熊男爵と妖精令嬢の掛け違えたボタン
「――正気ですの、お父様?」
格調高い我が家の応接室で、私は思わず手にしていた扇をきつく握りしめていた。
歴史ある古参の伯爵家であるローゼンベルク家の令嬢、エレノアに下されたのは、王太子殿下直々の『婚約の斡旋』だった。
お相手の名前は、ジークハルト・フォン・ブラント。
つい数ヶ月前まで、北方の辺境で泥にまみれて魔物と戦っていたという叩き上げの元平民。今回の戦争で多大な勲功を挙げ、男爵の爵位と領地を賜ったばかりの男だ。
「エレノア、お前の不満はもっともだ。
だが、先の戦役において、王家は中央の政情不安を理由に、北方へ満足な援軍を送れなかった。
国のために命がけで戦った北部に対して、王家は深い負い目があるのだ。
そこで王太子殿下は、北部の新たな英雄であるブラント男爵に古参貴族の箔をつけ、北方の防衛と人心を安定させようと考えられた。
此度の戦役において兵を出せなかった我が家が王家への忠誠と北部への謝意を示すためにも、
この縁談を断るわけにはいかないのだ……」
申し訳なさそうに視線を下げる父を見て、私は深くため息をついた。
当主である父以外に戦地に立てる者はおらず、まだ後継がいない父は当主であるが故に戦地には立てない。
王家が満足に援軍を送れなかった原因は、当家にもあるのだ。
私は幼い頃から、高位貴族の妻となるべく、厳しい王宮マナーや教養を完璧に叩き込まれてきた。
それが、どこの馬の骨とも知れない野蛮な戦地帰りの男の元へ嫁ぐことになるなんて。
けれども、私はローゼンベルク家の娘。王家が北部に報いるための人柱が必要ならば、どんな泥水だって優雅に飲み干してみせる。
「……分かりましたわ。お父様。
このエレノア、ローゼンベルクの名に恥じぬよう、完璧な婚約者として役目を果たしてまいります」
私は小さく胸を張った。妖精のよう、と評される私の小柄な体躯では、普通にしていると子供っぽく見られてしまう。だからこそ、私は常に背筋を伸ばし、威厳を保つことを意識しているのだ。
そうして私は覚悟を胸に、馬車に揺られて北方のブラント領へと向かった。
◇◇◇
数日後。辿り着いたブラント領の光景に、私は絶句した。
舗装もされていない泥道、そして目の前にそびえ立つのは、「館」と呼ぶにはあまりにも質素な、石と木で造られた無骨な建物。
王家は、私をこんな男の元へ追いやることで、我が家を舐めているのではないか?
屈辱で胸が引き裂かれそうになるのを、私は必死に気品ある微笑の仮面で覆い隠した。
軋むような音ともに無骨な扉が開く。中から現れた人物を見て、私は思わず息を呑んだ。
(な、何ですの、この大男は……!?)
そこに立っていたのは、熊と見紛うほどの巨躯を持つ男だった。仕立ての悪い服を着ているが、その下にある筋肉の塊は隠しようもない。黙っているだけで周囲を威圧するような強面の男――彼こそがジークハルト・フォン・ブラント男爵だった。
彼は私を見ると、その鋭い眼光で、じろりと上から下まで値踏みするように見下ろしてきた。おまけに、私を直視しようともしない。
(――新参の地方領主の分際で、名門の私を歓迎していないというアピールかしら!? 私が小柄だからと、子供扱いして舐めているのですわね!)
私の中で何かが燃え上がった。
ここで気弱な態度を見せたら、ローゼンベルク家の名に泥を塗ることになる。私は舐められないよう、精一杯の威厳を込めて、声を張った。
「お初にお目にかかりますわ、ジークハルト様。ローゼンベルク伯爵家が長女、エレノアにございます。王太子殿下のお導きによるこの縁、どうぞよろしくお願いいたしますわ」
完璧なカーテシーを披露しながら、私は確信していた。
この男は野蛮で、傲慢で、私を嫌っている。
けれど、私は負けない。この平民上がりの無礼な男に、本物の貴族というものがどういうものか、私が徹底的に教えて差し上げますわ!
