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ThorPhantomOnline~防御力には自信があるネクロマンサーです~  作者: 存在感皆無な人
〜ThorPhantomOnline〜
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TPOシーズン1

サツキ達の試合が終わった頃、街から離れた渓谷に多くの影が蠢いていた。


「…………おい、これはどういう事だよ」


その様子をコソコソと影で見ていたアキはここに突然連れてきたメフィストフェレスに質問を投げかける。


「どういう事も何も敵の軍勢ですよ、これは貴方には言っても良さそうですね」

「どういうことだ?」

「これはですね、このゲームのメインイベントなんですよ」

「メインイベントだぁ?」


メフィストフェレスの一言にアキは顔を顰めながら聞き返す。


「ええ、メインイベントです。このゲームにはシーズンがありまして、そのシーズンは魔物と人類どちらかの勢力がシークレットクエストを達成することで次のシーズンに進みます。」

「……おいおい、なんだそれ」

「そしてそのシークレットクエストとは勇者ミザリーに関係しています」


勇者ミザリーという名前にアキはピクリと反応する。

その様子を知ってか知らずかメフィストフェレスは話を悠々と続ける。


「人類側のクエスト達成条件は勇者ミザリーの完全なる覚醒、そして魔物側のクエスト達成条件は勇者ミザリーの殺害です」

「…………ミザリーの殺害、だと?」

「ええ、そしてこの軍勢はミザリーに向けられるものです」


メフィストフェレスの口から放たれたその言葉はアキの思考を停止させるには十分だった。

何故ならそこには万は余裕で超えるであろう魔物の軍勢があったのだから。


「こんな軍勢を勇者一人に当てられたら生きていられないでしょうね」

「…………」

「アキさん、なんで私達がここにいるかお分かりですか?簡単ですよ、こんなに早くシーズンを終わらせられては運営として困るからこいつらを叩き潰すんですよ。ここまで聞いたんですアキさんにも手伝って貰いますからね?」

「当たり前だ、こいつらをミザリーの所に行かせるか」

「ええ、その意気です」


メフィストフェレスは不敵に笑うと手に持った真っ赤な槍を天目掛けて投げ放った。


「さぁ、開戦ですよ!」

「お前ら出て来い!」

『『はっ!』』


アキの一言にほね太郎達が一斉にゲートから姿を現すと、統率された動きで剣―くま五郎は持っていない為拳―を掲げる。


「キリサメ戦からすぐの戦闘だが全員キリキリ働けよ!」

「アキさん、あなたにはこれを渡しておきます。これは手伝ってもらう報酬とでも考えてください」


そう言うとメフィストフェレスは巨大な何かの頭を虚空から出すと、アキに向かって放り投げた。


「あなたなら使い方くらいわかるでしょう?」

「…………あぁ、そういう事ね。わかった、なんなら名前付けてやるからな。後で文句言うなよ?」

「えぇ、この戦いを勝利に導いてくれるその前金ですから」

「ぬかしてくれる、こんなんまで貰って勝てない俺じゃねぇよ!『サモンスケルトン』!!」


アキは意気揚々と勝利宣言をすると、その大きな頭蓋骨に向けてサモンスケルトンを発動する。

するとその頭を中心に直径20mの大きなゲートが現れ、その頭を軽々と飲み込んだ。


「い、一瞬ビビったけどこのゲートには落ちないのな」


そのゲートの真上にいたアキはゲートの大きさに驚きつつそんな事を呟き、大盾を取り出し構える。


「さぁ〜てトカゲ君よ、君にも盛大に暴れて貰うからな」

『グォオォオオオ!!』


召喚されたドラゴンが思念の咆哮を上げると、その咆哮をゴングにほね太郎達が攻撃を始めた。


『個体名トカゲ君、登録しました』


…………えっ?


その瞬間骨のドラゴンもといトカゲ君は羽から緑の炎を吹き出し、虚ろだった双眸にゆらりと緑の炎が灯る。


『ご主人様、我の力とくとご覧ください!!』

「もうちょっといい名前にしてやりたかったなぁ……」


カナヘビ次郎とか、ホネタイショウとか。


『まだトカゲ君で良かったです』

「えぇ…………」


間髪入れずにあげた名前を否定されたアキは情けない声を上げながら更に召喚するための準備をする。


今回の相手は魔物の軍勢、俺が盾を持ってあの前に出た所で出来ることなんてたかが知れてる。


「――だからこそ。目には目を、軍勢には軍勢を!ネクロマンサーの本来の戦い方、見せてやらァ!」


トカゲ君の背中で叫びながら気合を入れると、軍勢の弱点と思しき所に目星をつける。


まず先頭はほね太郎達が何とかしてくれるからパスするとして、狙うなら雑魚が集まってる場所だな。

正直名前のないスケルトンはそこまで強くない、この前訓練の一環として大量に召喚したスケルトン達と多勢に無勢で戦ってみた結果圧勝出来てまったからね。


主力はほね太郎達とトカゲ君になる。

これから召喚するスケルトン達は奇襲部隊、戦場に混乱を起こしこちらの戦況を有利にするためのものだ。


「よし、やるならまずあの2箇所だな」

『ご主人様、我の仕事はなんですか?』

「トカゲ君、君は何が出来る?」

『炎を吐くことや敵をこのからだで薙ぎ払うくらいです』

「よし、ならそこと…………あの場所に炎をぶち込んで」

『了解です!』


トカゲ君が意気揚々と口から緑の炎を吐き出すと渓谷は火の海へと変貌する。


「よくやった!さぁ更に荒らしてくぞ!『サモンスケルトン』!」


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