各種神話設定&キャラ裏話
ここまでお読み頂き本当にありがとうございました!
北欧神話を中心に様々な神話から色々ぶん取って作られたこの作品。たまに『なんだろうこの単語』って思う物とかあったと思います。読み流せるように前後の文で「何となく」は書いていましたが一応解説あった方がいいかな、と言う部分や、キャラの設定&内面を掘り下げて語ってみたいと思います。
完結したと思ってやりたい放題いっちゃいます。
【クリス】
主人公に昇格した元男の子な女の子。
ただ響きがいいだけでつけてしまった名前と苗字。重要人物ではあるが十数年前の設定では元々男の子でヒロインなわけでも無かったのでそんなに深い設定は名前に無い。いやー、ここまで読んで貰えると思ってなかったんです、やっちまった。
主人公に格上げされた経緯は、小説化にあたって「エリオットでは物事を知りすぎている。知らない子を主人公にしたほうが疑問点を浮かび上がらせやすい」という理由から。
主人公に格上げするとどうしてもヒロインがレクチェでは辻褄が合わなくなってくる為、ここでクリス自身をヒロインにしてエリオットとくっつける事で方向を固める。これも数年前の話で、そこから矛盾を潰す為の脳内構想が数年間続きました。
第一部はほぼ元々の設定と変わりない進みだけど第二部以降はこのせいで随分と十年前のストーリーから変更されており書きながらヒヤヒヤしました。
どうしてもその生い立ち故にエリオットよりも影を背負いやすい子です。そしてすぐに染まる。
よく泣きよく怒るくせに、よく笑うわけでは無い。また、姉の存在が大きすぎて色々な部分で不自由になります。クリス自身が言うように本当はとても弱くて甘えたがりなのに、環境がそうはさせてくれなかったのでどこか不安定。作中では『弱さ』の象徴かってくらいに描写した気がします。
私の中での「幼さ故の悪い面」を色々出して貰いました。勿論、だからこそそれが良い方に発展する時もありますが。
大人になった女として見ると昔の自分を見ているようで時々凄まじくウザいんですが(ちょw)同時に色んな青臭さが懐かしいとも思えるキャラでした。
友人曰くこの作品は「クリスの多感な時期を切り取った」終わり方らしいです。ジャンル、青春でも良かったかも知れないね!
【エリオっちゃん】
王子様ならエリオットでしょう、と言う安直な思考による名前が決まってしまった可哀想な元主人公。
フルネームに入っている「アルフォズル」はオーディンの呼び名の一つである万物の神アルフォズルから持ってきました。エリオットの最終的な立場として、ビフレストよりも上位となる新しい神の器なので、偉い人の名前を入れたかったのです。昔はこんなに凝った名前にしていないので、小説化にあたっての変更部分です。
元々良い子を演じる坊ちゃんとして育っているので、成長した後に性格がやや?荒んだものの、家族を父上兄上などとつい呼んでしまう癖が抜けていない。それと情のある相手には何だかんだで非情になりきれない、ここらはフィクサーと被ってますね。
また師匠であるルフィーナが初恋の相手である為、比較的彼女に似たタイプの女性を選んでしまう傾向があります。多分城という閉鎖空間で育った彼にとって、外から来た媚びない女性はとても新鮮なものだったなんていうアレ。再開後に昔と見た目が変わってないってのも大きいですよねきっと。エルフ美味しいです。
クリスに惹かれていくのも、根本のところは多分王子扱いされない空間が心地よいのでしょう。
精神描写に関しては、抑圧された末にめんどくせえと放り投げた感が否めない奴です(笑)土台にそれを置きつつ、後は私の経験上の男のムカつく(でも私は憎めない)部分を詰め込みました。基本賢いから分かった上で全部やってるし、その結果はきちんと受け止める。ある意味ストレスをためない利口な生き方。
それに気を遣う時は他人の二、三歩先まで遣う。気遣いは気遣いだと周囲に伝わると逆に無駄になる時がある、と言う私の考えからでしょうか。敢えて汚れ役を引き受けているシーンを幾度と無く書いております。
そのことに関しては最終的にクリスも気付いてしまいましたが、気付けるくらいに相手を見ている間柄こそが男女関係無く、将来的に長い付き合いになるんじゃないかな、と大人になって残った人間関係を見ていると思います。
多分、日本的血液型性格診断に当てはめるならばモロB型男って奴です。面白おかしくてサバサバしてるし友達にはいいけど付き合うと大変。
続いては北欧神話が元ネタ満載の精霊&武器達です。
ニールの元ネタは勿論『グングニル』。必ず手元に戻ってくる槍で、そして投げ槍ですので、これらの設定を組み込むべく「投げてこそ本領を発揮する」「呼べば戻ってくる」という能力にしました。グングニルの槍の柄はトネリコの木で出来ている為折れる事が無いので、第一部の壊れた時の描写も刃だけを壊しています。
ちなみに第一部第五章でダインがローズの手元から離れた時わざわざ歩いて取りに行ったのは、ダインには「呼んで戻ってくる」能力が無いからです。
