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称号は神を土下座させた男。  作者: 春志乃
第二部 本編
110/158

第三十八話 戸惑う男

 なんか重いな、と目を開ける。

 体の左側になにかいる、ティナかな、と顔を向けて息を飲む。

 柔らかなピンク色ではなく、眩い金の髪がそこにあって、何故か兄が一路を抱えるようにして、ぐーぐーと寝ている。


「あ、イチロさん。おはようございます」


 声のしたほうに顔を向ければ、髪をポニーテールにしたティナが部屋に入って来た。顔回りの髪が濡れているから、顔を洗ってきたのだろう。手にはタオルも持っている。

 ティナはタオルをベッド横の椅子の背もたれにかけると、海斗越しに一路の額に手を伸ばして触れた。水で冷えたのか、ひんやり冷たい手が心地よい。


「まだ熱がありますねぇ。朝ご飯、食べられそうですか? お薬を飲まないと……」


「うん、大丈夫。昨日よりはすっきりしてるし」


「そうですね、顔色が昨日は熱があるのに青ざめていましたけど、今日は血色が良いです」


 ティナが安心したように目を細める。

 どこで寝ていたのか、ピオンとプリムが海斗を台にして、ぴょんと飛んでティナの肩にそれぞれ着地した。


「……ところこで、なんで兄ちゃんがここにいるの?」


「カイトさん、心配のあまりイチロさんから離れがたかったみたいで……ここで寝ちゃったんです。それで私はエディさんがテントをこっちに置いてくれたので、テントのユキノさんの部屋で寝たんです」


 カイト越しに見る限り、いつの間にか壁際に寄せられたベッドの向こうには何もない。既に片付けた後なのだろう。


「そっか……ちゃんと部屋に鍵かけた?」


「はい。エディさんにも念を押されたので……皆さん、紳士ですね」


 ぽやぽやと笑うティナは、男性が苦手なくせに変なところでガードが緩いのだ。なんだかんだ言ってもイチロはエドワードを信頼しているし、この家の人々だって信頼している。ティナに変なことをするような奴はこの家の中にはひとりだっていないが、普段から防犯意識を高めておくことが大事だ。


「エディさんは?」


「お庭でアゼルさんと朝の鍛錬をしていますよ。私、朝ご飯をもってきますね」


 そう言ってティナは、ポニーテールを揺らしながら部屋を出て行った。ピオンとプリムもついて行ってしまったので、兄と二人きりになる。

 海斗は、まだぐっすりと眠っているようだ。腕が一路の上に乗っていて重い。


「兄ちゃん、朝だよ、起きて」


「うー……ん」


 微かにうなっただけで、起きる気配がない。

 一路は、上に乗っていた兄の腕をどかして、起き上がる。なんとなく海斗の額に触れるが熱はない。ただただぐっすりと眠りこんでいるようだ。窓の外に顔を向ければ既に大分外は明るかった。


「おう、起きたんだな」


「おはようございます!」


 顔を上げれば、エドワードがひょっこりと顔を出す。彼の下からアゼルも顔を出して、こちらを覗き込んでいる。


「おはよう。ごめんね、迷惑をかけちゃって……」


「んなわけないだろ。それより、具合が悪かったらちゃんと言ってくれよ。これじゃマヒロさんにあれこれ言えないからな」


「うっ、ごめんなさい」


 エドワードが苦笑交じりに言った言葉に一路は、バツが悪くなって眉を下げる。

 昨日、朝から頭痛と喉の痛みはあったのだ。体も少し怠かった方が、大丈夫だと慢心してしまった。アゼルや一緒に仕事をしていたひとたちには気づかれなかったのに、海斗には一目でバレてしまった。昔からそうなのだ。母親にさえ隠し通した虫歯の痛みを海斗には一発で見破られ、歯医者に連行された苦い記憶もある。ただ一路に甘い兄なので、泣く一路(当時七歳)におろおろしていたため、強制連行して行ったのは真尋である。


「ん、んー、一路?」


 身じろぐ声に顔を向ければ、ようやく兄が目を覚ましたようだった。

 青に緑の混じる眼差しが、一路を見つけると優しく細められ、伸びて来た大きな手が額に触れた。


「熱、大分下がったね。でもまだ少し熱い」


 そう言いながら、海斗が体を起こして、ぐーと伸びをした。


「エディ、アゼル、おはよ」


 二人に気付いて海斗が挨拶をすれば、二人も彼に挨拶を返す。

 海斗はもぞもぞと動いて、ベッドから足を下ろして立ち上がり、もう一度伸びをした。


「あー……よく寝た。むしろ、寝過ぎたね。いつもの起床時刻を過ぎてる」


 どこからともなく取り出した腕時計を嵌めながら海斗が言った。

 その腕時計には見覚えがあった。革のバンドに金縁の時計はイギリスのおじい様から海斗が十八歳になった時に贈られたものだ。イギリスでは十八歳は、子どもから大人へと成長したとみなされる年齢で、海斗はその時計をもらってから肌身離さず身に着けていた。どうやらこちらへも一緒に連れてきたのだと、初めて気が付いた。


