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永遠屋  作者: 青鳥
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第一話 決意

ある…中学生くらいですかね、少年がいたんです。そうですねぇ、仮に…A君としましょうか。そのA君にはとても仲のよい友達…大親友とも呼べるような友達がいたんです。仮に…B君としましょうか。彼らはとても家が近く幼い頃から一緒に遊んでいました。ですから同じ幼稚園に入り、同じ小学校に入学し、偶然にも六年間同じクラスでした。そして当然のことのように同じ中学校に進学しました。そこでもまた同じクラス、同じ部活に入りました。そんな中学校生活が始まって三ヶ月位たった頃からB君が土・日の部活を休むことがたまにあるようになったんです。A君は疑問に思いB君に何故部活を休んでいるか聞いてみました。B君は、家の用事だよ、と答えまたA君もそれを信じ気にも止めていませんでした。しかしそれから十日くらいたった頃でしょうか。B君は平日の部活まで休むようになったんです。さすがにおかしいと思いA君はB君を問いつめてみました。しかしB君は、家の用事、としか言わなくそれ以上なにも言わなかったんです。A君はおかしいと思いましたがこれ以上問いつめても意味がないと思いあきらめました。

そしてそんなことがあってから二週間くらいたった頃でしょうか。B君が学校にこなくなってしまったんです。不信に思ったA君は担任の先生を問いつめてみました。その先生は、ただの風邪だ、とだけ言い他にはなにも言いませんでした。A君も疑ってはいたものの担任の先生の話を信じることにしました。しかしそれから一週間たったある日の朝のことでした。その先生はクラス全員にこう告げたのでした。

「B君が入院しました」って。

A君は驚きが隠せないようでした。当たり前ですよね、風邪だって聞かされてたんですから。A君は驚き、混乱しながらもその先生に一つ質問しました。何故入院したのか、って。先生は黙っていましたがA君だけではなくクラスの皆さんも同じことを聞き始めたので先生は根負けしたように皆さんに告げました。

……B君、「白血病」だったそうです。これにはうるさかったクラスの皆さんも一気に黙ってしまいました。特にA君はその日の授業を全て半ば放心状態で受けるほどショックが大きかったようです。

そして、全ての授業も終わりクラスの皆さんも帰宅する人や部活に行く人がでてきた頃A君は何かを思い立ったかのように走り出しました。向かった先は「職員室」です。担任の先生なら何か知っているだろう、と思ったんでしょうね。職員室の前についたA君は上がった息を整えて意を決したように、失礼します、と言って入り一直線に担任の先生の元に行きました。そしてA君は周りにいる先生方にも聞こえるような少し大きい声でこう言いました。


「B君の入院先の病院を教えてください」


それを行った瞬間周りにいた先生方の視線が一気にA君に集まりました。A君は気づいているのかいないのか分かりませんがA君は頭を下げて、お願いします、と繰り返していました。当の先生は、ただでさえ言いにくいことなのに周りの先生方の視線が集まっていることもあって答えあぐねているようでした。

そんな時、近くにいた教頭先生が二人に近寄ってきてA君に言いました。君たちが仲が良いのは分かるが教えられることと教えられないことがあるんだよ、そういうとA君に部活に行くよう促し、A君も相手が教頭ということもあってしかたなく職員室からでていきました。しかしA君は諦めたわけではなく、ある一つの決意を固めていたのでした。



『自分で探してやる』と。

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