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夏の雪  作者: sakura
~高校生活~
3/28

03.高校生活~入学~

4.8mon

Am6:00

ピピピ、ピピピ、ピィィィー バンッ!


ん~、眠っ…。

って、アカン!!

入学式から遅刻とかあり得ないから…。

今日、白汐 結希奈、高校生になります!


よし!制服OK!髪型OK!我ながら完ペキ! キラッ

さて、準備はできたので、出掛ける前に。


『おはよう。お父さん、お母さん。

高校生だよ?すごいでしょ?えへへー。

じゃあ、今日も元気に頑張るねっ』


真っ青な空に挨拶をする。

父と母は、外国に行ったと聞いている。

私が、小学生3年くらいからだそうだ。

それからは、叔父と叔母に育ててもらっている。

まぁ、朝のこの挨拶は、小学生からの日課みたいなもの。

正直言うと、私は本当の父と母の顔は覚えていない。

最初は、寂しいと思う事もあったけど、今は大丈夫。

絶対にいつか会えるって、信じてるから。それに私には、


『いってきまーす!』


「「いってらっしゃい」」


この二人がいるから。なによりも安心できている。




『おはよう』


「よっ、お前が寝坊しないなんて、珍しい事もあるんだなぁ~」


『うるさいなー』


家の前で待っていた彼。彼は、七河 直輝。

紺色っぽい髪に、すっきりとした顔。

身長は、186㎝くらい。

まぁ、普通にイケメンと呼ばれる人なのかな?