「今日は遅れるって連絡はしてあるんだ。ダイニングに朝食、仕度してくれてるから、食べられそうなら食べてくれ」


「了解。でも先に眠気覚ましにシャワーを浴びてもいいかな」


「お好きなように」


 エドワードが頷くと、兄が立ち上がる。


「一路、今日はここでいい子にしてるんだよ。兄ちゃんは仕事に行ってくるからね」


 まるで真智や真咲に言い聞かせるような口ぶりだったが兄はからかっているわけではない。海斗はいつだって一路に対してはこうなのだ。それに迷惑をかけまくった一路は今、文句を言うなんてとてもではないができない。


「うん……ごめんね、兄ちゃん」


「謝らなくていいよ」


 そう言って海斗は、一路の頭を撫でるとアゼルと共に部屋を出て行った。残ったエドワードがこちらにやって来る。

 ベッドに腰かけて、一路の顔を覗き込んで来る。空色の瞳が、何一つ見逃すまいとこちらを見つめている。


「今日は俺もここにいるからな」


「でも……」


「カイトも了承済みだ。カイトのサポートはアゼルに任せてある。俺はイチロの護衛騎士だ。従えないお願いだってある」


 きっぱりと言い切られてしまい、一路は口ごもる。

 エドワードはそんな一路の肩を押す。抵抗なくベッドに沈めば、逆にエドワードは立ち上がって、一路に毛布を掛けなおしてくれる。


「じゃあ、俺も朝ご飯、食べて来るからな。大人しく寝てろよ?」


「……はーい」


 よし、と笑ってエドワードも部屋を出ていき、一路はひとりぼっちになる。

 顔を隠すように布団を持ち上げて「うー」とうめく。

 なんでこんなにうまくいかないんだろう、と唇を噛む。真尋の代わりに頑張るつもりだったのに、結局、体調を崩して迷惑をかけている。


「……僕の役立たず……」


 ぼそりと呟いた言葉は、布団の中で反響もせずに吸い込まれて消えて行ったのだった。






「イチロさん、朝ご飯ですよ」


 柔らかい声が布団の向こうから聞こえて、おずおずと顔を出す。

 サファイアの瞳が優しくこちらを見ていて、彼女の手には湯気のたつ深皿の乗ったトレーがあった。


「ミルク粥ですよ。台所をお借りして作ったんです。食べられますか?」


「……うん」


 ちいさく頷いて体を起こす。ティナがベッドに腰かけて、木製のスプーンで粥を掬って、ふーふーと息を吹きかける。そして、当たり前のように「あーん」という掛け声とともにこちらにスプーンが差しだされた。一路はためらうことなく口の中に迎え入れる。


「……おいしい」


 ミルクの甘さと柔らかくくたくたになったパンは優しい味だ。


「ふふっ、よかったです。これを食べたら、お薬を飲みましょうね」


 こくりと頷いた一路にティナは満足そうに笑って、また「あーん」とスプーンを差し出した。

 そうして、一路はミルク粥をティナに食べさせてもらい、しっかり完食した。薬を飲み終えるとティナが立ち上がる。


「これだけ片付けて来ますね。今日は私もここにいますから」


「ありがとう、ティナ」


 お礼を言えば、ティナは「当たり前のことですよ」と告げて食器を片付けに行って、すぐに戻って来てくれたが、今度はエドワードも一緒だった。

 昨夜、テントを置いていたらしいスペースに彼はアイテムボックスから取り出したデスクを二つ並べる。ティナがどこからか書類を運んで来て、エドワードも大量の報告書をそこへ置いた。

 

「今日は私もここでお仕事しますね」


「イチロは、ゆっくり寝ること」


 そう言って二人はそれぞれデスクについて、書類をさばき始めた。

 羽ペンが紙の上で文字を綴る音、紙の擦れる音はどちらも単調だ。体調の優れない体はすぐに休息を求め、瞼を重くする。

 トコトコとベッドの上にやってきたピオンとプリムが胸の上で丸くなれば、それはとどめだ。小さな魔物の心地よいぬくもりと微かな呼吸は一路を眠りの世界に強引に連れて行く。そうして一路は昼食までぐっすりと眠ってしまった。

 ティナに起こされ、昼ご飯を食べて、一息つく。ティナはここで一緒に食べたがエドワードは、騎士団へ書類の提出に出かけて、ついでに外で食べて来ると言っていた。アゼルの家の人々は皆、外で働いている。アゼルの祖父母でさえ現役で畑仕事に精を出している。故に昼間はサンドウィッチなどを持って行って畑で食べているのだ。家事は基本的には全員でやっている。