ブラント男爵領での生活が始まって二週間。私の日常は、過酷な挑戦の日々だった。
北方の暮らしは、王都のそれとは何もかもが違っていた。暖炉の火の起こし方、冷え込む館の掃除の流儀、そして食卓に出る岩のように固いパンや無骨な塩漬け肉。
普通なら泣き出すような環境だったけれど、私は伯爵家の令嬢としての覚悟を持ってここに来たのだ。私はプライドを懸けて、北部の暮らしに馴染もうと必死に動き回った。
慣れない手つきで下働きたちの冬支度の手伝いをし、泥まみれになりながら領民の様子を見に行き、固いパンも優雅に噛み砕いて平らげた。小柄な体に鞭打ち、寒冷な気候の中で必死に食らいついていたのだ。
それなのに、領主であるジークハルト様の態度が許せなかった。彼はいつも泥まみれで帰ってきては、私の顔を見るなり眉間に深い皺を刻み、ふいと気まずそうに視線を逸らすのだ。私の努力がそんなに目障りなのかしら。大男の彼に見下ろされるたび、自分がひどく無力で、子供のように扱われている気がしてたまらなかった。
空間的な威圧感に耐えながら、それでも私は必死にブラント領の一員になろうと奮闘し続けた。
そして、その日の夜。ついに決定的な瞬間が訪れた。
珍しく夕食の時間に帰ってきたジークハルト様を迎えるため、私は北部のやり方に倣って自ら配膳を手伝い、彼を待っていた。
食堂に現れたジークハルト様は、やはり酷く疲れた顔をしていて、私の顔を見るなり眉間に深い皺を刻んだ。
「……エレノア。君のその服の泥はどうした。それに、その手は……」
地響きのような低い声が響く。私のドレスの裾は領民の手伝いで泥に汚れ、掌には慣れない作業で小さな豆ができていた。私は少しでも自分を大きく見せるように胸を張り、毅然とした態度で答えた。
「ブラント領の冬支度をお手伝いいたしましたの。ジークハルト様、私はローゼンベルク家の娘です。この土地の暮らしに完璧に馴染んでみせますから、ご心配には及びませんわ」
ふふん、と誇らしげに微笑んでみせる。いくら無愛想な彼でも、私が逃げ出さずに北部の暮らしを受け入れようとしている姿勢を、少しは認めてくれるだろう――そう思っていた。
しかし、ジークハルト様は深く、重いため息をついた。ベースの低い声で、吐き捨てるようにこう言ったのだ。
「まだ周囲の魔物も完全に駆除しきれず、領の安全も確保できていないのだ。そこまで無理をして馴染もうとしなくともいいだろう」
――え?
冷たい水を頭から浴びせられたような衝撃が、私の全身を駆け巡る。
無理をして馴染もうとしなくともいい……?
私がこの二週間、実家の名誉のため、そしてあなたの妻となるために、睡眠時間を削り、プライドを捨てて必死に北部の流儀に合わせようとしてきたすべての覚悟を、この男は『無駄な努力』だと切り捨てたのだ。
それどころか、まだ魔物の危険すら排除できていないと平然と言い放った。そんな危険な場所に私を放置しておきながら、私の必死の覚悟を全否定するなんて。
「……ジークハルト様」
私の声が、怒りと屈辱で小刻みに震え始める。見上げる視線の先にある彼の巨大な体躯が、まるで私を嘲笑う高い壁のように思えて、悔しくてたまらなかった。
「エレノア? おい、顔色が――」
「もう結構ですわ!」
心配そうに一歩踏み出してきた彼に向かって、私は持っていた扇を激しく机に叩きつけた。
「私がどんな覚悟でここに来たか、あなたには一生分かりませんわ! 私のしてきたことがすべて無駄だと言うのなら、もうあなたの顔など見たくもありません!」
目の奥が熱くなり、涙がこぼれそうになる。それを彼に見られるのだけは絶対に嫌だった。
私はヒステリックに叫ぶと、唖然と立ち尽くすジークハルト様を置き去りにして食堂を飛び出し、自室へと駆け込んで鍵を閉めた。私は実家へ逃げ帰ったりしない。けれど、あの無礼な男には、二度と私の顔を見せてあげるものですか!