あまり、意識をしたことがないので、分からないけど…。


直輝と仲良くなったのは、一年前。

進路が、同じ高校という事で話すようになった。

しかも、直輝の家は、私の家の隣の隣だった。

直輝は、遅刻をしやすい私のために、毎日迎えに来てくれる。

おかげで、去年から遅刻が0になった。


「お前が、ちゃんと起きるなんて“なんか”あるんじゃねぇの?」


『“なんか”って、何よ!これから、ちゃんと起きようって思ったの!』


「へぇ~。まぁ、今日は嵐だなぁ…」


『何、切なげに言ってんの?!訳分かんない!!』


「お前が、ちゃんと起きれるようになったら迎えに行けねぇじゃん…」


『なんか言った?』


「別に。誰かさんの鈍さに感心してた」


『???』


もーう、ニヤニヤして。なんかムカつくなぁー。

直輝は、いつもこうだ。小言の一つ二つ、言わないといけないみたい。

それを向けられるのは、いつも私。

確かに、寝坊はするけど…

人が努力しようとしたら、すぐバカにする。

もういい!考えない。考えない。


『そうだ。直輝って、新入生代表の話だっけ?』


「あぁ、そうだったなぁ。」


『嫌そうな顔~』


「だって、嫌だも」


『即答はダメでしょ。』


「ま、これが実力だよ?二番手さん」


そう、直輝はこんな感じだけど、頭が良い。

テストをやると、直輝が一番で、私がいつも二番。

未だに、直輝の壁を越えたことはないなぁ。なんか、地味に悔しい…。

そんな事をしていると、二人の女の子がやって来た。


「おはよう」「おっはー」


『おはよう。心、莉沙』


二人は、私の親友。同中で、これから三年間も一緒。

心は、黒いショートボブの髪に、とろんとした目。

笑うとできるえくぼが可愛い。

そして、雰囲気がほわぁ~としている。

癒しキャラみたいな感じ。性格は大人。

すごく普段は優しい。でも、一度キレると怖い…。


莉沙は、心とは違い、イマドキの女の子って感じ。

長いふわふわのロングヘア。

ぱっちりした二重の目に、無駄がない顔のライン。

かなりの美人さん。

性格は、ちょっとツンデレが入ってるけど、普通の女の子。


莉:「あれ?初日から、一緒に登校ですか?仲良しさん」


心:「ホント仲イイよね。もうすぐ、手を繋ぎだして…」


莉:「段々と私たちの居場所がなくなっていく。って感じ?」


心:「そうだね」


『そんなんじゃな~~~~い!!!!』


心:「え?違うの?」


莉:「違わないでしょ」


『あり得ないよ。絶対!』


「「な~んだ。残念…。」」


二人は、こんな感じ。

全く、もう!直輝と私がカレカノ?ないない。絶対ない。

まず、あり得ないでしょ?考えてごらんよ!直輝はさぁ~



「莉沙、ゆきが変」


「ホント忙しい子だよねー」


「ゆきらしいけどな」


「「うんうん」」


こんな事を考えている私の耳には、三人の会話は入ってこなかった。



何がともあれ、学校に到着。

やっぱ、高校は広いなぁ。って、感心してる場合じゃない。



『まずは、クラスを確認しなきゃね』 


「三人一緒がイイよね」


「私も、莉沙とゆきと一緒がいぃー!!」



数分後―


『んーと、白汐…白汐…』


「あ、あった!ゆきも莉沙も一緒だよ!」


「あ、ホント。三組だよ?ゆき」


私と莉沙、心は1‐3で同じクラス。


『やったー! また一年、莉沙と心と一緒!』


すると、直輝が近付いて来て、


「あれ?お前も三組?」


『あ、うん、そうだよ?』


「ふーん。と、まぁ、俺も三組」


『へぇ~ え?!』


「ついでに、隼と奏多も三組」


「よろしくな!ゆき」


「よろしくお願いします」


『よろしくね!二人とも』


隼くんと奏多くんは直輝の友達。

隼くんは、子供っぽいけど爽やかで、

運動神経抜群。

それで、女子からの人気は半端ない。


奏多くんは、クールでいて、すごく優しい。

みんなへの気遣いができるし、

莉沙いわく‘敬語でやられる女子が多い’らしい。

だから、この人も女子からはモテる。


ちなみに、私たち6人は同中。

だけど、クラスが全員一緒なのは、初めて。だが


莉:「はぁ~?! なんであんたと同じクラスなのよ!!!」


心:「莉沙。落ち着いて…」


隼:「うるせーぞ。莉沙。俺だって、嫌に決まってんだろ?!」


またやってるよ…。あの二人。


奏:「はいはい。隼、行きますよ?」


直:「置いてくぞーー」


隼:「て、うぉい!!待てって!」


莉沙と隼くんは口げんかが絶えない。

目が合えば、けんか。すれ違えば、けんか。

けんかばかりするので、

中学ではかなり有名な二人になっていた。

そんな二人を止めるのは、私たち四人。

ま、莉沙も隼くんも本気でけんかしてないって、

分かってるからいいけど…。


それは、今は置いといて。

とりあえず、あの方たちは、

単体でいてもかなりのイケメン。の三人がつるんでいたら、

女子たちが放っておく訳ない。

三人が動けば

「何、あの人たち!!」「めっちゃ、イケメン!!」「超ヤバいじゃん」「てか、誰?あれ」

こんな話題で、持ち切り状態。

これに巻き込まれると、マズいので、一足先に教室に向かった。



-教室にて-


「ほっんと、ムカつく!!!」


莉沙は、隼くんを何故か敵視。


『まぁ、莉沙。落ち着いて?』


「ゆきは、思わないの?」


『…何を?』


「隼がムカつくって」


『ん~。ないかな。ね?心?』


「そうだね。ちょっぴりあるけど、莉沙ほどじゃないよ。ね?ゆき?」


『うん』


「あぁ、もうなんなのよー!二人して!!」


莉沙さん。あなた完敗です(笑)


噂をすればなんとやら、

人が教室に向かってくる感じがしてきた。

廊下は、人でいっぱいになりつつある。

お?あれは、男子かな?

先輩っぽいなぁ、あの人達。

って、おいおい。大丈夫か?ここの学校…。

教室にいた人たちも「まさか、来たんじゃない?」「噂の三人?」「絶対来てるよ!!」

とかなんとか言って、騒ぎ始めた。


「賑やかだね?」


「嬉しくない」


『ちょっと、莉沙…』


「だってさぁ…」



キァァーーーーー!!!!



莉沙の言葉は、絶叫に消えていった。そして


ガラッ


いつも通りに(←今日が初日です)

何事もなかったように教室に来た、この三人。


直:「すごいな。高校って」


隼:「あぁ、人数半端ねぇし。なんか、疲れたぁ」


奏:「確かに。でも、隼?歓迎されてるんですよ。なので、そんな事言わない」


隼:「はいはい」


席に着くなり、愚痴と自慢。

奏多くん。こんな歓迎されるのは、あなたたちだけです…。

天然っていうか、なんというか。

責める気にもならないなぁ。

心も気にしてないみたい。だけど


「あんたたちねっ!!!

朝っぱらから、うっさいの連れてこないで!!迷惑。

中学の時からじゃない!!

少しは、直しなさいよね!

それに、こんな歓迎されんのあんた達だけだから!!!」


莉沙がキレた。

大波乱の高校生活がこの瞬間、幕を開けました…。


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