「熱、下がりましたね」


「うん。明日からはまた……」


「だめですよ。治癒術師様に三日は安静にするように言われているんですから。明後日まではお休みです」


 ティナが、めっと人差し指を立てた。


「でも……」


 困ったように眉を下げる。

 ブランレトゥでもそうだったが、神父の仕事は変わりが居ない。確かに今は海斗がいるが、二人分の仕事を一人でやるのは大変だ。

 ティナは、そんな一路の戸惑いの視線を受けとめて、優しく笑う。


「大丈夫です。今は元気になることを一番に考えて下さい」


 細い両手が一路の頬を優しく包み込んだ。その手の柔らかさと、ぬくもりに一路は目を伏せて、渋々頷く。

 一路が思っているより、一路の体も心も疲れているようで、ティナとぽつぽつと取り留めもない話をしている間にまた眠ってしまったのだった。






 海斗は一人、畑の縁におかれたベンチ代わりの丸太に座り、欠伸を一つ零した。


「ギャウギャウ」


「ワンっ!」


 視線の先では黒いドラゴンが白銀の(グレートピレニーズの成犬ぐらいある)子犬と楽しそうに戯れている。


「あ、ポチさん! 帰って来たんすか!」


 ひょっこりと顔をだしたアゼルが言った。

 アゼルの後ろにはアゼルの両親や兄弟姉妹とその子どもたちがいる、成人している者から一番下は乳飲み子まで、とにかくたくさんだ。

 皆「あ、ポチさんだ」と黒いドラゴンに気付いて、指を差したり、ロビンを呼んでみたりしている。とはいえ、ポチとロビンは遊ぶのに夢中で見向きもしてくれない。

 鼬の一族であるアゼル一家は、他種族の婿や嫁以外は全員、小柄で小さな丸い耳とふさふさの尻尾を兼ね揃えているので、集まっているとなんとも可愛らしい。とはいえ、鼬は肉食獣なので食卓は肉中心で割とワイルドであるが。


「うん。今朝、帰って来てね。外のほうでロボ一家と一緒にいたみたいだよ」


 海斗はそう答えて、畑の縁に置かれている椅子代わりの丸太から立ち上がる。

 この広い畑は、アゼルの家のもので、つい先日まで葡萄の木が植えられていた。ここはワイン用の葡萄畑なので、葡萄の枝が地面と平行に支柱から伸びるロープに這わされて、壁のように植えられていた。だが、カースバッドの毒がまき散らされたため、葡萄の木は全て切られて、土も浄化のために掘り起こされたので今は何もない。


「ここからまた葡萄の木を植えて育てて、そして、収穫してワインを作るのは並大抵のことじゃないだろう?」


「それはまあ、そうですが……ワインはシケット村の大事な特産品。長い年月をかけて、また一から頑張りますよ」


 アゼルの父が言った。

 頑張る、と告げる彼の顔は、割り切っているようだが、どこかで不安を抱えているのが見て取れる。アゼルの家はもう二枚、畑を持っているそうだが、一枚はここの三分の一、もう一枚はレーズン用の葡萄の畑で、ここの四分の一程度しかない。

 一番大きくて広い畑が今回、更地になってしまったのだ。被害は多数に及んでいるが、アゼルの家の被害が一番、大きいと言って差し支えなかった。ようやく、このアゼル一家の畑の浄化作業が完了したので、確認のためにこうして集まってもらったのだ。


「父さん、俺は寮暮らしだし、衣食住は保証されてるから、全額仕送りするから」


「馬鹿を言え。送料でなくっちまうような給料だろうが。お前のためにためておけ。何か困ったことがあったって遠いところだから、父さんたちだってすぐには駆けつけてやれねえんだから」


 アゼルの提案に父親は首を横に振る。突き放すような言葉とは裏腹に遠い地で働く息子を想う愛情がある。

 彼の言う通り、五級騎士の給料(エディに教えてもらったんだ)は、海斗の高校時代の小遣いと変わらないほど安い。五級は見習いと相違なく、まだまだ未熟な騎士だ。それにアゼルの言う通り、衣食住が騎士団によって保障されているので、その程度でも生活ができるからだ。

 

「ところでこれは、相談なんだけど、ブランレトゥで住み込みの仕事って興味ない?」


「はい? 住み込み? ブランレトゥで?」


「そう、ブランレトゥで、住み込みで」


 突然の海斗の提案にアゼル一家が顔を見合わせた。アゼルでさえ、盛大に首をかしげている。


「真尋神父さんがね、メイドとかフットマンを探してるんだけど、あいつ、マジで人の好き嫌いが激しくてさ。シケット村というかアゼルを思いのほか気に入っているみたいで、なんかいいのがいたら連れて来いって言われてんだよね。アゼルの一族なら、真面目に働いてくれそうってことで」


