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美少女と鍵

「お会計5000円です。」

俺達は買い物を終えレジでお会計をしていた。

「ふ、2人分だと結構かかりますね…」結上が少し顔を強張らせて言った。

「いいよ俺が払うから」結上に作ってもらうのだしここは俺が払わないと、それに結上の懐事情は知らないが表情を見るに少し高いらしい。


スーパーから出ようとしたところで同じ学校の人が居たので俺は反射的に結上を隠した。

「どうしたんですか?」結上が後ろから聞いてくる。

「さっき同じ学校の人がいてさ、俺と結上が一緒にいるの見られたら結上は嫌だろ?だから隠した。」

結上は目をパチパチしながら「別に嫌ではないのですが」と言っていたがぶっちゃけ俺のほうが問題なので敢えてスルーする。

「だから荷物は俺が持つから結上は先に歩いて帰ってくれ、これが家の鍵だ。」

結上に鍵を渡して先に行かせることにした。

「分かりましたではまた後で」結上は鍵をぎゅと握りしめてはじめてのおつかいの子供のように家へと向かっていった。

しばらく待ってから「俺も行くか」夏樹も帰路へと着いた。


家に着き鍵を開けようとしたら開いていたので(不用心だな…)と思いつつ買ったものをしまう為キッチンへと向かったら「あれ、いつの間に帰っていたんですか?」ソファに座っていた結上に言われた。

「帰ってきたのはついさっきだな。あと鍵をきちんとかけておいたほうが身の為だぞ」

結上は少し不満げに「そこじゃなくって帰ってきたらただいまでしょ?」と言っている。

なるほどそういうことか、一人暮らしをしているとどうも抜けてしまうらしいな。「ごめん普段慣れなくてさ」

ふくれっ面の結上は「次回からは気をつけてくださいね」と「あっ、あと鍵お返ししますねありがとうございました。」こちらに家の鍵を差し出してきた。

「いや、いいよ鍵は持っていたほうが後々困ることもなさそうだし合鍵ならある」

「そういうことでしたら分かりました。」結上はカバンに鍵をしまっていた。

「あっごめんなさい立ちっぱなしで引き止めてしまって荷物はあとは私がやるのでソファでゆっくりしていてください」

(あっ荷物取られた)結上が俺から荷物を取りキッチンへと駆けていった。


「あのー起きてください」俺は誰かに声を掛けられている。

「ご飯出来てますよ、起きないなら私一人で食べます。」やっと意識が覚醒した。

瞼を開けたら結上の顔が近くにあった。

「んぇえ?」思わず変な声が出た。

「ふっ」結上が少し可笑しそうに笑っていたので「なんだよ」と少しトゲを持たせて聞いてみた。

「いえ別に何でもありませんよ寝顔がかわいいなーと思っただけです」

人の寝顔なんて何の意味が…そう思っていたら

「夏樹くんは授業なんて寝たことありませんから初めて見ましたよ」クスクス笑いながら言っていたが不意にピタッと止まり「ご、ごめんなさい勝手に下の名前で呼んでしまって…」結上は恥ずかしそうに俯いてる。

「いやそんな事別にいいよ人からの呼ばれ方なんて気にしたことないよ」

「私が気にするんですよ…まだ名前で呼ぶ勇気なんてありません!」

人を名前で呼ぶのに勇気なんているのか…?

「とにかく!ご飯です!」結上やたら元気だな。

因みにお昼ごはんはカレイの煮付けだった。

煮付けなんて1時間ちょっとでできるのか疑問に思ったが、結上曰くうちには使われていない新品同然の調理器具が山のようにありその中の圧力鍋を使ったそうだ。


お昼ご飯を食べ終え2人で食器洗いをしていたら結上が話しかけてきた。

「あの和泉さん先程の買い物でお会計を払ってもらったのですがよろしかったのですか?」なんだそんなことか「問題ないよ生憎俺は親からの仕送りでそれなりに不自由なく暮らしている。それにこのマンションだって親が俺のために借りてくれたんだ。」

そう、俺の両親は凄い人なんだ、父さんは総合病院の副院長で母さんは弁護士で正義のために働いている。2人は同じ大学で知り合ったらしい。

「なるほど、和泉さんのご両親はさぞ息子さんを愛しているのですね。」結上は何故か寂しそうに見えた。

そうだ結上の父親は病気で倒れていて、母親は…そう言えば母親はどうしたのだろうか

いや聞くのはやぶさか失礼か…



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