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01.プロローグ
初投稿です!書いている私が、ドキドキしてます。色々な意味で(笑)読者の皆様に、「楽しい」「続きが見たい!」と思っていただける作品にしたいと思っています!よろしくお願いします。
誰もが普通に過ごしていたある夏の午後。
「非現実的だ」と思っていた音。
もし、あったとしても俺の周りじゃ、
あり得ないと思っていた音。
そして、平穏には全く似合わない音が、
幼い俺の耳に儚くも、残酷に鳴り響いた。
キキキィィィィーーー
バンッッ!!
轟音とともに、雪のように俺に降り注いだ赤い液。
助けを呼ぶ誰かの叫び。
泣き狂ったあいつの声。
力尽きた蝉が木から落ちていく小さな音。
まるで、俺の世界だけ止まったようだった。
あいつは何も覚えていない。
俺の存在も、親の存在も。
全て消えたんだ―――。
あの日さえなければ…………