プロローグである。
「おい、ブス! 今日の宿題やっとけよ!」
「は、はい、すみません……」
こんな会話はいつものことなので別に傷つくこともない。
いわゆるクラスの派手グループの女子には宿題やっとけだの当番代われだのあいつの告白断ってこいだのと幅広く雑用を言い渡されては従う。
かなり悪質な『いじめ』である。
私、和泉 葵は目が悪くて黒縁ぐるぐる眼鏡に黒髪おさげ、そしてまったくおしゃれに興味がなくスカートは膝下三十センチメートル程度を守っている。
まあ必ず一クラスに一人はいるであろう委員長のような見た目の地味女子だ。
……ということにしている。
幼稚園児の頃、私は帰る時に誘拐されたことがある。
お金を出しどうにか帰ることができたが、それから人間恐怖症になってしまった。
それまでは子役事務所に入って将来女優になるために頑張っていたりもした。
だがその一件をきっかけに私はこの姿になった。
親と七つ年上の兄にしか素顔は知られていないはず……だった。
あの時あの場所を通らなければ、私の素顔をあいつに知られてしまうなんてことはなかったはずだったのに。
これは私がとある人に出会ってなんたらかんたらある……という物語である。
ちょっとありえないけれど、ちょっとありえる話。
ちょっと心があたたかくなったり、ちょっと自信を持ったりできるようなお話を書いていきたいと思います。
なろうで書くのも二回目。
ちょっとでも慣れていけたら良いなと思っています。
ちなみに。
『じみなざっそうはめがねをはずすとうつくしきばらだった。』と読みます。
長いので略称募集中。
コメントやレビューで待ってます。
今のところは『ざっばら』とか?笑
よろしくお願いいたします。