そしてダイン。こちらは『ダーインスレイヴ』が元ネタ。抜いたからには血を見なくては鞘に納まらない呪いの大剣。仲が良かった二人の王が争わされた際に抜いた剣という元ネタから、クリスとローズを何となく重ねて採用。
レヴァは『レーヴァテイン』が元ネタで、ラグナロクの際に世界を焼き尽くす炎の剣です。レーヴァテインは「絶望」という名の箱に納められていた剣で、その箱をクリスとして描写。
章題にあった「害成す魔の枝」とはレーヴァテインの直訳です。第二部第二章でまず剣だけ出現しましたが、その出現はレイアから貰った特殊な剣に竜の血がかかる事によって生成されたという流れです。
一応元の剣の初描写の時にきちんと「レイアさんから貰った」と書いていますが間違いなく読み流されているレベル(笑)
ちなみにレイアの苗字はヴィドフニル。ヴィドフニルとはレーヴァテインを手に入れる為に必要な羽を持っている鳥の名なのでした。何とまぁ微妙な繋がりw
ラグナロクを終結させる際にこの剣は世界の全てを焼き尽くしますが、それにも関わらず一部の神々は生き残るのです。そんな不思議な剣なんだしご都合主義的な使い方が出来てもいいよねっと、あんな結末にしました。倒すべきものだけ倒して、残るものは残る。素敵な剣ですね。
説によってレーヴァテインとスルトの炎の剣(固有名詞無し)は同一視される場合とされない場合がありますが、本作では同一視させて頂きました。
また、クラッサがいくつも精霊武器を使っていますが、まず一本目。
メインとしているショートソードの描写の元ネタは『ヴィーティング』と言う癒しの剣です。青い宝石により持ち主を癒し、その切れ味は鋭いそうです。切れ味はどうでもいいね!
そして槌。こちらの元ネタは『ミョルニル』です。ミョルニルとグングニルの特性はほぼ同一なので、彫られている紋様が同じ、と言う描写にしました。ミョルニルのオリジナルな特性として雷の属性と「サイズ変更可能」と言うものがあり、ほんのりとこちらも使用してます。章題にした「打ち砕くもの」とは、ミョルニルの直訳です。
次に弩。これは『ヨウカハイネンの弩』が元。弦も矢もかなりの高価材料を使われる素敵な弩で、先には猛毒、一度撃てば天や地を切り裂くそうですが未使用で終わりました(爆)この弩の本質は「復讐」であり、クラッサが持つには相性が良さそうなブツであります。
残念なことに北欧神話では鞭が出てこないので鞭は完全創作。故に武器として使うのはやめておきました。
精霊武器達「再生」の際の材料となる武器達の元ネタもあります。
ニールのは『グラーシーザ』という持ち主がころころ変わる剣で、作中描写の通り、途中で折れて槍に打ち直されます。ちなみにこの槍、復讐する為の武器として強く描写される為、セオリーを討つにはピッタリの槍だったわけです。復讐の武器多いね、北欧神話。
元に戻れなかったダインの大剣は『バルムンク』で、グラムって名前の方が某作品の影響で有名かも知れませんね。バルムンクにも呪術的なものが無いのですが、神話ではグングニルに壊される剣なのでダイン本体の元ネタ候補としてかなり悩んだ武器です。結局呪いの方を優先してダーインスレイヴを選びましたが、これでよかったのだ。
ではまたキャラ裏話に。
【レクたん】
またの名を『ビフレスト』。天使をイメージした元ヒロイン。今作においても地味にヒロイン要素満載で、クリスが女なのにも関わらず、クリスに対してのヒロインみたいなことになっている終盤。
ビフレストとは北欧神話で地上からアスガルド(神の国)にかかる虹の橋です。神の元へ繋がる者としてこの名前に。
ちなみにレクチェとは新潟名産の洋梨。おいしいらしいよ! 作者は果物全般食べられないので知らない。でも名前が可愛いから好き。新潟名産なので何となく作中では「北の地方の果物」にしてみました。新潟は北じゃねえ。雪国だけど。
かなりの善人として書きましたが、捻くれ作者なのでそこにすら突っ込みを入れています。でも本心じゃないよ、素直にこんな風にあったならいいとは思っています。
ごく一般的と呼ばれる善の判断基準、そこに情もきちんと加わりつつ、罪に対しても僅かながらの罰をもって抱擁する。更に精神面に関しても独自の価値観において、護り救おうとする。
けれどどんなに正しそうに見えてもそれは押し付けではないのか。どうしても生まれてくる矛盾に悩まないわけではないが、最終的には自身の信念のもと、前向きに動きます。
それをライトに様々な意味をも込めて「自分勝手」だと指摘させることで読者に問いかけてみました。
良い子なんだけれどその立場を捨てると途端に微天然の普通の女の子に戻るところもポイントです。実は作者の理想なのかも知れません。元ヒロインだし。
【ルフィーナ嬢】
面倒臭い大人エルフトリオの一人ですが、価値観としてはかなりマトモなはず。ほとんど昔からの設定変更が無いので書きやすかったです。
エルフ設定の王道である長い耳や知識人と言った設定を作りつつ、そこに妹のくせしてアネゴ肌、加えてショタコン・ヲタク要素をつぎ込んだある意味爆弾キャラ。しかもストーリーの本筋的にはブラコン要素も入りますからね。どこまでいくの!