◇◇◇
神よ、俺は一体どこで選択を誤ったのだろうか。
エレノア様が自室に引きこもるようになってから三日。俺――ジークハルト・フォン・ブラントは、彼女の部屋の前の廊下で、完全に立ち往生していた。
すべての始まりは、二週間前だった。
先の戦役中、中央からの本格的な援軍が来ない中、俺は独自の判断で戦線に加わっていた王太子殿下の窮地を救った。それが縁で殿下とは親しくなり、戦争が終わった後、「俺の命の恩人に、最高に素晴らしい結婚を斡旋してやる。国が北部に負い目を感じている今だからこそ、お前には最高の箔が必要だ」と熱心に勧められたのだ。
そうしてやってきたエレノア様を見た瞬間、俺は息をすることさえ忘れた。
まるでおとぎ話に出てくる妖精のように、小さくて、白くて、繊細な美しさを持った令嬢。俺のような戦場帰りの強面がまともに見つめたら怯えさせてしまうと思い、必死に視線を逸らした。それなのに、彼女はなぜか最初から、限界まで声を張り上げて俺を睨みつけていた。
さらに驚いたことに、彼女は王都の華やかな暮らしを恋しがるどころか、泥まみれになりながら北方の粗末なパンを食べ、寒冷な館の掃除をし、領民の冬支度まで手伝い始めたのだ。
俺はそれを見て、胸が締め付けられるほど申し訳なかった。魔物の残党がまだ潜む危険な辺境へ無理やり連れてこられ、恐怖と不安でいっぱいのはずなのに、彼女は必死に『領主の妻』としてこの土地に馴染もうとしている。その健気で痛々しい姿に、俺は自分の無力さを呪った。
だからこそ、あの夜、俺は彼女の心の負担を少しでも減らしてやりたくて、言葉を選んで告げたつもりだった。
「まだ周囲の魔物も完全に駆除しきれず、領の安全も確保できていないのだ。そこまで無理をして馴染もうとしなくともいいだろう」
(君の身の安全が何より第一だ。魔物の危険が去るまでは、北部の過酷な暮らしに無理に合わせようとせず、もっと贅沢をして、安全な部屋でゆっくり休んでいてくれ)
そんな俺なりの精一杯の気遣いだった。
それなのに、エレノア様は大粒の涙を瞳に溜め、悔しそうに俺を睨みつけると、「もうあなたの顔など見たくもありません!」と叫んで部屋に引きこもってしまったのだ。
「エレノア……少しでいい、話を聞いてくれ……」
俺が重い声を絞り出し、ドアをノックしようとした、その時だった。
「――そこまでにしてくださいませ、旦那様」
背後から冷徹な声が響いた。振り返ると、そこには館の侍女頭や下働きのおばちゃんたちが、モップやホウキを武器のように構えてずらりと並んでいた。
彼女たちは、平民上がりの無骨な俺たちには到底真似できない細やかな気配りで、泥まみれになりながらも自分たちの仕事を笑顔で手伝ってくれたエレノア様に、この二週間で完全にほだされ、崇拝していたのだ。
「エレノア様は、旦那様のためにあんなに一生懸命、
北部の暮らしに馴染もうと頑張っていらしたのです!
