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星の底の世界で  作者: 早朝さんぽ
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【第八話】リンゼ

親衛隊からの報告を伝えます。とリンゼが言った。


「リンゼたちを襲った召喚術者は街にいたところを警備隊に逮捕されました。

所属は『天使の柱』を領内に持つ、帝国のスパイさんでした。

目的は女王様の特命を持つ者の妨害・・教会を出入りしていたことから、信仰等に関する帝国内での揉め事に水を差されると邪推されたようです」


報告を聞いたノエル様は、僕のせいじゃん!とおどけて見せていました。

・・・ノエル様の最初の印象は、優しそうな人だなぁという感じ。初めて見たのはスクールで、ミュカ様と共に観察任務をした時。誰と話すときでもにこにこしていて、男女問わず様々な分野で頼られていました。

「器用な殿方ですね。体術だけは苦手なようですが」

「そうだね、リンゼ。ちゃんとあの本に気づいてくれるかな・・?」

・・・

この任務がおわったら、ノエル様と会う機会は無くなってしまうのでしょうか。

私はその時のことを考えると、寂しくなっていた。

「リンゼ、銃士隊はみんな召喚術を使えるのか?」

「うぇい?」

急に話しかけられて変な返事になった。ぶふ、とノエル様が吹きだしている・・。

「いえ、秘薬を持っているのは主に四次元魔法・・身体の強化などに使うためです」

召喚術はかなり集中力を求められるので戦闘中は難しいです、と付け加えた。


ノエルは、戦闘の際どんな魔法でサポートするのがいいかな?ということと、リンゼがかわいいなぁと二つのことを考えていた。

「リンゼとは小さい頃からの付き合いなんだが、センスは兄たち以上のものだと思っているよ」ミュカが楽しそうに話す。

するとリンゼがめずらしくふくれっ面で

「リンゼの方がきっと強いです。でも兄ぃ様たちにはいろいろ、譲ってあげないといけないのですよ」と言った。

末っ子も大変だな・・


っと、戦うのが僕らの仕事ではない。話を六次元魔法の調査に戻した。

次はどんな調査をしよう?という僕の言葉に、

「次は私から提案させてくれ」

ミュカが小さく手を挙げた。

「一度、帝国にある『天使の柱』を見に行ってみないか」

世界中のどこからでも見えると言われている、巨大な柱。

いつか行くことになるとは思っていたけれど、こんなに早く実現するなんて。

「ミュカとリンゼは行ったことある?帝国」

帝国はたくさんの国の集合体で、柱を囲む独自の流通網を持つ巨大な国だ。

「私はあるよ。王国より柱に近いせいか、風が強くて寒かった」

「リンゼは王国を出たことはありません。のでちょっと楽しみです」

柱の近くに行くとなると、もう雪が降っている時期だろうか。

「風を防げるコート、新しいの買っておこうかな・・」

しっかり準備していこう、とミュカも言った。


リンゼは出発の時が早くも待ち遠しくなった。

王国を出たら二人を守るものは自分しかいない、と身の引き締まる思いだった。

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