メイン武器はロッドでしたが、魔法使いってわけではなくて元々は研究者、登場時は図書館勤務の姉ちゃん。本に精通している設定を活かしてのくだりと、薄い本も好きなあたりがお気に入りです。
背景として跡継ぎ絡みの面倒な人間関係がありますが、それよりも昼ドラ的な恋愛関係のほうが百倍重かった(笑)エルフ三人だけで長編小説もう一本書けそうな勢い。絶対書かない。
直球描写は控えましたが、近親恋愛から発展した憎悪がありました。そんな感情がある時点でフィクさんに興味が向くわけもなく、問答無用で虐げる。兄には普段そんなこと出来ないくせに! 逆に言えばそれは心を許せるからであって、あくまで兄ちゃんに対するのは憧れに近い恋愛感情だったのだと思います。昔は、ね。
レクチェに関しては良い意味で影響されており、一時期荒んでいた価値観を戻してマトモな社会に復帰出来ていたのは彼女のお陰なはず。
作中での精神描写の立ち位置では、レクチェよりも「正論寄り」ですかね。代わりに少し情が欠け、でもだからこそ後のことや全体を見通して判断出来る。宇宙戦艦モノで言うなら艦長に近い判断を下せるでしょう(どんな例えww)
【ローズ姉】
現時点でほぼクリスとエリ雄の思い出上でしか出てきていない子なので、読者様から色々な想像をされていそうですね。
早々に死んだ上に死ぬのがストーリーの完全なる一部、妹想いという以外は謎の人物です。
昔は読者の好き嫌いがかなり分かれるキャラでした。Sじゃないよ。単にひたすら何者も精神的に寄せ付けないだけ。全てにおいて「そう」と肯定する返事をしながら「ま、関係ないけど」と踏み躙る感じでしょうか。
目的の為に手段を選んでいないところとか、フィクさんに近いかも。でもフィクさんと違って自分の為じゃなくてクリスの為。
【フォウ】
昔は四つ目ショタでクリスのお友達&エリ雄の子分気味設定だったのに、どうしてこうなった。クリスが主人公昇格により大幅に役柄上昇した奴です。
苗字のトリシューラはヒンドゥー教のシヴァの持つ三又の鉾で、種族であるルドラは、そのシヴァの前身となったと言われるヴェーダ神話の神様。
誰に対しても理解者で居られる能力を持ちつつも、その発言から結局人間関係で損をしています。黙っていることも出来るけれど基本「言ってやったほうが相手のためになる」精神。相手の気持ちを逆撫ですることも分かっているけれど、それで嫌われるなら仕方ない、と割とドライ。
情があるように見えて、単に「しないと気が済まない」感じ。つまりはまだ若い。
こうやって分析するとファンが多いのが不思議だ(爆)精神的なものはさておき、実際の行動は優しいからかな?
【雌d…じゃなかった、レイア】
苗字の由来はクリスのところ参照です。家族が大好きで、刀剣マニアで、男らしさの中にきちんと女も持ち合わせている万能選手。でも実はちょっとだけヌケている。
鳥人という設定でとにかく足が速くて身のこなしが軽いです。耳は名残羽の根元あたりに穴があるらしい。獣人と仲はよくないが、我慢強いのでそういった感情をきちんと横におくことの出来る器用さは一応持ち合わせている。本人的に、エリ雄のほうがよっぽどかき乱してくれると思っているはずだ(笑)
正論、というよりは正義、を振るう傾向が若干あります。諸刃の剣になりかねないそれですが、持ち前の優しさが前面に押し出されているお陰で成り立っている感。ちゃんとそんな自身を振り返ることも出来る子です。
※もっと深く語りたいローズ、フォウ、レイアの三人ですが敢えて短く語らせて頂きました。出番がこの後もあるんでね!
