1.筆
初投稿です。
宜しくお願いします。
「…………」
俺は気がつくとだだっ広い草原の上に立っていた。
何故そうなっているのか全く分からないので、少し思い出してみる事にする。
なぜか習字道具を持っているし、学校で習字の授業を受けていたのは覚えている……。
そこから確か教室が揺れて……。
「ふむ、ならば俺は死んだのか」
なるほど俺は地震で死んだと考えるのが妥当だろう。
するとここは天国か何かだろうか?
見た限り地獄には見えないが。
「そこのあなた! 助けてくださいっ!」
「なに? 俺か?」
ひとりの少女がこちらに走ってくる。
見渡すと周りには自分ひとりだから俺に言っているのだろう。
後ろには……何やら物騒な物を持った輩が彼女を追いかけている。
「へへへ、待てよ嬢ちゃん! いいことやろうや!」
「嫌ですっ!」
彼女はささっと俺の背後に隠れた。
全く、俺はまだ助けるだなんて言ってないぞ?
「なんだぁテメェ……? 早くその女を俺たちに渡すんだな! さもないと……」
ガラの悪い輩のひとりが剣をこちらへ見せつける。
「お願いします! あなたしか頼りがないんです!」
涙声で俺に訴える少女。
「やれやれ、こう言われたんじゃ仕方ないな」
「ありがとうございます!」
面倒だったがここで引き下がるわけにはいかなかった。
しかし俺の武器は……。
「む」
手に持っている習字道具が目に入った。
「仕方あるまい」
俺はため息をついてそれを開き、硯に水を入れ、墨を磨る。
よし、いいぞ。
なかなか今日は調子が良い。
「何をなさっているのです……!?」
少女が不思議そうにこちらを覗き込む。
「まあ見てなって」
「テメェ! 何してやがんだ!」
男が襲いかかってくる。
そして俺は筆を取り出したっぷりと墨液に漬ける
「そらよッ!」
俺はひらりと剣を躱し、輩の顔面を黒く塗りたくる。
「ぐわあああああああ!!」
声を上げてもがく大男。
どすん!と大きな音を立てて倒れた。
「"弘法にも筆の誤り"ってね!」
僕は字が汚いです。
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