
隊長さん、理解が追いついてるのかなあれ。
ちなみに、前話で風に飛ばされる描写ありましたけど、チキは飛べます。人だった頃の記憶や常識が原因で飛べると思ってないだけです。そのうち、飛び始めるのではないでしょうか。でないと、建物の2階とか登れませんからね、チキちゃん。