【ライト】
エリ雄の幼馴染でお医者さんという以外は本筋に深く関わってこない本当の意味でサブキャラ。なのにキャラが強い。獣人、美形(設定上はね)、眼鏡、クール、ロリコン。横に居てぶすぶすと釘を刺してくれるお兄様でした。
名前由来は散々色々なところで語りましたが左右です。双子だし、なノリ。小説化で変更も考えましたがもはや愛着がわいていて無理でした。ライトはライトじゃなかったらライトじゃないんだよ(何)ちなみにフォウも似たような名前由来ですね。あちらも同様に愛着が(略)で変更出来なかった。まぁ分かりやすくてヨシ。
恋愛観は「女より趣味」なイメージで、居るに越したこと無いんだけど居なくてもいい感じ。選ぶことに不自由はしないはずなのですが、逆に彼女になる子が可哀想だ、と冷静な視点で己を見つめて控えているらしい。
精神的な立ち位置としては、親友だろうが好きな子だろうが何だろうが、自身の中の天秤にかけて判断し、駄目なものは駄目と言う。
自分が迷惑被るのはそこまで気にしていないけれど、彼には許せないポイントというものが存在していて、そこに触れると我を出してきます。お気づきかと思いますが「生を軽んじる」のが嫌いです。動かせない事情があり結果としてそうなることまでは咎めませんが、死を選ぶくらいならば出来ることが山ほどある、という考えによりとにかく怒る。
これは私の経験談もあって追加された気がします。ガチで死の瀬戸際に意識がある状態で三日間立たされてみると多分人生観が変わりますよ(何)
それ以外では基本的に何事においても「中立」なキャラで、ルフィーナ同様に全体を見て判断しつつ、そこに「精神的な望み」も加味して判断するタイプです。本人がそれで満足するのなら、それもいいだろう、とかなり広い心の持ち主…かと思いきや、実は受け止めているのではなく、受け流しているだけ。
そして他人の視線が気にならない人なので言葉遣いが何にしても乱暴だし、勿体無い発言が多いようです(笑)
【レフト】
名前由来やらは兄同様。プラス、隠れ巨乳、クリス以上の食欲魔人、怒ると怖い、といったステータスの持ち主です。ライトもですがこの双子は年齢の割には顔がちょっと幼いという設定があるのに、挿絵ではなかなか表現が出来ません(爆)
お兄様離れをする気が無いようなので、嫁に行くのはいつの日か。食費だけ考えると追い出したいレベルらしいけれど、家事万能なので嫁にやるのも兄的には惜しいのだと思います。
おっとりしているので気付かれにくいけれど、兄と同レベルの洞察力を持っていて、女性な分、更に見ているところは見ている人。
価値観としては双子でずっと一緒に居るだけあってこちらもほぼ同様。でも気の遣い方が兄とは段違いに優しいんですけどね!
かけて欲しいはずの言葉はきちんとかけるし、空気を読んで時にはとぼけ、スルーするところはスルーします。
「安易に触れない優しさ」というものはこれまた分かり難いと思うのですが、痛い子に触れないとか間違いをスルーするとかそういうものではなく、相手の性格まで考慮して「その時がくるまでじっと待つ」…これ出来る人って結構少ない。良かれと思って早々に構っちゃうか、逆に完全に構わないか。前者は自分の価値観で動いて逆に失敗なケース、後者は場合によっては成功することもあるけれど優しさとはちょっと違う。
短い一言を挟むことが多い子でしたが、完全に「考えてから言葉を発する」タイプでした。表面上の言葉の意味だけではなく、どんな気持ちを込めて言っていたのか考えて貰えたら幸いです。
【フィクさん】
第一部に一度だけ出てきた本名「ユング」は豊穣神フレイの別名。
ややこしかった過去語りを簡潔にまとめますと、セオさんとルフィーナの幼馴染で両親を早くに亡くしています。二人を傍で見つつも他人の恋愛事情に鈍感なのが仇となり、三人の関係をこじらせた張本人です。
彼がルフィーナに告白してフラれたことが原因でセオさんの神経すり減らし、それによって里を出ることにしたセオさんに、傷心ついでに原因の一人であるテメェが着いて行くという暴挙が出来ちゃう鈍さ。
フィクさんとしては二人とも好きだから、もし二人の感情を察することが出来ていたなら絶対にこんな流れにはなっていない。
第一部と第三部で書いたと思いますが里を出た後は二人で一度エルヴァンの下について神・女神絡みの異変・異常の調査の役目にあたっており、その道中で核心と接触してしまうことが物語の根幹となっています。
身体異常は触覚を失うというかなりでかい異常で、それを最初から知っていたのはセオさんのみ。怨みも勿論芽生えたがそれ以上に元に戻りたい、そしてその為ならば多くの犠牲をも厭わない。作者的にはその行動、動機などを見ると当作品内でもかなり上位で「人間らしい奴」だと思っています。ラストでは一番それが強く出たのではないでしょうか。誰かを助ける為にクリスを援護したのではなく、自身の醜い感情からの行動でしたから。
しかし悪に染まりきれるわけでもなく、感覚はあくまで普通の人のそれ。染まる手を見ては心を痛め、なのに止まれない。
恋愛面においても言ってしまえば自分勝手。相手の気持ちよりも自分を優先している節が多々。けれど誰からもそんな指摘がこない、むしろ好かれているキャラなのは彼のそれは「普通」だからかなと思います。
