美少女とお家
「ごちそうさまでした。」
夏樹たちは朝ご飯を食べ終わった。
「食器の片付けは私がやりますよ」
真白が俺の分もかたそうとしてくれたが料理を作ったら片付けまでがセットだ。
「いや、俺にやらせてくれ」
「そうですか」
真白が少ししょんぼりしている気がした。
さすがにその顔を見たら罪悪感に耐えきれなくなり「一緒に片そう」と言ってしまったので結局真白に頼ってしまったことになる。
(恩返しって難しいな)そう考えながら真白と一緒に食器の片付けをしていた。
「私が洗うので夏樹くんは食器を拭いて元の場所に戻してくださいね。」
「わかった」
夏樹が一人で考えふけっていたので家には食器を洗う水の音しかなっていなかった、そんな空気感に耐え兼ねたのか真白が
「夏樹くん少しお話しませんか?」
「お話?構わないが」
なんの話だろうか
「私のお家のことなんですけど、ふと話してなかったなと思いまして。」
確かに聞いてない、態々他人の家庭事情に首を突っ込むほど俺は野暮じゃないからな。
「話していいですか?」
「続けてくれ」
「わかりました。少し長くなりますよ?」
そう言って真白は話し始めた。
私、今はお父さんしか親は居ないですけど、前まではお母さんもいました。
どうしてお母さんが居なくなったのかは後々話しますけど、一旦置いておきます。
私の家族は4人です。
お父さん、お母さん、お兄さん、私
お兄さんは私よりも一回り年上で独り立ちしています。
元々は家族みんなで暮らしていましたしかし、転機か訪れたのは私が小学1年生の時でした。
お母さんが交通事故で亡くなってしまいました。
事故の原因は相手の余所見運転、私達家族は三日三晩悲しくて泣いていました。
それからです、お父さんが体調を崩したのは、お父さんはお母さんの事が大好きでした。
お父さんは元々持病を患っていましたがそれが悪化、寝たきり生活でしたが暫くすると入院生活になりました。
入院生活は大体1年くらいでしたね。
その間私は親戚に預けられていました、お兄さんは大学生で一人暮らしをしていました。
お父さんの入院生活が終わり私も親戚のところから自分たち家族の家に戻りました。
お父さんの容体は安定していて仕事にも復帰出来ました。
お兄さんは依然として一人暮らしをしていましたので家事は私がやっていました。
だから今人並みに家事が出来るんですよ?
その生活が中学卒業近くまで続いていました。
しかし、お父さんの容体がまた悪くなり一緒に暮らせなくなってしまいました。
本当は一人暮らしをしてもよかったのですが、お父さんが私の安全を考えてそれを認めてくれませんでした。
なので、前回と同様に親戚の元で暮らそうと言う話になっていましたが、その時には既に高校が決まっていました。
親戚の元から高校に通うのはとても難しかったんです。
私は第一志望だった高校を諦められなくてお父さんに我儘を言いました。
そしたらお父さんが泣きながら「ごめんなさい」と誤って「真白が初めて我儘を言ってくれた」と号泣していました。
私はそんなお父さんを見て高校を諦めようと決めました、しかしお父さんが「知り合いに真白と同じ高校にこれから通う息子さんがいる人を知ってる」と言いました。
それから暫くして高校に入学、4月から暫くは元々の家族の家で暮らしていました。
入学から2ヶ月近く経ったある日お父さんのお見舞いに行った時夏樹くんのお父さんに会いました。
前にも何回か夏樹くんのお父さん会っていましたが、その時はお医者さんとしてでした。
私は夏樹くんのお父さんとお話をしました。
自分には息子がいること、その息子が私と同じ高校に通っていること等です。
そんな話を暫く続けていたら夏樹くんのお父さんはお医者さんになり私にこんな事を言いました。
「君のお父さんはこれから海外で治療を受けに行く、これまで通り暮らすことが出来なくなる。」と
お医者さんは夏樹くんのお父さんに戻り
「君のお父さんに頼まれたんだ、『僕の娘を預かってほしい、高校の3年間いや僕が戻ってくるまで』とそれでなんだが私には一人息子がいると言ったと思うんだが、僕の息子と一緒に暮らさないか?」
私はそれを聞いて暫く頭が回りませんでした。
一緒に暮らす?誰と?お父さんのお医者さんの息子さんと?
そんな疑問が頭をぐるぐると回りました。
そんな私を見て夏樹くんのお父さんは私を心配してくださり
「嫌なら大丈夫だよ、そりゃ知らない男と2人で暮らすなんて普通無理だよね。君のお父さんに内緒で新しく家を借りてあげるから安心して」と言いってくれました。
私はそんな迷惑をかけるわけにはいかないと思い、一緒に暮らすことを決めました。
お父さんにも一緒に暮らす事を話しました。
そしたらお父さんは夏樹くんのお父さんに泣きながら「ありがとうございます。」と頭を下げてました。
しかも、夏樹くんのお父さんは私を最後まで心配してくれていました。
お父さんが見えないところで「本当に大丈夫なのか」と何回も聞いてくださいました。
そんな夏樹くんのお父さんを見て息子さんも凄く優しくて素敵な人に違いないと思い、そんな事をされる度に心配なんてなくなっていきました。
それから1週間、私は夏樹くんの家に住み始めお父さんは海外に行きました。
真白が話し終わった。
話の最中で食器洗いは終わっており、後半は何もせずキッチンに立って話を只々聞いているだけだった。
家の中では水道から垂れる水の音のみが響いていた。
俺が暫く無反応だったので真白が俺の方を見てきた。
そしたら
「なんで夏樹くんがないてるんですか」
と笑いながら言ってきた。
俺は泣いているのか、と初めてそこで気がついた。
俺は冗談交じりで
「父さんは確かにいい人だと思うけど、俺はこんな人間性でごめんな、期待外れだったよな」と自虐した。
そうでもしないとこの空気感を壊せないと思ったからだ。
そんな事を言った直後。
「こんな人…?何言ってるんですか、夏樹くんは凄く優しくていい人です!」
真白が俺をぎゅっと抱きしめながら言ってきた。
続けて
「私は夏樹くんと暮らすことを後悔したことは一度もありません」
と
しかし、俺としては真白の話といきなり抱きしめられたことで頭がいっぱいで他のことは考えられなかった。
夏樹は邪な考えなど一切なく純粋な心で真白の事を抱きしめ返した。
それは夏樹の中で真白が特別な存在になった事を示していた。
抱きしめられた事に真白は驚きまた、自分が夏樹の事を抱きしめている事に気付いた。
途端に恥ずかしくなりほどこうとしたが、夏樹がそれを許さなかった。
真白は諦めされるがままになった。
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