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永遠屋  作者: 青鳥
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プロローグ 永遠屋

永遠の命、永遠の美貌、永遠の友情……人はやたらと『永遠』という言葉を使いたがりますよね。完全な永遠なんて存在しやしないのに……。でも、もしもそんな『永遠』が手に入ったらあなた…どうしますか?

……「今、自分で永遠なんて無いって言ったじゃないか」そうですか。私はそんなこと言ってませんよ。私は『完全な永遠』なんて存在しない、そう言ったんです。だから私がみなさんに提供しているのは


『不完全な永遠』です。


それでも買いたがる人は結構いますけどね。『永遠』には勝てないんでしょうね。……「そんなことをしているお前は……誰なんだ!?」ですか。すいません名乗り遅れました。私、『永遠屋』と申します。詳しくはこの名刺の裏に書いてあります。どうぞ。


そうですねぇ。あなたまだ半信半疑でしょう。私はですね『永遠』を欲している人の前だけに現れるんですよ。あなたにも思い当たる節があるでしょう。「永遠が欲しい…」とか「時間が無限にあったら…」とか考えていたでしょう。…その顔は図星ですね。話を戻しますが、私は『永遠』を欲している人の前に現れて『永遠』が本当に必要か聞くんです。必要なかったらそこで終了、もうその人の目の前には二度と現れません。

『永遠』が必要だった場合は日時を指定していただいてその日から先を『永遠』にさせていただきます。そうすると私は目の前から消えます。それで契約完了です。まぁ私は契約した人をずっと監視していられるんですけど。

しかし『永遠』を体験して必要ないと感じ返品するなら「永遠などいらない」と考えていただければ私が現れ、確認をとらせていただきます。そこで、必要ない、と答えていただければ契約解除、私は二度と現れません。


……あなたまだ疑ってますね。まぁ今までの人もそうでしたがね。それではいつも通りにさせていただきます。

ここまで話しても完全に信用しない方には特例で前回の顧客の『永遠』を借りたときの話をしても良いことになっているんです。特例と言っても今まで使わないで信用していただいた人は数えるほどしかいないので、私の中ではこちらが普通でむしろ使わなかった時の方が特例と感じていますがね。


……今から話そうと思うんですがね、前回の人、『永遠』を返却してきたんですよ。しょせんは不完全な『永遠』ですから……。

ですから今から話す話は「結果」より「過程」を聞いてあなたに『永遠』は必要か不必要か決めていただきたいと思います。では話させていただきます。

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