表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
連関のストラーダ  作者: やせんちゅ
第1章【水の流れと風の始まり】
2/26

第1話【止まった風】

ざらついた土の道を、ひとりの少女が歩いていた。

黒い旅人風の服で身を包み、茶色のポーチを肩から掛け

短く切りそろえた黒髪が、小さく揺れている。


《夜空 憐花 (よぞら れんか)》。

あてのない旅を続けながら、紙飛行機を飛ばしている少女。


「……ふぅ。やっと、着いた」


見下ろした先に、小さな村が広がっていた。

田畑が整然と並び、石造りの家がまばらに建っている。

息をついたのもつかの間小さな違和感を感じる…


(風が……止まってる?)


村の風車は、羽を閉じたまま眠っていた。

水路に流れるはずの水も、干上がったまま音を立てない。


(この村……“流れ”がない)


足を進めるほどに、静寂だけが濃くなっていく。


人々は憐花に目を向けることもなく、ただ黙々と畑を耕していた。

誰も話さない。誰も、立ち止まらない。


彼女の足音だけが、かすかに空気をゆらしていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