1/2
プロローグ
約束とは、儚いものだ。
「ずっと一緒にいるよ!」
幼い頃に君と交わした約束。
私は、小さかったとはいえ、その約束を信じていた。
信じきっていた。
約束は、破られるはずがない、と。
「ゆびきりげんまん、うそついたらハリせんぼんのーます!ゆびきったぁ!!」
無意味な指きり。
形だけの約束。
中身なんて、なかった。
そんな『指切りをする』という行為だけで、この先もずっと一緒に居れるのだと勘違いしていた。
所詮、誰も『ずっと』は一緒に居てくれない。
それどころか、ある日突然、そこには元々誰も居なかったかのように、消えていく。
そんな空虚なものを運ぶものが『約束』だというのなら、
私はきっと誰かと約束を交わす、という行為を一生しないだろう。
もう一度、言おう。
約束は、儚い。
『ずっと』はない。
なぜなら、どちらかが先に必ず死んでしまうからだ。