ダーク・ハロウィン
あれ? 普通のハロウィンの話を書くはずだったのに…。
なんかわかんないですけど、変な作品に仕上がりました。
カニバリズムの話であり、意味がわかんない作品です。
読んでいて、「大丈夫か?作者w」ってなると思います。
しかし、大丈夫です。 もともと数本ネジが飛んでるのでw
では、どうぞ。。。
「ごきげんよう、 諸君」
「今回、君たちをパーティに呼んだのにはいくつか理由がある」
「まず一つ目、 僕が君たちをあまり好いていないということ」
「二つ目、 僕の気分を、今までに一度でも損ねたことがあるということ」
「三つ目、 それを反省せず、金魚の糞みたく僕の周りにいつまでもいるということ」
「よって、君たちには死んでもらうことにする――――――――――」
+ + + + + + + + + +
さて、僕は言わずと知れた金持ち。
産まれた時から、この高校3年生になる時まで、
一度たりとも、“金”というものに困ったことなどない。
むしろ、金が多すぎて困ったことならば嫌というほどある。
学校に通う。 知り合いに金を縋られる。
ちなみに、僕には本当の友達というものは存在しない。
だけど、僕の周りは、常に人が取り囲んでいる。
何故かと言えば、 単純に“僕=財布”だから。
歩く財布。 他人にとっては都合がいい。
僕は、頼まれれば何でも買ってやる。
お菓子だって、ゲームだって、何だって。
欲しいと言われれば、金で買えるものなら与えよう。
代わりに、僕には絶対的な権力をくれたまえ。
僕は君に金を払うから、君は僕に権力をよこしなさい。
――僕は君という人間を、金で餌付けする。
金で買えないものはない。
これは、あだ名が「坊ちゃん」である僕が断言しよう。
実際、金で困ったことなど一度もない。
僕は昔病気だった。
心臓が破裂寸前まで膨れ上がる病気で、
医者には「死を覚悟した方がいい」と言われた。
しかし、お父様が金で解決をした。
よって、命は金で買える。
そして、友達だって金で買える。
本当の意味での友達は無理かもしれないが、
そもそも、僕にとって、金持ちにとって、
“本当の友達”という名のゴミはいらないものである。
所詮、人間なんて金の亡者。
僕が金持ちだということを知った途端、目の色が変わる。
だから、僕には信用できる人間がいない。
逆に言ってしまえば、必要じゃなくなった人間は廃棄処分。
僕にとっては必要ない。 じゃあ、この世に存在する価値はない。
――この世界は、世界一の金持ちである僕が中心で廻るべきだ。
よって、僕は君に「死刑宣告」をしてあげよう。
さて、ここからが本題だ。
今回、僕の機嫌を損ねたやつは32人。
前回、7月16日に行われたパーティ。
僕主催の[ホラー・パーティ]に参加した人数は56人だった。
皆、綺麗に首を吊ってお亡くなりになられた。
今回は、斬首刑にでも処することにしようか。
毎年、数回開催される僕主催のパーティ。
これに参加する者には“あの世への片道切符”を意味する招待状が送られる。
今回は、クラスメイトや、僕に敬語を使わなかった学校の先生。
そして、お気に入りの皿を割りやがった料理人に、使えない執事。
そんな感じで、僕が[ホラー・パーティ]から今に至るまでで、
一度でも『気に入らない』と思った人間をこの[ハロウィン・パーティ]に招待した。
さて、あいつらはどんな声で泣き叫んでくれるのかな? 楽しみだ。
今まで、散々僕を「親の七光り」だの「ボンボン」だの、
ナメた口をきいてきた人間や、媚を売ることしかできなかった人間が、
僕の従える絶対的な権力によって死に至るわけで、 実に最高である。
まぁ、安心してくれたまえよ。
残念ながら、僕は捕まることが絶対にないから、
いいや、例え、捕まったとしても金があれば刑務所から出られるし、
そもそも金で殺人をなかったことにすれば、何の罪も問題もない。
僕は今までもこれからも、健全で真っ白な、ただのお金持ち。
だから、君が死んだことは誰も知らない。
きっと、君の周りの人間だって行方不明だと勘違いすることだろう。
人間、蒸発したっておかしくないんだから。
だから、安心して死んでくれたまえよ。
僕にも君にも罪なんてものは始めから存在しないんだから。
いいや、 いっそのこと、君の存在自体を始めから無かったことにしてあげようか?
戸籍から消せば、そもそも君はこの世に生を与えられていないことになるから。
まぁ、それくらいは選ばせてやってもいいが、
残念ながら、選択肢が欲しければ、金をよこせ。
この世は、金が全てなんだ。 生きるのにも死ぬのにも金が要る。
まぁ、君の場合、葬儀代が浮いたんだから、
逆にその葬儀代分くらいは感謝してほしいんだがな。
それに、今まで散々僕から毟り取ってきたんだ。 それくらいはし給えよ。
もし、それができないというのなら、何も言わずに死になさい。
首を切られて、僕の食卓に並びなさい。
僕の好物は、僕が嫌ってきた人々なんだ。
おいしく味わってあげるから、迷わず死になさい。
舌触りがたまらないんだ。 血の味が忘れられないんだ。
僕がお前に食わせてやって餌。 お金で僕が餌付けしてきた。
この日の為に、 君という人間を僕好みに育ててきた。
だから、安心して僕のお腹へいらっしゃい。
あぁ、今日という日は、なんと素晴らしい食事会だろうか。
要するに、あれですよ。
自分の力で生きようねって話。
金持ちには変な思考を持っている人もいるから。
まぁ、金持ちに限った話じゃないけどね、、、
人は見かけによらない。って昔から言うでしょ。
そんな感じのことが言いたかったわけだよ(笑)