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ThorPhantomOnline~防御力には自信があるネクロマンサーです~  作者: 存在感皆無な人
〜ThorPhantomOnline〜
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タムラザ洞窟

声を揃えて死んだ事を言われたアキは森に入ってから死ぬまでをきちんと説明することにした。


「━━と、言うわけであんなもん誰だろうと死ぬだろ。俺は弱くないおかしな子じゃない、おk?」

「おっきい鰐か〜」

「嬢ちゃん、アングリーベアーをソロ討伐して更にはクロロダイルにまで遭遇するなんて…………嬢ちゃん本当に新人か?」


俺の説明を聞いて呆れているのが一人、私も会ってみたーいとかいう馬鹿が一人。


「と言うかサツキ、俺がこの店の説明をしてお前が走り去ってからだいぶ時間が経ってるはずだがなんでまだいたんだ」

「あ、それ聞くー?実はねーこの人βプレイヤー時代の知り合いなのだ!だから話し込んじゃってたんだよねー」

「おう、そうか」

「辛辣?!」


なんとなく察しが着いていた俺はサツキのちょい驚き発言を軽く流すとおっちゃんに被っていた帽子を見せる。


「おっちゃん、これって売るとしたらいくらになる?」

「いって500Gだろうな、だが一度装備したものは基本売れないぜ?」

「んぁ、なんで?」


俺がおっちゃんに質問するとおっちゃんは虚空から紙芝居のような物を出し、それを使って説明を始めた。


「いいか嬢ちゃん、このTPOでは手に入れた装備は勝手にサイズ調整してくれる」

「それは実際に装備した時に体験したから知ってる」

「だがその調整は制限付きなんだ」

「な、なんだってー?!」


おっちゃんは俺のあからさまなオーバーリアクションを無視し紙を一枚ペラリとめくり次の場面へ進む。


「TPOでは装備が自動調整されるのは基本最初の一回だけなんだ、例外としてはギルド用の制服とかはギルドメンバーにのみ着れるよう自動調整されるんだがな」

「先生、制限付きってどういう事ですかー」

「それはだな、その自動調整システムはあるアイテムを使うと復元することが可能だからだ」


俺が手を上げおっちゃんに質問するとおっちゃんはもう一枚めくる。

するとそこには装備らしき物と虹色に光る石が描かれていた。


「これは戦神の虹石(せんしんのこうせき)と言ってな、まぁいわゆるアプリとかにあるガチャとかに使う石と同じだと思ってくれ」

「課金要素きおったよ」

「いやいや、この石は課金ではないぞ。だが現時点ではあるクエストを除いてこの石は手に入らない」

「まぁつまり自動調整出来ねぇのに売れねぇ、売るならその石使うか新品持ってこいって事だろ?」

「その通り」

「アキもギギも話し長くてつまらない!!ほらアキ、レベル上げしよ!!」

「あ、ちょっ」


まだ説明の途中だというのに痺れを切らしたサツキが俺の手を掴み俺のことを引きずり回しながら街の外へと走っていく。


余りのサツキのパワーとスピードに俺の身体は宙に浮き、周りから視線を掻き集めることとなった。


もうやだ何でこうなるの?




~~~




俺達は街から出て、先程行った森とは反対方向の洞窟へと入っていた。


ここはタムラザ洞窟という名前らしく周りには俺と同じように初心者装備をしている人や、The魔法使いなローブを纏っている人、ヒューマンから凶悪顔のプリーストの格好した魔族など多種多様な人が集まっていた。


「ここは?」

「タムラザ洞窟だよ?」

「いやそれは分かる、ここはどういう場所なんだってこと」

「ああ!ここはね、初心者向けの狩り場なんだ。ここでアキのレベルを上げて一緒にBOSSとかバンバン倒したいからさ!!」


サツキは嵐みたいに色々ととっ散らかしていくけど根はいい奴なんだよな。

だがまあこいつの暴走のせいでおっちゃんから色々と聞きそびれたことがあるけど。


そんな事を考えているとアキの目の前でスライムがPOPし即座に戦闘にはいる。


「んじゃあ狩りますか」

「いよーっし、βプレイヤーの力見せてあげる」

「へいへい」


ん?よくよく考えたらあんなぐにゃぐにゃなスライムに斬撃である剣って不利なんじゃ━━




━━スパン


アキが盾を構え戦闘に入ろうとしたその時、綺麗な音をならしてサツキがスライムを中に入っていた赤い球体ごと真っ二つに斬り裂いた。


「はぁ?」

「ん、どした?」


この人何?なんで斬れんの?ほら、見てよ、周りの人目見開いてみてるよ?一太刀でスライムを斬撃で倒すとかチートなの?ビーターなの?どこぞの剣士なの?


「ふふん、私の実力じゃぁスライムなんて一太刀で斬れるとも!斬れぬ物など余り無いってね」

「庭師やめろそして人間やめてんじゃねぇ」

「カラカラカラ!!」

「おわっ、ほね太郎?!」


アホなことを抜かすサツキにツッコミを入れていると勝手にゲートを開きほね太郎が乱入して来た。


「おっ、やる気だねぇほね太郎君」

「カラカラ」

「ふふ、さしずめ勝負だって事かな?」

「カラッ」


苦笑いをうかべるアキを放置しサツキとほね太郎は意気投合し、何故かどちらが多くのスライムを倒せるかどうかを競うこととなっていた。


「よーしっ、アキ合図お願い!!」

「あーへいへい、もう知らねぇー…………よーいドン」


アキの呆れた合図に二人は弾かれたように走り出し、POPしどのパーティーも戦闘になっていないスライムを嵐の如く斬り殺して回り始めた。


「はぁ……ごめんなさいねみなさん、うちの連れが迷惑をおかけして」


アキは二人に変わって周りのパーティーに謝罪をするとガーディアンとして攻撃を防ぐ練習のためPOPしたスライムへと接近する。


「さて、せっかくここまで来たんだからレベル上げは無理そうだが訓練くらいは出来るかな」


アキはそう呟くと大盾を取りだしスライムへ向け構えるとプルプルンと数度振るえた後、そのプルプルボディから水鉄砲のように液体を吐き出して来た。


「あぅ?!」


スライムの予想外の攻撃に対処が遅れ、アキはその液体を顔にもろに食らってしまった。


「何これ、すっごいピリピリベタベタする…………」


俺がスライムの液体を受け、それを手で素早く払っていると周りから短い悲鳴や驚愕の声が上がっているのが聞こえてきた。


こんな盾持ってるのに顔面直撃したことに驚かれてるのかな。


そんな事を考えているとアキはふと胸の辺りがスースーすることに気がついた。


そして恐る恐る顔を下におろしてみる。

するとなんと初期装備がスライムの液体をによりギリギリえっぢな服へと変貌していた。


「誰かこの中に拭くものと装備を1000G以内で売ってくれる人いませんか…………」


この後、先程対峙したスライムは心優しいパーティーさんと一緒に倒して服も買いました。


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