 海斗はポケットから、先ほど、ポチから受け取った手紙を取り出して、その部分を指で示す。


「ええっと……『メイドかフットマンに雇えそうなのがいたら、一人か二人、連れて来い。人選はお前たち兄弟に任せる』」


 アゼルが読み上げるとどよめきが走った。


「これまでメイド代わりの仕事をしてくれていた人が、おめでたでね。それで人を探してるんだけど、住み込みでどう? 正直、アゼルより断然給料いいよ。仕事ぶりによっては昇給ももちろんあるし、仕送りをすることも可能だと思う」


「俺、まだ五級だから仕方ないじゃないっすかぁ! 二級になれば俺だって!」


 アゼルが眉を下げて叫ぶが、誰も気に留めない。兄弟姉妹と特に成人前後の独身の甥姪は前のめりで、アゼルが読み上げた文章の下の雇用条件を読むのに忙しいのだ。

 アゼルは七男三女の十人兄弟の七番目の六男で一番上の兄とは二十二歳離れているそうだ。その上、田舎で結婚が早いため、アゼルと長兄の一番上の息子、つまりアゼルにとっての甥は、なんと甥っ子のほうがアゼルより二つ年上で既に結婚して四歳の娘と二歳の息子がいる。


「第一に、真尋に惚れないこと。あと、雪乃……、真尋の奥さんだけど、そっちにも惚れないこと。仕事は仕事として割り切れるような人が条件。もちろんメイドやフットマンとしての仕事はちゃんと教えるけど、最低限、文字の読み書きと買い物を任せられるくらいの計算は必須ね。……それと成人済みか、半年以内に成人する人」


 最後に付け足した一言に未成年たちが肩を落とした。

 やはり親元を離れる以上、成人済みが好ましい。同じ町内ならともかく普通なら移動だけで二週間以上もかかるような遠方なのでなおさらだ。

 海斗としてはアゼルのすぐ下の弟(二十歳・独身)とか妹(十七歳・独身)が立候補してくれたらなと思っている。妹のほうは春になれば成人すると言っていたのだ。


「あたしが行きたいところだけど、春に結婚が決まっているんです」


 そう言ったのは、今しがた海斗が思い浮かべていた十七歳の妹だ。さすが、田舎、結婚が早い。


「それは、めでたいね。おめでとう。お相手は?」


「アゼル兄さんの幼馴染で、……初恋の人なんです」


「甘酸っぱいねえ。春になったら何かお祝いを贈るよ」


 海斗のお祝いの言葉に、妹は嬉しそうに微笑んだ。幸せオーラ全開だ。アゼルが「へへっ、もう結婚か、早いなぁ」と涙ぐんでいる。気のせいでなければ、アゼル父と長兄は両手で顔を覆って、震えている。


「フットマン枠、僕が立候補してもいいですか?」


 そう言って手を挙げたのは、アゼルの姉(長女)の三番目の息子(十八歳)・ヴァイパーだった。彼は父親と同じ蛇系の有鱗族だ。一族で唯一、眼鏡をかけていてどこか理知的な雰囲気がある。有鱗族なので、背も高く海斗より少し低いくらいだ。


「僕は葡萄畑の仕事も好きだけど、むしろ家の仕事とか備品の管理とか事務仕事なんかが好きなんです。でも、田舎じゃなかなかそういう仕事はなくて」


「なるほど。人には向き不向きがあるからね」


「カイト神父様、ヴァイパーは本当にみんなが忘れがちだけど、大事な細々したことを率先して片付けてくれる気が利く甥っ子なんです。真面目だし、良い子です! 俺からも是非!」


 うんうん、と海斗が頷くとアゼルが援護のつもりだろう、勢いよく甥っ子を売り込んで来る。

 ヴァイパーは、「やめてよ」と恥ずかしそうにしながらもほっとしたように頬を緩めたが、はっとして海斗を見上げる。


「あの、質問なんですが休みの日は、その、図書室に行っても? アゼル兄さんが、お屋敷にはすごい図書室があるんだって教えてくれて」


 ヴァイパーがもじもじしながら言った。

 年が近いので甥姪は、叔父のアゼルを「兄さん」と呼ぶのだ。


「ちゃんとルールを守れるなら構わないさ。それに真尋神父は勤勉な人は好きだよ。じゃあ、フットマン枠は、ヴァイパーが立候補だね。さすがに俺の独断で今ここでは決められないから、一路と相談の上、雇用主になる真尋神父に手紙を出すよ」