作品通してとにかく普通。普通の良い人に潜む自然な悪を彼に感じて頂けたなら本望なのですが、多分ほぼ感じて貰えていない。混ぜ過ぎたコメディのせいだろう(爆)
フィクさんって、多分現実社会においても良い人ポジなんですよ。基本優しい感じだし、友達想いだし、こんな酷いことしている理由だってとんだ不運からきたものだし。
でもどんな良い人にも悪い面は垣間見える。好きな人よりも結局は自分が大事だったり、むしろ自分を本気で他人より下に扱える人ってのは少ない。フィクさんの感覚がきっと普通。そして苦労人。
【セオさん】
本名「スクイル」はフレイの幼馴染の別読み。役割的にもフレイの召使なので、そのままフィクさんの部下として当作品でも重なっております。
結局読者が理解に苦しんだであろう「コイツ、結局誰が好きで歪んだん?」ですが、掲示板でちょい書きましたが作者脳内で三パターン想定されております。だからこそ分かり難い。まず義母妹。次に親友。最後に、両方。
これらはルフィーナが一応「どれなのかしら」とぼんやり第三部第十三章で語っておりましたが、私独特の「確定した単語を出さないで想像させる」描写のおかげで分かり難かったですねゴメンナサイ。
三パターンのどれだとしても叶うはずのない想いであり、距離を置くことを選んだにも関わらずフィクさんがKYだったことで全てが狂う。
降りかかった異常は精神異常。具体的に言うならば「悪意の増長増幅」で、ただ単に嫌だっただけのもの全てに極端なまでの殺意と憎しみを抱くようになります。揉め事の一因だった両親・里の連中、恋愛関係での悩みの種な義母妹と親友もその対象に入る。
けれど殺意が芽生えようと、最初から嫌いな両親などと違って二人への情が消えたわけでもなく、本当は自分が消えたら一番いいのだ、とも気付いていた。だからフィクさんとは対照的に生への執着が無く、自分を含む誰かの死による解放だけを求めていたのです。
ただこれらはいわゆる近親&同性愛というもので誰にも気付かれるわけにはいかない。隠し通そうとするがあまり、結局彼の精神異常自体までもが気付かれることなくこの結末を生んだ、みたいな感じ。
作品全体的にコイツの描写は自主規制の嵐でした。本気でキャラの好きにさせると余裕でエログロ18禁コースに突入するため、控えおろう状態。
異常を発する前はエロくも比較的普通の文武両道お兄さんだったはず。エリ雄と同Lvのチートキャラ。コメディ部分で見受けられるように「誘いボケ」です。わざとボケてツッコミ待ち。
異常後はもう人の嫌がることが全部好きなノリ。好きな人も虐めたいし、嫌いな奴も虐めたい、自分も虐めたい。フィクさんは一時彼をドMなのかと思ってましたが、これぞ常人には理解不能なドSの極致です。
【クラさん】
名前の由来は確か、とある専門用語です。何しろ昔はちょい役だったので意味は無い(爆)
生い立ちの詳細はかなりやんわりとしか本文描写しておりませんでしたが、本文で読み取れる部分を簡潔にまとめますと、両親おらずの兄と二人暮らしが、兄死亡により遠い親戚のもとで過ごすことになり、そこで虐待を受けていた。親戚のところで暮らす前から天才少女で、そこへフィクさんが目をつけた、ことだけはぎりぎり書いてあるはず。
ここからは本文に書いていませんが、ある程度大きくなってから親戚に引き取られた為馴染めなかった模様。あの通り性格は外面クールですし頭脳明晰ともなるとね。虐待内容も明らかにしていませんが、虐待と呼べる一通りのもの全て、と作者脳内では設定しております。
フィクさんがやることで今後どうなるのか興味がある。遺物に直接触れる機会が増えるのも楽しい。途中、エリ雄の存在に目をつけてからの流れは、更に間接的に復讐の機会が出来た。
彼女にとってどれもがフィクさんの傍に居て手を貸すに値する理由であり、彼女の行動理由は一つでは無い←これもややこしさの一因
直接城に潜入してレイアやエリ雄と接し、情が芽生えなかったわけではないが、それ以上にフィクさんへの情のほうが強かったようです。
セオさんほど歪んでいないものの、十分に悪キャラ。
彼女の思考はレイア戦やエマ子戦で結構明らかになっていたとは思いますが、何故そういう思考に辿り着いたかって部分が腑に落ちない場合の補足だけしておきます。
学ぶような歴史というものは大半が過ち。それらをいつまでも繰り返すのが人間。彼女の場合はその学んだ内容を全て悪い方向に転換しています。
それらから逃げるには善や正義ではなく、自分も染まるのがてっとり早い。このあたりの精神描写ではセオさんが共感していました。
いわゆる悪を倒すには悪、といったものでしょうか。理由は何にせよ彼女を救ったのはフィクさんで、その行動は一般から見たなら悪。でも自分にとっての結果が良かったならそれでもいい。
もし助けてくれたのがフィクさんじゃなくて警察とかそんなのだったら、彼女の中での結論はきっと変わっていた…と思う。
人の考えを左右するのは文字や言葉よりも、結局は実体験が一番強い。知識で学ぶ程度ではそれらを活かせない、だからこそ人間は過去の過ちを繰り返す。そんな皮肉的な私の精神が見事に出た子でした。
つまりは親に何と「将来後悔するぞ、こうしなさい」と言われようが、子どもは大抵それを聞き入れられずに失敗するということです(台無しな例え)
