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魔術決闘・後編「シンバとの別れ」

シンバとドリューの説明を聞き、

エヴァの状況を理解するモロ。


「よ、よかったぁー。」


力が抜ける。


「まぁ、依頼を達成し続ければ…

 君の下部組織に賞状が送られるだろう。

 そうすれば、晴れて独立だ。」


「ほー!」


目を輝かせるシンバ。


「ただし!依頼を受けておいて、

 失敗…なんてことが続けば…

 賞状なんて、夢のまた夢だ。」


「ガーン!」


急に項垂れるシンバ。


「いや、それも覚悟の上だ!」


首を振り、ドリューと向き合う。


「まぁ、色々あったが…

 あんたに教えてもらったことや…

 この店で得た経験は…ぜってぇ忘れねぇからよ。」


賞状を見つめ、少し恥ずかしながらそう答える。


「しかし、ふふっ。エヴァを口車に乗せて…

 判断を鈍らせるなんて…

 実に君らしくてせこ……ごほん。

 素晴らしい闘い方だ。」


「はぁ?

 あんたの教育にのっとった闘い方だっつぅの!

 まぁ実際…

 こいつが魔術を使うのがもう少し遅ければ、

 上着を脱いで逃げるなんて真似…

 できなかったけどな。」


「ナイフを投げながら間合いを詰めてる時なんて…

 内心ビクビクだったぜ!」


「あぁ…よく見えていたよ。」


談笑をする二人のもとに突然



「お前ら!何してる!」


衛兵のワッペンをつけ、

白いローブに身を纏った男たちが

こちらに向かってくる。


「やっべぇ!そろそろお暇か!

 じゃあなドリュー!エヴァ!また会おうぜ!」


にこやかに手を振るシンバ。


「うむ。また会おう!」


ドリューも今日見た中で、一番の笑顔で振り返す。


「それと、モロ!……坊主の方がしっくりくるが、

 まぁいい。頑張れよ!」


シンバの無邪気な行動に、

衛兵に追われていることなど

忘れてしまいそうになる。


「はい!」


大きな声で返事をするモロ。


ヒュンッー


シンバは透明になり、姿を消す。


「それじゃ、

 眠っている大きなお姫様をどうにかするか。」


ドリューは笑顔から反転し、冷静な目つきに戻る。


すると、彼の右手に魔力が宿る。


数字のような記号?を描き、彼女の額に当たる。


スーっ……


エヴァの体がどんどん小さくなっていく。


「な、なな…な。何を…?」


「驚いている暇はないよモロ。さぁ、こっちだ!」


小さくなったエヴァの体を優しく手で包み、

もう一方の手で再び記号を描く。


すると、


シュワァーー


白煙が広がる。


「待てー!……げほっ、げほっ!」


白煙を手で払いのける衛兵達。


「チッ。逃したか。おいお前たち…

 こんな街のど真ん中で

 魔術決闘をしたバカは誰だ?」


酒場で隠れるお客たちに事情を聞く衛兵達。


「シンバ!」


「シンバだ!」


「あぁシンバだ!」


酒場のお客たちが一斉に、

口々にシンバの名前をあげる。


「もう一人は?!」


一呼吸おき…


「俺!」


「いや俺だ!」


「違う、俺だ!」


呼応するかのように、自分だと主張するお客たち。


衛兵たちは呆れ顔でため息をつく。


「もういい!次やったら承知しないからな!」


そう言って、魔術決闘によって壊れた石畳や、

建物の壁を、次々に魔術で修復していった。

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