 海斗の言葉にヴァイパーは嬉しそうに頷いた。


「さて、とりあえず話はここまで。では今日もお仕事頑張りますか!」


 パンパンと手を叩いて、空気を切り替える。


「まずは本当に全ての浄化が済んでいるか、今日はみんなに確認してもらいたいんだ。みんなは、鼻が効くから血の臭いがしないか確かめてくれるかな? それで人族の人は記録をとってもらっていいかな。畑を細かく区切ってあるから、確認した場所に印をつけておいてほしい。……それとアゼルとヴァイパーは残って」


 長男の嫁と次女の旦那にバインダーに挟んだ報告書を差し出す。そこには海斗の言葉通り、畑の絵があり細かいマス目で区切られている。

 二人は海斗の説明を聞くと「了解です」と頷いて、一族に二手に分かれるように告げ、それぞれ率いて去って行く。


「ヴァイパー、もう少しだけ詳しい話をいいかな? アゼルも立ち会ってくれ」


「もちろんです」


「じゃあ、そこの小屋で話しましょう」


 頷いたヴァイパーと小屋を振り返ったアゼルと共に海斗は歩き出すが、すぐに呼び止められる。


「あ、あの、神父様」


 控えめな声に顔を向ける。小柄な少女がそこに立っていた。


「わたし、も、立候補したいです」


「君は確か……ラタ、だったかな?」


 海斗の確認に、少女はこくこくと頷いた。

 ラタはアゼルの次男夫婦の娘だったと記憶している。母親と同じ鼠系の獣人族で、白っぽい鼠の耳にそばかすがチャームポイントの少女だ。小柄なアゼル一族の中でも、この母娘はひときわ小柄で、ラタはティナよりも小さかった。


「ラタ、君はまだ十四歳だろ? 今回の雇用条件は成人か、半年以内の成人予定者だけだよ」


 アゼルが諭すように言った。


「で、でもメイドのお仕事は、十四歳でも早くはないもの。そうでしょう? それに、わたしだって春には十五になるわ」


「それは自宅から通える範囲だよ、ラタ。住み込みの募集は、やっぱり成人以上になるんだ」


 ヴァイパーもアゼルに加勢する。

 こちらへ来たばかりの海斗には、王国やこのアルゲンテウス領内の雇用事情はよく分からない。だが、アゼルとヴァイパーが言うのならその通りなんだろうし、なんとなく現代の日本やイギリスより、働き出す年齢が低いことくらいは察している。

 ラタは、薄緑の大きな丸い目を、うるっとさせて黙り込んだ。胸の前で握りしめられた両手は筋が浮かぶほど力が込められていた。


「神父様、どうしても、だめ、ですか? 私……恩返しがしたいんです」


「恩返し?」


 思いがけない言葉に海斗は目を丸くする。


「おとうさんや、おかあさん。おじいちゃんにおばあちゃん、みんなに……」


「その心掛けは立派だけれど、うーん、未成年だからなぁ」


 海斗は、甘やかすのが大得意だと自覚している。十八年間、弟を甘やかし続けて来たのだ。だから甘えられるのに弱いという自覚もある。

 だがやはり、雇用主たる真尋が出した条件は絶対なのだ。ここにいるのが真尋本人ならいざ知らず、代行者である海斗が容易に「いいよ」とは絶対に言えない。

 こんなとき、スマホがあればなぁ、と文明の利器が懐かしくなる。そうすればタップ一つで真尋に相談できるのに。

 正直、海斗が産まれた時には既に携帯電話は当たり前のように普及にしていた。伝書鳩みたいのでしかやり取りができないのは、非常に不便だった。真尋が一日も早く、そういう魔道具を作ってくれるのを心から祈っている。


「一応、真尋神父に聞いてみるけれど、あまり良い返事は期待しないでほしい」


 海斗の言葉にラタは泣きそうな顔で頷いて引き下がった。

 そして母親のルフが「ラター? なにしてるのー?」と呼ぶ声に応えて、ぺこりと頭を下げると、細長い尻尾を揺らしながら去って行ってしまった。


「どうしたんだろうな、ラタ」


 アゼルが不思議そうに首をかしげる。その隣でヴァイパーが何とも言えない顔でこっそりと溜め息を零していた。

 騎士として遠方で働くアゼルが知らない、ラタの何らかの事情をヴァイパーは知っているのかもしれない。だがなんとなく、ヴァイパーがここで言い出さないということは、アゼルには話せないのかもしれないと海斗は問いかけの言葉を飲み込んだ。


「とりあえず、話をしちゃおうか」


 海斗の言葉に二人は頷いて、止まっていた足を小屋の方へと再び動かし始めたのだった。






 夕飯を終え、シャワーを浴びると大分、すっきりとした。

 一路は、簡単なストレッチを終えてベッドに腰かける。ベッドの横にはテントが再び張られていて、ティナが一路と入れ替わりでシャワーを浴びている。何分、人が多いので一路たちはテントのシャワールームを使っているのだ。