コメディ部分では素ボケ。暴言吐いてるようで実は彼女からすればそんな部分がまたイイと思ってむしろ褒めているつもり。なのに言われる度に受けるフィクさんのダメージは計り知れない。
【エマ子】
名前の意味は「神は我らと共に居る」、その名の通り女王からはまず最初に期待されていた王子であり、結果はあの通り。
ミスラと接触するまでは夢を魔術への理解へと繋げることが出来ずに、それまではただの歪んだ盲目さん。耳だけはよくなっちゃいましたけど。
魔術理解とか詳細語るとウザイ小説になりそうで語っていないのですが、簡単に言うと「料理のレシピ本を持っていようが、大さじ小さじの量や材料の名前を知らなければ作れない」って感じです。今のエリ雄がそんな感じで四苦八苦してますな(笑)フィクさん達は時間があったので自分達で理解するに至ってます。
エマ子の精神的なものは第二部終盤で掘り下げたので語る必要が無いな…268P読んでください(笑)エリ雄への憎悪に関しては355Pです。
こんな感じで他キャラも本文中に挟めたらよかったんですけど、出番少ないエマ子やクラさんの闇を本文で比較的挟めたのはアレです。エリクリとの接触シーンが少ないから。三人称神視点のターンじゃないと、語れないんですよ(苦)エリクリが居ると自動的に一人称になるからね!
クラさんの復讐対象でありながら、彼女に近い闇を持っている。ただその矛先が対なだけで…
純粋な悪意、故に純粋に好意を向けることも出来る。だから好意を向けられると割と素直。コメディ要素が入っていたものの、たまにそういう描写はしてみました。
ラストで一番皆さんが気になっていそうな彼の「その後」ですが、実はこの人クリスと一度も接触していなーい(笑)ので、書けなかった。クリスからしてみたら「随分大忙しだったらしい」としか言えないわけです。番外編で書きます、許してつかぁさい。
ただまぁミスラを手伝っていたとはいえ非公式です。証拠も何も無い。少なくとも今回の件でエリ雄達が何らかの手を下すことは不可能です…
さて、一旦武器の元ネタ紹介に戻らせて頂きます。
いや本当は各キャラの欄に混ぜたかったのですが字数制限の関係で無理でした~
まずはあれ、クラッサの銃です。確か消音銃と連射銃とあったと思います。
消音銃のほうはソ連製のPSSという銃弾自体が消音効果を持っている銃で、ガスでピストンを動かすタイプなのです。これだと通常の、ガスで銃弾を押し出すタイプよりも消音効果が高いらしいがよく知らない(爆)作中ではガスって書くのもアレだと思い、魔術紋様で、と描写。ファンタジー仕様になっており、あくまで元ネタ。
もう一本はマカロフを元ネタに「安全装置を取り外した」と描写しようとしたのですが「うーん、やっぱり危ないよね☆」と完全にその部分を取っ払い「紋様を使って連射速度を上げた改造銃」にしました。元がもはやどこにも無い。総弾数が少ない以外は本当にどこにも無い。
次にセオさんがよく使っていた二本の短剣。ナヴァホの神話のベエシュ・ドオルガシイとハツオイイルハルです。黒曜石で作られた幅広剣で、カッコイイから使っただけ。
フィクさんが後半使っていたのはゲームでも有名どころのダークですが、柄の部分が樽型というのはダークの特徴の一つです。刃の片面だけ波型。
レイアのクラ戦時の大剣はエギルのサガのドラグヴァンディルで、北欧にしては珍しい普通の名剣です。七代継がれたってあたりは元ネタ由来。予備の二本の剣も一応何か元ネタあったんだけど忘れました。
エリ雄がいつも使っている銃は元ネタ無しの完全創作。何しろ原型はライトが作って、銃弾はエリ雄の魔力という代物なので。
小説化にあたっての完全後付なブツでしたが、ローズの形見はダーク同様に現実の武器でクリスナーガ。これ、私の創作名称ではなく現実にある名称ですよ。
大抵のことはレイアが本文で説明していましたが、東南アジアの短剣で基本はインドネシアでの伝承や民話に多く残っています。
持っていること自体に価値がある高級品でお守り代わりにもなっているそう。妹と同じ名前の短剣がお守りって何だか可愛いでしょう(何)
ナーガと名前がつく場合は剣身の根元に竜の装飾がされていて更に高価。何本か色んなクリスナーガを見ましたが私には言われないと竜には見えないので、クリスの一人称描写においてそのことは書きませんでした。
剣身は全て波打っており、錘のように細身。刃の長さは長いもので一メートルとかあるらしいけど、当作では通常サイズで描写。
儀式用・美術品的な価値が強いものの、普通に戦闘用としてもなかなからしい。
作中での剣術ランキング。
トップは勿論レイアです。鳥人という素早い身体能力のせいもありますが剣のみで戦うなら、レイア>セオ>エリ>アクア(!!)>ガウェインと以下続く感じ。
ヨシュアやガイアは武器がちょっと特殊なので上位に入ってこない。針や糸なので。アクア、一応役職あるだけあって強いことは強いらしい。姉と違って重い剣は扱えませんが。
体術ランキングは、エリ>セオ>ガウェイン、以下適当。
エリさんが体術メインなのはその魔力のせいだったりします。遠距離では銃を使いますが、本領発揮は手で触れて相手の武器を壊したり、魔力を纏った拳脚で攻撃になるので。あくまでこれらはその魔力の使い道の片鱗しか見出せていなかったからこその戦闘方法なんですけどね。ただ怠け者なのでやっぱり銃が好き。へらへらしていて実はしっかり鍛えてるらしいよ!
