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美少女と暮らす

昼休憩後の教室では非常につまらない授業が淡々と繰り広げられている。

「くぁ〜みんな真面目に板書して律儀だな」夏樹は欠伸をしながらボヤいた。

「おい、夏樹何欠伸してるんだ?」先生にバレていたらしい取り敢えず謝っておこう。

「すみません…」先生がこっちを見るのをやめた。「それじゃ教科書の53ページの続きから〜」


暫くしてチャイムが1日の終わりを告げた。

「起立、礼」号令とともに夏樹は荷物をまとめて颯爽と教室から出た。

(早く帰らないと・・・)今日は両親から大切な話があると言われていた。

急ぎの用事かは知らないがまあ待たせるのは良くないので急ぎめで帰る。「ただいまー」返事は無いそれもそのはず夏樹は高校に入ってから一人暮らしを始めたのだ、一人暮らしと言っても実家から約2時間の距離、しかし身の回りのことは自分できちんとおこなっている。現に今の生活に不満はない


帰宅してから暫くしたらチャイムが鳴った。

「はーい」インターホンにでてみると予想通り父と母の2人で仲良く立っていた。「夏樹〜久しぶり!」母さんが元気にハグをしてきた「あのな母さん久しぶりって言っても2ヶ月しか経ってないぞ?」夏樹は呆れながらも答える。「あら、そうだったかしら?」

「夏樹、千代さんはあんたに会えるのを楽しみにしてたんだよ」父さんが靴を揃えながら言った。

「親の心子知らずね!」母さんが小突いてきた。


母さんたちを居間に案内して軽い世間話や近況報告などを終えた。

「そう言えば母さん大事な話ってなんだ?」母さんに思わず尋ねた。(ちなみに父さんはさっきからずっと誰かと連絡を取っているようだった仕事で忙しいのかもしれない。)

「あぁそのことね、別にそんなにかしこまって話す内容でもないわよ」

(良かった…)何故か少し落ち着いた変に緊張していたせいだろう。

母さんが続けて言葉を放った。「この家に同居人が増えるよ」

「え?」思わず言ってしまった。

「修さんあなたから説明してちょうだい」母さんが父さんにパスを投げた「あぁちょっと待ってくれ」父さんはいつの間にか仕事?の連絡を終え台所でコーヒーを飲んでいた。

「よいしょっ」父さんも席に着いた。

「夏樹さっき千代さんの言っていたことだが嘘じゃないこれから夏樹はとある人と2人暮らしをしてもらうことになる。」父さんまで母さんと同じ事を言う。「待って待ってどういう事か説明してくれよ!」至極当然の事を要求した。

父さんが説明を始めた。

「父さんの仕事が何かわかってるよね」

「医者だ」夏樹は答えた。

「そう、医者よくわかってるな。」何故か馬鹿にされた気分になった。

そんな事はつゆ知らず父さんは続ける「最近とある患者さんを診ていてね。その人凄く珍しい病気を患っているんだ。世界でも100件ほどしか症例の無いものだ勿論日本で治療は出来ないので海外に行く事になる。」

そんなことと2人暮らし何の関係があるのかと思っていた矢先父さんが続けた。

「その患者さんには娘さんがいるのだが………」


そこからの話は長かったので要約すると患者さんと娘さんは元々2人暮らしをしており、海外に治療に行くことで娘さんが一人になってしまう。しかしそれは避けたいので信頼のできる俺たち家族に預けたい。しかし、父さんも一緒に海外に行くので無理であり、そこで白羽の矢が立ったのが3LDKのマンションで一人暮らしをしている俺だそうだ。


「状況は理解した。」夏樹は渋りながら答える

「でもいきなり説明無しに2人暮らししろは酷くないか!?」間違ったことは言っていないはずだ。

そこで母さんが口を開いた。「あらそんなこと言っていいのかしら、その娘さんとっても可愛いのよ?」

「俺は恋愛に興味なんてないよそもそも俺を好きになってくれる人がいるとは到底思えない。」夏樹は表情一つ変えず言った。

「夏樹はなんでそんなに自分を卑下するのかしら。」母さんがそう言うが俺は卑下なんてしていないし謙遜もしてない正当な評価だ。


「ところで母さんいつから2人暮らし始めるんだ?」気になったので聞いてみた。

「今日からよ!」

「はぁぁぁぁぁ!?!?」

「ん、ちょうど到着したみたいだぞ」父さんが玄関へ向かった。「いらっしゃいさあ入って入って汚い部屋だけど」父さんが出迎えた一言余計だが聞かなかったことにする。

父さんが女の子を連れて戻ってきたがその女の子を見て驚愕した。「え、なんで…」思わず漏れた。

「ほら夏樹挨拶しろこの娘がこれから一緒に暮らすことになる結上真白さんだ。」

勿論そんな事は知っている知らないわけがない。俺と同じ高校に通っている生徒なら全員知っている何故なら彼女は学校一の美少女として名高い結上真白だからだ。

容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群非の打ち所の無い人で先生や生徒から大人気で男子生徒の9割は彼女に惚れているという始末俺はそんな人と一緒に暮らすか…

「あの…ご両親からお話は聞いていると思うのですが、結上真白と申します。お父さんの病気が治るまでここに住まわせてもらうことになりました。」真白が挨拶してくれた。

「あぁ和泉夏樹だよろしく」何だか素っ気ない態度をとってしまった気がする。

「夏樹何恥ずかしがってるのよ!」母さんは一体何を言ってるんだ…

「取り敢えずお母さんたちは明日も仕事があるから帰るわね。」父さんと母さんが帰る支度をしている「もう19時かご飯の支度をしないと」夏樹も動き出す。


父さんと母さんが出ていって暫くして結上が話しかけてきた。

「あの和泉さん先程からキッチンに立っているだけで何もしてなくないですか?」げ、なんでバレてたんだ…?

「母さんたちの手前ああ言ったが俺は料理ができないんだなんなら家事もろくにできない。」どうせバレることなので言ってしまおう。

「でも今の家はきれいですが」

「それはハリボテだ台風が過ぎ去ったあとの空は綺麗だろ?」結上は目を丸くしている何を言っているのかわからないようだ。

「母さんたちはリビングにしか来ないだから荷物はまとめて別の部屋に移した。」結上は納得したようだ。「えっと、他の部屋を見ても?」だめだめだめだめ!それは絶対に避けたいあんなものやこんなものが色々と混ざっているからだ。「いや、いいよ片付けとかは俺がやるから今日は出前でも取って寝よう」


生憎明日は休日だ。

諸々の事は明日やろう取り敢えず結上をベッドに寝かせ俺はソファで寝た。

「はぁなんで俺一人の城が…」そう思いながら瞼を閉じた。






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