 水差しからカップへ水を注いで、喉を潤す。ストレッチ前、少し体が重かったのは一日の大半を寝て過ごしていたからだろう。つまり鈍っているのだ。

 コンコンと聞こえて来たノックの音に「どうぞ」と返せば兄が入って来た。彼はまだ神父服姿だった。


「うん、大分、元気そうだね」


 海斗が嬉しそうに顔をほころばせてこちらにやって来る。


「一日、寝てたからね。おかげで元気だよ」


「うんうん、それはいいことだ。じゃあ明日、明後日とよーく休むように」


 あわよくば復帰をと思ったが、兄は甘くなかった。じとりと睨むが兄はさらりとうけながして、アイテムボックスからベッドの傍に椅子を出した。そして、そこに腰かける。


「兄ちゃん、夕飯は?」


「食べたよ。先にこっちをと思ってね。ところでティナは?」


「シャワー浴びてるよ。用だった?」


「そうだね、あとでもいいんだけど……まずはこれを」


 そう言って兄は、手紙を一通取り出した。一路は、内心で普通に兄と会話ができていることにほっとしながら、それを受け取り、中身を取り出して目を通す。

 真尋からの手紙だが、筆跡はリックのものだった。

 一枚目にはブランレトゥを離れ、グラウでの療養がいよいよ始まったことが書かれていた。

 二枚目には、使用人の採用に関するあれこれが書かれている。


「……使用人の採用かぁ。アゼルさんの一族は確かに適任かもね。真尋くん、アゼルさんのこと気に入ってるし」


「ああ。それでフットマンに、アゼルの甥のヴァイパーが立候補してくれたんだ」


「なるほど。それはいいね。実は僕もスカウトしようか迷ってたんだよ。彼、細々したことによく気づくでしょう? みっちゃんの助けにもなると思って、それに勉学に熱心みたいでね、そういう人を真尋くんは好きでしょ。だから真尋くんに相談してみようかと思ってたんだよ」


 一路の言葉に海斗は「じゃあ、採用の方向で」と頷いた。

 

「……で、問題はこっからなんだけど、もう一人、立候補してくれたんだ。それが……ラタ」


「彼女まだ十三、四じゃなかった?」


 眉を寄せながら兄が出した名前に一路は、目を丸くする。

 アゼル一家は鼬系の一族なので小柄だが、輪をかけて小柄なのが鼠系のラタだった。


「確か、次男さんとこだっけ?」


「ああ。次男夫婦のとこだが、なんかこう、訳アリみたいでさ。すごい必死な感じだったのが気にかかって」


「訳アリ? アゼルさんに聞いたの?」


「聞きたかったんだけど、今日は村の幼馴染に誘われて飲みに行ってるんだよ。明日、アゼルは非番だしね」


 そういえば、と一路は納得する。働きづめはよくないと交替で休みを取っていたのだが、アゼルが「俺の村のことですから!」と全く休もうとしないのでエドワードが先輩命令を出したのだ。エドワードはアゼルより年下だが、騎士歴と階級が上なので、厳格な縦社会で生きるアゼルは逆らえないのである。


「カイトさん、お疲れ様です」


 テントからひょっこりとティナが顔を出す。寝間着のワンピースにガウンを羽織っていた。一路が自分の隣をぽんぽんと手で叩けばティナは素直にそこに座ってくれる。


「カイトさん、よければシャワーどうぞ」


「ありがとう。でもその前に、ティナにも聞いて欲しいんだけど」


 そう言って海斗が一路に説明したのと同じことをティナにも話した。


「ヴァイパーさんはともかく、ラタちゃんが……十四歳ですから働くこと自体はおかしくはないですけど、流石にブランレトゥほど遠いのは親御さんは心配ですよね」


 ティナの言う通り、王国では手習い所を卒業する十三歳頃から働き出すのは、おかしな話ではない。だが、そうは言っても、とくに女性は成人するまでは実家で暮らし、仕事場ヘは通うのが一般的だそうだ。前にプリシラに教えてもらった。


「相談するまでもなく、未成年である以上、却下だと思うよ」


 一路の言葉に海斗が「だよなぁ」と頭を掻いた。


「ただ、俺はどうしても『恩返し』って言葉が気になってさ。育ててくれた恩を返すなら、恩返しって言うより『親孝行』だろ?」


「それはまあ、そうだねぇ」


 その時またノックの音がして「どうぞ」と返す。エドワードかと思ったが、顔を出したのはヴァイパーだった。手にトレーを持っていて、湯気が立つカップが乗っている。


「紅茶を淹れたんです。よければいかがですか?」


「いい匂いだ。俺は貰おうかな」


「僕も」


「あの、私も」


 ヴァイパーが中へ入って来て、差し出されたトレーの上から木製のカップに入った紅茶をそれぞれ受け取る。甘くみずみずしい葡萄の香りが紅茶の爽やかな香りと相まって、とても落ち着く。