それを『無理をするな』『無駄だ』なんて切り捨てるなんて、
旦那様は戦場では英雄ですが、乙女心にはただの冷酷漢です!」
「そうです!
傷ついたエレノア様をこれ以上怯えさせないでください!
お下がりください!」
元平民の男勝りな下働きたちに本気で怒鳴られ、熊のような巨躯を持つ俺は、物理的にも精神的にも完全に部屋から遠ざけられてしまった。謝りたくても、部屋の前にすら近づけない。
絶望した俺は、藁にもすがる思いで、親友である王太子殿下に宛てて手紙を書いた。
『自分の不徳のせいで、愛らしい婚約者を傷つけ、引きこもらせてしまった。使用人たちにも見放された。生きていく希望を失ったので爵位を返上したい』と。
一方その頃、俺を完璧に締め出した侍女たちもまた、エレノア様の代筆として王太子殿下へ『ブラント男爵の不当な冷遇と、現在の膠着状態』を訴える告発状を送りつけていたのだった。
◇◇◇
自室に引きこもって四日目。私の部屋の扉を叩いたのは、ジークハルト様でも、私を心配して果物を運んでくれる侍女たちでもなかった。
「エレノア嬢、開けてもらうぞ」
その聞き覚えのある高貴な声に、私は飛び起きて扉を開けた。そこに立っていたのは、なんと王都にいるはずの王太子殿下その人だった。背後には、冷や汗を流しながら直立不動しているジークハルト様の巨大な姿もある。
「で、殿下!? なぜこのような辺境に……!」
「お前たちが二人して、揃いも揃って馬鹿馬鹿しい手紙を送りつけてくるからだ。呆れて馬を飛ばしてきたわ。さあ、応接室へ行くぞ」
王太子殿下の圧倒的な覇気に押され、私たちは館の応接室へと集められた。殿下はソファにどっかりと腰掛けると、手にある二通の手紙を机に叩きつけた。
「エレノア嬢からは『婚約者が傲慢で、自分の覚悟を侮辱した』との訴え。
そしてジークハルトからは『婚約者を傷つけたので爵位を返上して平民に戻る』との嘆願書。
……おいジークハルト、俺はお前が戦場で俺の命を救ってくれた親友だからこそ、
根性も教養もある伯爵令嬢を娶って幸せになってほしいとこの縁談を組んだんだぞ。
それが何だ、この泥沼は」
「殿下! それは俺の不甲斐なさのせいで――!」
「うるさい、黙れ」
ジークハルト様が地響きのような声で慌てて弁明しようとするが、王太子殿下はそれを一喝した。
「双方の言い分があまりにも噛み合わないのでな。じっくり手紙を読み込んだ結果、実につまらん結論に達した。二人とも、今すぐその無駄な意地と勘違いを捨てて、本音で話し合え。これは王命、いや、お前たちの幸せを願う一人の男としての命令だ。俺は外の可愛い侍女たちにお茶でも淹れてもらうからな」
王太子殿下はそう言うと、さっさと席を立って部屋を出て行ってしまった。広々とした応接室には、大男の彼と、小柄な私だけが取り残された。
沈黙が部屋を満たす。私はたまらず、ソファから立ち上がって彼を睨みつけた。
「ジークハルト様! 爵位を返上だなんて、一体どういうことですの!? 私がこの土地に馴染もうと必死にしていた努力を、無駄だと鼻で笑ったのはあなたではありませんか!」
「違う! 俺がいつ君の努力を笑ったと言うんだ!」
ジークハルト様も立ち上がる。やはり大きい。見上げる私を、彼は困惑と焦燥の入り混じった目で見下ろしてくる。
「だって、初対面の時からそうですわ! 私とまともに目も合わせず、フイッと顔を逸らして! 私が小柄で威厳がないからと、舐めていらしたのでしょう!?」
「違う! あれは……君があまりにも小さくて、妖精みたいに綺麗だったからだ!」
ジークハルト様が真っ赤な顔をして叫んだ。地響きのような大音量で、とんでもない告白が降ってきた。
「綺麗……? 私が、ですか?」
「そうだ! 俺みたいな薄汚い大男がまともに見つめたら、怖がらせてしまうと思ったんだ!
