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07.帰り道~君との思い出~
今、私と直輝はいつもの帰り道を歩いている。
夕焼けが空を綺麗にオレンジ色に染めていた。
あの後、体育館に戻ったら、バスケ部の顧問から
「入部するなら、今日は帰れ」
と言われ、直輝はそこで入部が決定した。
ちなみに、隼くんと奏多くんも私たちがいない間に、
入部したらしい。で、今日から部の練習に参加していた。
中学の時もバスケ部だったこの3人。
これで、高校でも続けることになった。
莉沙と心は「先に帰るね~」という置き手紙があった。
という事で、今は、私と直輝の二人きり。
さっきの事もあって、私は直輝の顔が見れずにいた。
そして、長く続く沈黙。
だが、直輝が
「懐かしいな」
と、静かに呟いた。
『何が?』
「いや、今日みたいな夕日の一年前もお前と見たなぁーと思って」
『あぁ!思い出した!!
「高校が一緒だ!」とか言って、
テンション上がって、二人で町に出たんだっけ?』
「そうそう。なんか、結構、遊んだよな?あん時。」
『だね。でも、すっごい楽しかったね?』
「あぁ」
直輝、また二人で遊びに行こ?
そんな事を思った帰り道だった。