「ん、美味しい。ほんのり甘いけれど、自然でいいね。これも村の特産かい?」


「ありがとうございます。……これは僕がブレンドしたんです。紅茶が好きでして、行商の人に頼んで個人的に購入しているんです」


「ますますフットマンとして欲しくなっちゃうねぇ」


 一路の言葉にヴァイパーは、気恥ずかしそうに頬を掻いた。

 ヴァイパーは既に家を出ている長女夫婦の息子だが、アゼルの一族は村内に固まって住んでいるので、皆、それぞれの家に好きなように出入りしている。


「ヴァイパー、少し時間はあるかい? 聞きたいことがあるんだけど」


「はい。大丈夫です。……ラタのことですか?」


「……察しが良いっていうのも加点しておくよ」


 苦笑交じりに言って、海斗が椅子をもう一脚取り出した。ヴァイパーは少し驚いた様子だったが、示されるままトレーを抱えるようにしてそこに座った。


「ラタは、僕たちとは従兄弟同士ですけど、正確には血は繋がってないんです。でも、ラタとルフおばさんは、赤の他人じゃないんです。伯母と姪の関係で、ラタの本当の母親は、ルフおばさんの妹なんです」


「なるほど。じゃあ、次男さんとこの養子ってこと?」


「はい。僕も子どもだったので詳しいことは知らないんですが、ラタが四つの頃……今から十年前ですね。ラタの母親が、ルフおばさんのところにいきなりやって来て、ラタを……置いて行ったんです」


 ヴァイパーの曇った表情から、置いて行った理由があまり良いものではないと推測できた。


「当時、僕ら子どもには大人はちゃんと話してくれなくて、そのことは今も禁忌の話題で……当時でも噂は子どもの耳にも入ります。正しいかどうかはさておき、ラタの母親とルフおばさんは、森の中の集落の出身なんですが、ラタの母親は親の反対を押し切って、旅商人の男と駆け落ち。でも捨てられて、今度は別の男と一緒になるから、いらないって言ってラタを姉のルフおばさんのところに」


「真尋くんがいなくてよかったね。こういう話、大嫌いだから」


 一路の感想に海斗とティナが深く頷き、ヴァイパーは困ったように眉を下げた。


「ただ誤解しないでほしいのは、ルフおばさん夫婦は、ラタを養子に向かえて、実子と同じように大事に育ててますよ。じいちゃんやばあちゃんだって、僕たち血のつながった孫とラタを差別したことも区別したことも一度だってないです。僕たち従兄弟だって、ラタは大事な家族だって胸を張って言えます。でも、なんだか年を経るにつれ、思うところがあるみたいで……ラタは自分が捨てられたって、知ってますから」


「四歳じゃ、なんとなくでも物事は分かってて、記憶はあるもんな」


 海斗の言葉にヴァイパーは頷いた。


「ところでラタに関することで、アゼルには言えないことがあるのかい? あの時、何か言いたげだっただろう?」


 海斗の指摘に、ヴァイパーはあからさまな困り顔になった。


「いえ、あー、とても個人的なことなので……僕が勝手に人に言うのは違うと思うし、ラタ本人から僕が思っていることが正解だって言われているわけでもないんです」


「誠実なところも加点しておくよ。……ただ、犯罪に巻き込まれてるとか、そういうことじゃないよね?」


 ヴァイパーはぶんぶんと首を横に振った。


「まさか、違います。……本当に個人的な、その心のありようというか、なんというか」


 しどろもどろになったヴァイパーに一路は首をかしげる。

 だが、兄とティナは何かが分かったようだった。海斗が「なるほどね」と頷いて、肩を竦めた。あとでティナにどういうことか聞いてみようと思いながら一路は口を開く。


「なにはともあれ事情は分かるんだけど……やっぱり、きちんと大事にしてくれる家族がいる以上、うちじゃ未成年は雇えないよねえ」


「だな。真尋はその辺、厳しいからな。一応、ヴァイパーだけじゃなく、ラタのことも併せて報告する。ヴァイパー、君は採用になるだろうから荷物の仕度をしておくようにね。正直、いつ帰還になるかは分からないんだ。だからいつでも出られるようにしておいてほしい。でも、基本的に衣食住は保証されるから安心して」


