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幕開け

目を開けると、目の前は灰色の空だった。

俺がどこかに恨みを買ってここに連れてこられたのか?という、どうでもいい妄想をしながら体を起こすと妙に軽い。

不思議に思い手を見るとそれは、ガリガリに痩せた小さな手だった。

どういうことだ?俺の手は大人の大きい手はずだが?この手は栄養が行き届いていない子供の手じゃないか。

そう思った瞬間、とある少年の6年分の記憶が頭に流れ込んできた。


その少年の名前は分からない。誰かが少年の名前を呼ぶと名前の部分だけノイズが走っしたためだ。

年齢は6歳で孤児。

そして、時代は1800年代。

5歳の春先まで親、兄弟がいたが流行り病で死亡。しかしアンダークラスで、父、兄弟は日雇い、母は売◯、をしていた。

そのため、遺産は父親のバックと数枚のコインだけ。

家は貸家を転々としていたため無い。

5歳の春先から3ヶ月前まで仕事があり、親兄弟が生きていた時にこっそり貯めた金と荷物運び先の肉屋の肉の保存方法を盗み聞きし、屋根裏にいるネズミを捌きそれで持ちこたえていたが、冬先で仕事がなくなり、食料も金も殆ど残っていなく少年は冬に耐えきれず死亡した。

そこに俺が入ってきたようだ。

まあ俗にいう憑依というものである。

それを悟るとなんともいえない気持ちになった。


まあ、そんな気持ちになっていても気持ちが沈むだけである。

とりあえず、情報をまとめるか。


まず、だいだい憑依先の少年の記憶をまとめて(上記の内容)


そこに俺の情報をまとめていく。


憑依先の少年

名前は不明(少年の記憶で少年の名前が呼ばれる時ノイズ音らしきものが流れるため)

年齢は6歳。

孤児


5歳の春先まで親兄弟がいたものの流行り病で死亡。アンダークラスで日々食べることで精一杯の家庭。

父、兄弟とともに少年は日雇いの仕事をし、母親は売◯をして生計を立てていた模様。

時代は1800年代ヨーロッパ(街並みから推測)のスラム地域


孤児となった少年は親兄弟が生きていた時にこっそり貯めた金と荷物運び先の肉屋の肉の保存方法を盗み聞きし、屋根裏にいるネズミを捌きそれで持ちこたえていたが、冬先で仕事がなくなり、食料も金も殆ど残っていなく少年は冬に耐えきれず死亡した。


そこに俺が入ってきた模様。


21世紀のとある会社のサラリーマン

年齢は37歳

趣味は読書でオタク?

くらいしか思いつくものがない。

そういえば前世ってほぼ仕事と趣味に捧げていたな。


所持品は父親のバッグと何枚かのコイン、着替えが一着、ナイフ

これくらいか?

バックを漁るとなにか硬い物に手が触れた。




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