魔術と魔法は違いますが統合してランク付けするなら、フィク>セオ>ルフィーナ、次点にエマ子で以下だらだら。獣人鳥人は苦手ですこの類。エリは魔術は出来るけど一般的な魔法が出来ないのでランク外。
クラさんは、一般ではない女神関連の魔術知識はあるけれど結局あんまり自分では使えない。知識と才能は別。
フィクさん、実はひ弱。
銃のランキングは言わずもがな、クラ>エリ、他どんぐり。遠距離は魔法を使うか銃を使うかの二択になる為、魔法が苦手だったりすると嗜んでいます。ライトやレイアとかも。弓は魔術や呪術的な物でも無い限り滅多に使われない。
総合ランキングはセオさんがぶっちぎりで、二位にエリ雄です。ただ第二部終盤以降のエリ雄相手だとビフレストの能力が追加されて、セオさんでもちょっと大変。けど頑張れば勝てる。
……あれ、クリスは?
第一部ではコイツこそがチートキャラ。銃弾も効かない肌だし馬鹿力、精霊武器さえあれば人形セオ相手でも負け知らず。でも第二部では精霊武器が無かった上に取得と同時に弱体化。
槍は得意だけど、それでもレイアやセオさんには純粋に技だけでは勝てないのです。
次はあれですかね、能力関連。
ファンタジーにおいてああいうのをこだわって説明しようとすると長くなる、という考えから何となく程度(クリスが知ってるくらい)しか描写していませんでしたが、やはり気になりますよね…
フォウは番外編で語りますのでそれ以外をまとめてみました。
【魔法】
これはゲームによくある魔法と思って貰って問題ないです。各種属性を魔力によって生み出して使う。魔力はキャパシティ。なので元々の才能が重要になってきます。相性の良い属性があったりとかもする。ルフィーナなら土、セオさんは氷。クリスも実は氷。
ちなみに魔法で治癒は出来ないので、当作品においての特殊治癒は全て魔術です。詠唱は不必要。
【魔術】
魔術紋様と呼ばれる形を土台に様々な特殊効果を発揮。魔力等で地面に彫ったり宙に描いたり。エリ雄は魔力で宙に描けないのでチョークで描くことが多い。
予め紋様が描かれているアイテムを使用すれば描く必要無く即発動可能。体に刻むのも有り。その紋様の元は遺物から汲み取ったり、人間が編み出したりしたものがほとんど。それらが出回り、大半の人はその形を「理解」することで使用可能になります。
つまりやってることはルーン魔術に近いと思って頂ければOKです(北欧神話ではルーン文字を書くだけで発動する術がある)
基本的にアビリティ要素が高いので魔法ほどではないですが、たまに才能が必要になってきて元々体と合わない魔術は使えなかったりする。それは天然モノと同じような理由で以下参照。
ガイアの影縫いも実は魔術。
派生として「天然モノ」、この場合は体に生まれ持った紋様を他人に写しても効果が無い為、作中内の学説として『目に見える紋様だけでなくその人自身もが紋様の一部である』とされています。
それを知っているエマ子は、紋様にプラス物の形を用いて常人では発動不可能な魔術をも使います。エマ子の第二施設破壊は天然の魔術紋様と同じ原理な為、この世界で出回っている紋様以上の効果を齎しました。
これは同じ映像を見ているフィクセオも出来る行為ではありますが、エマ子と違って『創造主』という助言者が居ないので一つの術を編み出すのに数十年かかるレベル。空間転移とかがその一例です。
魔法と違ってたまに詠唱必要な場合もアリ。音も魔術の一部に為り得るということです。
魔術紋様は根本的に神と女神とで全く違う造りになっており、女神の遺産関連の文字や紋様を把握するには余程の知識が必要になってきます。
精霊武器がトップシークレットだったのはミスラの根回しですが、それとは別に写本はともかく女神の遺産の現物はやはり扱いが厳しいです。その魔術紋様の大半が「世界を壊すこと」に特化しているせい。クラさんやルフィーナくらいじゃないと読むのも扱うのも困難ですけど。
【ビフレストの魔力】
ルフィーナ曰く「普通よりも硬質」で、普通に魔法が使えないかわりにその魔力で様々な操作が可能となります。全ての構造を理解していたなら、人間を作り変えたり、というか材料があれば作ったりも出来る便利能力。カバリストや錬金術師の理想に近い。
光として発した時点で若干物質に近くなり、クリスだとそれに拒否反応を示します。やり方次第では光そのものが完全に物として具現化できるので弾丸にもしたりしていました。