だから必死に視線を逸らし、距離を取っていた!
君がいつも声を張り上げて俺を睨むから、やっぱり嫌われているんだとばかり思っていた!」
私は絶句した。私の「威厳」が、彼には「嫌悪の睨みつけ」に見えていたというの?
「じゃ、じゃあ、あの最後の夜の言葉はなんなのですか! 『無理をして馴染もうとしなくともいい』なんて!」
「あれは……!」
ジークハルト様は大きな手を自身の顔に当てて、深くうなだれた。
「君のドレスが泥で汚れ、手に豆ができているのを見たからだ。
まだ魔物の残党もいて危険な土地なのに、君は伯爵家の令嬢としての覚悟で、
倒れそうになるまで無理をして北部の暮らしに合わせようとしていた。
だから、俺のせいで君が壊れてしまわないように……
そんなに無理をして泥まみれにならなくていい、もっと贅沢をして、安全な部屋でゆっくり休んでいてくれと、そう伝えたかったんだ。
言葉足らずな野蛮人ですまない……」
大きな肩を落とし、本気で消え入りそうなほど落ち込んでいるジークハルト様を見て、私はようやくすべての点がつながった。
彼は私の覚悟を馬鹿にしたのではない。むしろ、私のことを大切に思い、彼なりに必死に気遣ってくれていたのだ。それを私は、自分の背の低さへのコンプレックスのせいで、「見下されている」と被害妄想を膨らませて、最悪のヒステリーを起こして引きこもってしまった。
――なんて恥ずかしい勘違いをしてしまったのかしら。
みるみるうちに自分の顔が熱くなっていくのが分かった。
「……エレノア様。
俺のような不器用な男では、君を傷つけるばかりだ。
だが……俺は、その……君が泥まみれになりながらも、この領のために笑ってくれたあの姿が、本当に嬉しかったんだ」
ジークハルト様は、大きな身体をさらに小さく丸めるようにして、ポツリと呟いた。不器用な彼なりに、私の覚悟をしっかりと受け取ってくれていたのだ。
そんな健気な姿を見せられて、ローゼンベルク家の令嬢が引き下がれるわけがない。
「……ジークハルト様」
私はふん、と鼻を鳴らし、ヒールの高い靴を鳴らして彼の一歩前へと進み出た。そして、めいっぱい背伸びをして、彼の胸板を扇でツンと突いた。
「勘違いしていたことは、お互い様ですわ。ですから、爵位を返上するだなんて馬鹿な真似は絶対に許しません」
「え……?」
「あなたが言葉足らずな野蛮人なら、私が生涯をかけて、完璧な領主へと教育して差し上げますわ。
……その代わり、私もこれからもっと北部の暮らしを勉強しますから、美味しいパンの焼き方を教えなさい」
真っ赤な顔のまま、精一杯のプライドを込めてそう告げると、ジークハルト様の大きな目が信じられないほど見開かれた。次の瞬間、彼の強面が、まるで子供のようにくしゃりと歪んだ。
「ああ……! 喜んで、エレノア!」
嬉しさのあまり俺を抱きしめようとしたジークハルト様だったが、「あ、いや、潰してしまう!」と慌てて両手を引っ込めた。その様子を見て、ドアの隙間から覗いていた侍女たちが「まぁ旦那様ったら頼りない!」とクスクス笑い声をあげる。私もついに我慢できずに吹き出してしまった。
私よりふた回りも大きな、不器用で優しい私の婚約者。これからあの北方の地で、この大男をどうやって乗りこなしてやろうかしら。そんな未来を想像すると、私の胸は、初めて心地よい高鳴りをあげるのだった。




