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なんでもない、日常の先に。  作者: 夜月黎


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2.帰り道

静かな夜道を並んで歩く、帰り道。


隣を歩く静玖先輩の手が、触れそうで触れない。

俺から触ってみたい衝動に駆られる。


伸ばした手を、直前で引っ込める。


……やっぱり、俺には無理だ。


「何遠慮してんの?」


その声にビクッと反応して立ち止まる。

先輩が振り向く。


「ん」


そして手を差し出す。

少しだけ躊躇して、おずおずと手を握る。


ちょっと、怖い。

何がって言われても、よくわかんないけど。


「手、震えてる」


「はい……」


俯く。


ぐいっと握った手を引っ張られる。

そのまま先輩の真横に近づく。


「……俺も」


ぼそっと聞こえる声。

先輩の手も……震えてる?


「俺も緊張してんだ」


ぎこちなく笑う先輩はなんか新鮮だ。


俺は思わず笑ってしまった。


驚いた顔をした先輩は、すぐにいつものように笑った。


「それ」


「え?」


「そうやって笑ってるとさ、いいと思うよ」


何を言われたのか、一瞬わからなかった。

ぽかんとした俺に、先輩はまた笑顔を向ける。


「雪の笑った顔、好きだよ、俺」


顔が熱くなるのが自分でもわかった。

恥ずかしいような、嬉しいような、なんとも言えない感情。


「……俺も……先輩の笑顔が、好きです」


ぼそっと呟く。


「え?」


先輩の頬が少しだけ、赤くなる。


お互い見合って、目を逸らす。


そして、手を繋いだまま無言で歩き出した。 


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