レクチェはそれが洩れ出ている状態。エリ雄は完成された体であるが故に洩れないのでクリスには普段感じ取れない。
またライトのディビーナに近い性質を持っている為、ガス欠レクチェへの代用補給が可能でした。
【ディビーナ】
聖とか神聖だとかそんな意味のイタリア語。ライトの右腕にある魔術紋様を媒体に、彼自身の魔力を他人に使うことで治癒能力を発揮。
のでライトは実は魔術を使えないだけではなく、普通の魔法も使えない。魔力がエリ雄ほどではないにしろ、ちょっと違うのです。だから科学的な研究に走ったりしています。
基本は一般魔術での治癒同様に、人体の元々ある自己治癒を加速させるものですがそれが桁違いというイメージ。
聖属性のようなもので、怪我だけでなく対魔術にも効果を発揮。呪術も打ち消します。
【カルドロン】
レフトの左腕にある(以下略)で、奪ってから与えると本文で説明がありました。起源はラテン語の熱風呂らしいですが大釜という意味を持ち、現実の魔術用語としては釜で新たな物質を作り出すようなものです。ただの料理じゃねーか、と私は思う(爆)
それが当作品の場合、釜をレフトとして魔術紋様により操作するみたいな流れ。
アヴァロンではこれを蘇生に使ったり、ギリシャ神話では若返りの道具として使われたり。
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【↑コスプレじゃな(略)真剣なガイアは戦闘時以外ほぼ見られませんw 持たせてから気付いたけど左で剣持ってる。右利きです、ミスです。左利きなのはガイア】
今度は要所で使った専門用語(神話モノも有り)の補足です。一応置いておきます。
キャロム>ビリヤードに近いボードゲームでパックを指ではじいてコーナーポケットに落とすようなゲーム。日本でも一部地域では流行っているらしいよ!
リディル>ゲルマンのファーブニルの歌に出てくる剣で竜の心臓をも取り出すことが出来る名品。
プライウェンの盾、エポナの鬣、シャムロックの腕輪、コルパンシーデの羽>全部ケルト神話に登場する物品。詳細書く程ではない(マテ)
マナナーン>ケルト神話の神様の一人。ティルナノーグの王で、その書が東(ティルナノーグの作中所在地)にある裏付けとなる名前でもあります。
チェンジリング>取替え子の意。欧州では様々な妖精が人間と妖精の子を交換する伝承が残っており、当作では精霊による肉体交換及び侵食的な意味合いの術となっています。
アルバンエイレルとサーオィン>月曜と土曜です(爆)元はマビノギから。更にその元はケルト地方のお祭りの名称。
ブリーシンガの首飾り>有名ですがブリーシンガメンのことです。北欧神話フレイヤの持ち物でこれを着けた彼女には逆らえなくなる、ってことで精霊を服従させる為のアイテムとして描写。
ダーナ>ケルトの女神。またはその神族。
ディーナ・シー>神話ではダーナが小さくなった妖精と言われています。
リアファル>神話ではダーナの秘宝の石。上とこれを繋げてエリ嫁(何)の名前にしました。
アゾート>錬金術師の使役する、悪魔の入った剣。当作でも使い魔的な役割でした。単語由来はアラビア語の「水銀」らしいです。錬金術の単語は結構な確率でアラビア由来。発祥はエジプトですが本格化したのがアラビアだとか。
ミセリコルデ>武器紹介で触れ忘れました。フランス語で「慈悲」という名の針のような短剣です。ダガーも慈悲の剣などと呼ばれますが、その理由は殺傷能力が高くて早く死なせてくれるから。ミセリコルデも同じ理由で名に慈悲を冠しています。イギリスでは逆に殺傷能力が無いクルタナ(現在は二代目、カーテナとも呼んだり。これに限らずカタカナにすると微妙に名称違うものがありますが誤字ではなく発音の捉え方の差なだけです)という剣があり、こちらの別名はソードオブメルシー。やはり慈悲の剣って意味です。イギリスは優しいね!
何故かクラッサが付けているベルト>ミョルニルを使用するには北欧神話ではメギンギョルズという帯が必要なので、ぼんやり作中描写。
ブリガンダイン>沢山の小さな鉄板を布地に鋲で止めた物で、主にイタリアで人気だった甲冑です。
ボルバの熊の皮>北欧のシャーマンに力を与えられた戦士が被るもの。
セアンス>交霊儀式の名称の一つ。アメリカで流行ったらしい。
こんなものでしょうか。