あとがき 第一部完結に寄せて
※※ 注意 ※※
本日、最終話を更新しております!!
最新話から来た方は、ひとつ前の最終話を先にお読みください!!
ここは、あとがきです!!
第一部完結に寄せて
おはこんばんは!
こんな所にまで目を通して下さって、ありがとうございます。
まずは、第一部完結までの半年間、お付き合いくださって、最後まで見捨てずに応援して下さって、心より御礼申し上げます。
皆様の感想や応援に励まされてここまで来ることが出来ました。
この「称号は神を土下座させた男」というものを書こうと思った切欠は、昨今の異世界小説ブームで巷に溢れる異世界小説の中に私の好み全部を詰め込んだものが無かったことです。つまり自給自足に踏み切った訳ですね。
この小説のテーマは「愛」です。
私も正直、朝起きたら異世界でチート能力とかないかな、と思ったりする人間ですが、果たして本当に家族や友人、これまでの生活からいきなり引き剥がされて、そんなに呆気無く、異世界で生きることを了承できるだろうかと思いました。
真尋と一路にはそれが出来ませんでした。作中で何度も未練を口にするように愛する人がいて愛する家族がいて、第一部完結に至った今も二人にはまだ未練があります。真尋ですらも言葉にして口から出さなければ、覚悟も出来ないのです。
異世界だろうが現実世界だろうが、私は小説を書く以上、そこに生きる人々の人生を考えます。おぎゃあと産声を上げて生まれたその日から今日に至るまでの人生です。それは全く同じものは一つも無くて、十人十色の人生です。
正直、その人生を描くことで「話が長い」「同じことの繰り返し」「脇役の主張が強い」というご指摘を受けたこともありました。でも、たった一日や一章で、或は一行の文章で、一言の言葉で彼らがこれまでに感じて来た哀しみや寂しさや苦しみを、或はその幸福を表現できる技量が私には無いのです。
真尋も一路もチートですが、でもそれ以上に私は、彼らの人間らしい心を読者の皆様に感じて欲しかったのです。悩んで迷って、進んでいく姿を知って欲しいと思ったのです。
だから多くの方々に「共感して泣いてしまった」「思わず一緒になって笑ってしまった」というお言葉や、真尋や一路の視点に立つ感想を頂けたときは本当に嬉しく思いました。
ノアの死については、本当に多くのお言葉を皆様から頂きました。
私自身、何度か「助けたい」と思ってそうなる結末を描いたこともありますが、それでも回避できない運命がそこにあるのだと言い聞かせて筆を進めました。
小さな小さなノアだからこそ、とても悲しくて辛かったです。
多くの皆様がノアのことを哀しみ、そして、安らかな眠りと幸福を祈って下さったこと、本当に感謝しております。
第一部では特に「母の愛」というものに重点を置いていました。
真尋と母の確執と和解。
レイの二人の母、ソフィとソニア。
ミアとノアを遺していったオルガ。
ジョンとリースの母・プリシラは愛情深い理想の母親として、作中では動いて貰いました。大らかで穏やかで、優しい母です。
真尋の母は少し臆病だけれど愛情深い人。
ソニアは、愛情深く真正面から子供にぶつかる母。
ソフィやオルガのように、何よりも我が子を愛し、自らの命さえも差し出した母。
すこし変わり種でロビンを護るために夫に体当たりしたり、自分の血で我が子を護った母、ブランカ。
彼女たちの愛情は、深く激しく、あたたかいものです。
一方で子を捨てる母も作中には名前こそ出てはいませんがその存在はにおわせます。それがサヴィラの存在であり、サヴィラが拾ったアナや他の子どもたちです。また庭師の妻・クレアのように我が子を失ってしまった母もいます。
母という存在一つ切り取っても、様々なものがそこにあります。
皆さんからこっそりと人気と支持を頂くティーンクトゥスの愛は、正に母の愛だと個人的には思っております。我が子のために自らの命を差し出し、我が子のために生きたいと願うティーンクトゥスが何よりも深い愛情をその身に宿す神様なのです。
これからもこのお話は、色んな愛をテーマに書いていくことになると思います。
第二部に移行するには、暫く時間を頂くことになると思います。
理由としましては、第二部を改めて練り直すこと。
そしてもう一つは、十二月にアルファのほうで開催予定のキャラ文芸対象に挑戦しようと思っているので! こちらは完全新作で「稲荷屋旅館よろず相談係 妖怪さんの悩み解決します」(仮)という現代日本を舞台にしたお話になる予定です。そう、予定です。予定。こちらはドがつく貧乏な高1の(一路を超える童顔)少年が主役です。なろうに投稿するかは未定です。そもそも書き上がるかが未定です。
とはいえ称号の方も書きたいことは山とあるので、番外編を更新予定です。
一つは皆さんご存知の水無月家の執事シリーズ。
もう一つは、本編後から第二部までの間を繋ぐ脇キャラ視点の番外編です。
執事の方は、園田さんの過去を交えつつ真尋さんを崇めてもらう予定です。
本編の番外編は、リックやエディ、プリシラ、クイリーンにカマル、サヴィラにソニアなどなどと真尋と一路以外の人々の視点で、常識に当てはまらない神父様の日々を描いて行こうと思っております。
どちらの番外編もこんな日常見てみたいなぁという欲望がありましたら、こそっと教えて頂けたら参考にさせていただくこともあるかもしれません。リクエスト募集ではないので、確約はできないことを御理解いただけると幸いです。
本当にリクエスト募集ではないので、あんまり期待はしないでくださいね!!
あとがきまで長々とお付き合い下さり、本当にありがとうございました。
ここまで来られたのは、本当に多くの皆様からの応援があったからこそです。
まだまだ物語は続いて行きます。文字数がもうそろそろ大台に乗りそうですが、気長にお付き合い頂けると幸いです。
この物語を通して、皆様の心の中に何か一つでも、一欠けらでも残すことが出来たならそれ以上に望むことはありません。
これからも「称号は神を土下座させた男」を作者ともども、宜しくお願い致します。
春志乃