「はい、ありがとうございます。あの……先ほども言った通り、紅茶が趣味でして……かなりの量の茶葉があって」


 喜色を浮かべたヴァイパーだったが、そのあと何だか申し訳なそうに眉を下げた。


「もちろん、持って来てくれてかまわないよ」


「でもその、専用の棚があるほどで」


「だったら、君がよければ俺か一路のアイテムボックスに入れていけばいいよ」


「僕と兄ちゃんの故郷では紅茶は日常の一部でね。今からとても楽しみだよ」


 ヴァイパーは安心したように笑った。

 後日出発の日に、その棚が海斗の背丈ほどあるものだったことに驚くのを一路たちはまだ知らない。


「あの、でしたらまたこうして寝る前にでもお持ちしてもいいですか? 皆は大体、夜はお酒派で……」


「いいの? 嬉しいなぁ。楽しみにしてるね」


「ありがとうございます。じゃあ、今夜はこのへんで。また明日も、よろしくお願いします」


「ああ。色々とありがとう。結果は一週間以内には出ると思うから、その時にまた伝えるよ」


「はい。では、おやすみなさい」


 ヴァイパーは、さりげなく空になったカップも回収して、一礼して部屋を出て行った。


「うん、みっちゃんの教育を受けたら化けそうだね」


 一路は満足げに頷いた。


「さて、真尋に報告書を送らないとな」


「兄ちゃん、今日の仕事分があるんでしょ? ヴァイパーくんのは僕が書くよ」


「……じゃあ、元気そうだし、特別だぞ。先にシャワー浴びて来るな」


 海斗は、一路をじっと見つめた後、苦笑を一つ零して椅子から立ち上がり、一路の頭をポンと撫でるとテントの中へと入って行った。

 その背を見送り、一路はアイテムボックスからベッドテーブルを出して、ついでにペンと紙も用意する。

 見ては悪いと思ったのか立ち上がろうとしたティナの腕を掴んで引き留める。


「いいよ。真尋くん宛てだし、傍に居て」


「じゃあ、お言葉に甘えて」


 ティナが一路の隣に座り直す。


「ティナはヴァイパーくんをどう思う?」


「優しいですよね。ちょっとサヴィラくんに似ているなって」


「言われてみると確かに。気が利くし、面倒見もいいし、同じ有鱗族だしね」


 他愛のない話をしながら一路はペンを走らせる。

 ヴァイパーのことはもちろん、ラタのこともきちんと書き記しておく。


「やっぱり田舎だと、男性の仕事は力仕事が主なんですよ。ヴァイパーくんが望むような事務職はブランレトゥのような大きな町なら男女問わず溢れてますけど……村のギルドも村長さん一家でまかなえてしまいますから」


「就職先の選択肢が少ないんだろうね。この村は良い村だけど、やっぱりブランレトゥに比べると生活水準は低いし、学力にも大きく差がある。そんな中、騎士になったアゼルさんは本当にすごいんだろうね」


「そうですね。騎士の試験は大変だって聞きますし」


「みんな、ブランレトゥで試験を受けるの?」


「いえ。確か森の向こうの町に大きな支部があるのでここら辺のひとはそこで試験を受けるはずです。アルゲンテウス領は広いので幾つかの区画に分けられているってクイリーンさんが言っていました」


「なるほどねぇ」


 ふむふむと頷きながら、最後にサインをする。

 一路の勘――というより幼馴染としての確信だが、真尋はヴァイパーを気にいるだろう。ヴァイパーはサヴィラにも似ているが、彼のお気に入りであるリックに似ている。

 一方のラタは、やはり不採用になるだろう。真尋は、そもそも子どもを働かせるという考えが嫌いだ。彼は貧民街の子どもたちの労働について酷く頭を悩ませているほどだ。もちろん山猫亭のローサのように本人の意思で家業を手伝うといった話は別だが、そうでなければ彼は納得しないだろう。ただ十六歳以上であれば、現代ではアルバイトができるようになる年齢だったので許してくれたかもしれない。

 だがラタはまだ十四歳の子どもだ。それにアゼル一族の場合、ラタ以外に適任の稼ぎ手がたくさんいるのだから余計に採用許可は下りないだろう。


「お屋敷がまた賑やかになりますね。……ただヴァイパーくんは、毒蛇系だって言っていたので、キース先生が嬉々として毒を採取しそうですけど……」


「……そうなの? ……マヒロくんも同じことしそうなんだけど……あ、でも大丈夫。今の僕らには雪ちゃん……がいるんだけど、雪ちゃんは真尋くんが活き活きしてるの見るの好きなんだよね」


 雪乃は止めてくれる時は止めてくれるが、そうでない時は全く止めてくれないのである。


「…………ヴァイパーくんに腹をくくってもらっておいたほうがいい気がする」


「……そうですね」


 一路の呟きにティナが苦笑交じりに頷いたのだった。

ここまで読んで下さって、ありがとうございます。

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長らくお待たせいたしました!

祖父が大往生致しまして、葬儀諸々に追われておりました!!


明日も更新予定です!

次のお話も楽しんで頂けますと、幸いです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ロビン、おっきくなったね…ロボ達くらいまで育つのもあと少し? そして竜と狼(そんな簡単に纏めちゃいけない種類)が戯れてて「あ、ポチさん!」で済むようになってしまったアゼル、メンタルの成長力…
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